外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

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第一章 冒険者編

第45話 ブロンズに昇格

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 調査から帰ると、晶石の舞の6人とテリーの仲間5人、更にリラも加わってお疲れ様会と称して夕食に繰り出していた。

「カンパ~イ!」

 飲める者はエールの入ったジョッキを片手に飲みながら、食べ切れるようには見えない食事を平らげる。

 テリーのパーティーは神官の男が一人と、4人の美女、計6人パーティーだ。

 ロイは大人の女性の立ち居振る舞いに少し面食らったが、驚いたことにテリーの奥さんたちだった。
 つまりハーレムパーティーというやつだ。
 神官の男のパートナーが一人もいないのは哀愁を感じるが、俗世との理を経ち、神官職を辞さない限り俗ごとに興味がなく、決して女性と交わることがないのだ。

 テリーが一時的にパーティーを脱退したのには意味がある。
 この世界は最大6人のパーティーを組める。
 正確には、パーティーシステムの上限が6人なのだ。
 経験値が人数割りになり、非前衛や、回復やバッファーなど、自ら魔物を殺さない職でも経験値を得られ成長する。

 他にもパーティーとしてのギルドにへの貢献がパーティー員の活躍で認められる等、メリットは大きい。

 また、テリーが簡単に一時脱退できたのは、彼女たちが奥さんたちだと言うのと、信頼させているからだろう。

 まだ試作の段階だが、コナリスから貰ったスライムの粉を渡し、帰ってから飲むようにと、ソニアが渡していた。女性陣は男が割って入れない感じに盛り上がっており、ロイ、テリー、ベリーズの3人で話し込んでいた。
 また、神官さんはお酒を飲まないので、一人黙々と食事をしていたのが印象に残った。

 この日は疲れもあり、程々で宿に引き上げた。

 ベリーズたちも宿を移ることになり、この日は大部屋になった。
 もちろん間違いは起こらない。

 翌日ギルドにて晶石の舞全員が揃っていた。
 テリーからは、妻たちの肌が凄いことになっていたと感謝をされた。

 そして調査結果をテリーがギルドマスターに報告し、ジェネラルの素材と魔石を売ったお金、調査依頼の達成報酬を得た。

 テリーはお金を持っているからと、達成報酬の人数割りの分以外、お金の受取を拒否した。

 これにてテリーはパーティー晶石の舞から抜けるも、えらくロイを気に入ったようだ。

 不覚にも怪我を負い、命の危険陥ったこととは関係なくだ。

「ロイ君、世話になったね。これで私はパーティーに戻るが、何かあったら私を頼ってほしい。妻たちもソニアさんたちを気に入ったようだから、友人としてこれからも宜しく頼むよ」

「はい。こちらこそ勉強になりました」

「そうそう、ブロンズランク昇格おめでとう」

「えっ?昇格?」

「あれっ!?聞いていないかい?流石に私がいたとはいえ、ゴールドランクの魔物を盗伐してランクアップしない訳は無いからね」

「えっと、それは私の方から説明します」

 リラが説明を引き継いだ。

「ロイさんとソニアさんはすでにスライムを10体は倒したうえで、昇格基準を満たしているの。でもベリーズさん、ミランダさん、エリナさんはまだスライムの討伐数が足りないので、スライムの討伐数が規定に達すればブロンズよ」 

「分かりました。では僕とソニアのランクアップ登録をお願いします」

 リラがテリー、ロイ、ソニアの3人のカードを持って下に降りた。テリーの脱退手続きをする為だ。

 お金はテリーの依頼報酬分を除くと150万リュピスが残った。
 ロイはサクッと人数割りにしたが、ベリーズ、ミランダ、エリナは目を丸くしていた。

「ロイはそういう人よ。慣れた方が良いわ!」

 ソニアがフォローし、明日から5人でスライム狩りをすることになった。この時のロイはまだ、3人がブロンズになるまでの臨時の仲間だと思いこんでいた。

 またこの後、ベリーズと工房に行き、ソニアの収納に入っている木 注)を出し、4人でコナリスのところに向かった。

 注)なんの木?となった貴方!ベリーズが素材採取のために切り倒していた木です。

 ・
 ・
 ・

 ロイと別れたテリーはギルドマスターと話し込んでいた。

「随分回りくどいことをしたようだな。わざと怪我をしてまでのことか?」

「ははは。ロイ君は騙せたようですが、流石に貴方には通用しないですか」

「で、どうなんだ?痛い思いまでしての感想は?」

「少し無謀なところもありますが、仲間の危機に自ら刺されてでも確実に倒しに行っていましたよ」

「別にそれだけなら驚かんぞ」

「ジェネラルがただの一撃で死に絶えた様は肝を冷やしました。剣の腕前は中々ですが、まだ力が足りません。しかし、それを差し引いても驚きましたよ。現段階でシルバー以上ですね。プラチナ、いや、ミスリルまで行けるのではないでしょうか?」

「因みにジェネラルについてだが、お前さんが本気を出せば何秒で行ける?」

「1分もあれば」

「うむ。人となりは?」

「貴方と同じ評価ですよ」

「やはりか。それとなく守ってやってくれ」

 そうして今回の本当の調査依頼は幕を下ろした。
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