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第一章 冒険者編
第37話 朝チュン
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テリーはソニアの前に片膝をつき、優しく声をかけた。
「お嬢さん、詳しく話を聞かせてくれまいか?良かったら私が助けに行こう」
ソニアは眼の前で片膝を付く男からは、他の者とは違う雰囲気を感じた。
「はい。彼女たちと逃げてきた三人組は私達を見るとニンマリしながら逃げ去りました。」
「その3人の特徴は?」
「あっはい。一人は赤毛で長身の細身、スキンヘッドの小柄なのと、金髪で細身の剣を二本持っていました」
一瞬その端正な顔が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべたが、直ぐに冷静な顔になる。心の中で多分愚弟だと、これ以上の蛮行は自らの手で裁いてやると唸りながらソニアに助けの手を差し出す。
「君は何と言ったかな?道案内をしてくれまいか?お金は後から渡すから、誰かこの怪我人を治癒士に見せてくれ!ギル、仲間を集めてくれ!すぐに立つ!」
・
・
・
その華麗なる魔法と圧倒的な戦闘技術を駆使して、モンスターの群れを一掃し、ロイとミランダ、そしてベリーズの危機を救い出した。彼らの中には炎を自在に操る魔法使い、敵を一刀両断にする凄腕の剣士、そして強力な回復魔法を操る僧侶がおり、彼らはそれぞれの特技を駆使し、魔物を瞬時といっても良いほどの短時間で魔物の群れを殲滅させた。
ソニアは彼らの苦境を知ったゴールドランク冒険者たちが、救援をしてくれたことに涙を流しながら感謝の言葉を述べた。
救出されたものの、ロイとベリーズは疲労のあまり力尽きて倒れ込む。その光景を見たソニアは、涙を流しながらロイに抱きつき、彼らの無事を心から祈った。
ゴールドランク冒険者パーティーの勇敢な行動により、ロイたちは安全に街へと戻され、ソニアが用意した中級回復ポーションのおかげでミランダも徐々に意識を取り戻した。
傷は塞がっても流れた血までは回復しないので、ミランダとギルドに預けた女性は回復への道を歩み始めることができる。
しかし、安静と休息が必要だ。
ロイは自分たちを救ってくれたゴールドランクの冒険者たちに対し、深い感謝の意を表し、彼らの勇敢な行動を永遠に忘れることはないと心に誓った。
詳しい話は後となり、明日の朝ギルドに集合となった。
ロイは疲労困憊で、体力の限界を超えて酷使した体は意識が半ば朦朧としていた。
馬車で宿まで送られたロイは、ソニアに肩を貸されながら部屋に向かう。
宿に入るとそのままベッドに寝かされた。
「ソニア・・・ありがとう・・・少し休みた・・・zZzZZzz」
ロイはお礼を言っている途中で意識を手放した。
・
・
・
翌日、小鳥のさえずりで目覚めたロイは、ベットで柔らかな感触と温かさを享受していた。
柔らかすぎる・・・
その胸元には・・・下着姿のソニアがいた。己もパンツ一丁だ。
つまり同衾である。
血の気が引く思いだ。
やってしまったのだと、男としてやったことに責任を取らなきゃと、どう言おうかと思案を始めた。
そんな折、おはようございますと、ソニアがまどろみの中告げてきた。
目が合う。
記憶にないがこの美少女の純潔を奪ったのだと、同意があったか無理やりだったか記憶にない。
無理もない。
やっていないことの記憶などあろうはずもない。
しかし、やっていない記憶もまたしかり。
そして意を決するとロイは、それはそれは見事なジャンピング土下座をした。
「すまない。記憶にないが取返しのつかないことをしでかした。ちゃんと責任を取り、ソニアのことを娶りたい」
ソニアはポカーンとする。
「あ、あの?娶って頂けるのはありがたいのですが、責任って?」
あれっ?と思う。
「その・・・この格好・・・男と女がこんな格好で同衾となると、その、愛し合ったか、僕が一方的にソニアの体を求めたんだと・・・」
ソニアは何故か真っ赤になる。
「そ、そんなことしていません!」
怒ってしまった。
「じゃあなんで僕らは下着姿で寝ているの?」
ソニアはロイの服が戦いで汚れており、服を脱がせて体を拭いたのだ。流石に下着を脱がせるのは恥ずかしかった・・・だから下着姿なのだと。
それと何故かロイの体が冷え切っており、温まるのに人肌が一番だと思うも、裸になるのは恥ずかしかったからと下着姿で抱きついて、人肌で温めてくれたのだ。
感謝しつつ、ソニアが服を着るさまを見ていた。
「ロイ?流石に恥ずかしいよ?見たいならそうと言って欲しいな。ロイになら全てを見られても良いけど・・・」
ロイはハッとなり背中を向け、自分も服を着だした。ソニアは半ば本気だが、ああ言えば紳士なロイはハッとなり背中を向けてくれると知っていた。
その後朝食を済ませるとギルドに向かった。
「お嬢さん、詳しく話を聞かせてくれまいか?良かったら私が助けに行こう」
ソニアは眼の前で片膝を付く男からは、他の者とは違う雰囲気を感じた。
「はい。彼女たちと逃げてきた三人組は私達を見るとニンマリしながら逃げ去りました。」
「その3人の特徴は?」
「あっはい。一人は赤毛で長身の細身、スキンヘッドの小柄なのと、金髪で細身の剣を二本持っていました」
一瞬その端正な顔が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべたが、直ぐに冷静な顔になる。心の中で多分愚弟だと、これ以上の蛮行は自らの手で裁いてやると唸りながらソニアに助けの手を差し出す。
「君は何と言ったかな?道案内をしてくれまいか?お金は後から渡すから、誰かこの怪我人を治癒士に見せてくれ!ギル、仲間を集めてくれ!すぐに立つ!」
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その華麗なる魔法と圧倒的な戦闘技術を駆使して、モンスターの群れを一掃し、ロイとミランダ、そしてベリーズの危機を救い出した。彼らの中には炎を自在に操る魔法使い、敵を一刀両断にする凄腕の剣士、そして強力な回復魔法を操る僧侶がおり、彼らはそれぞれの特技を駆使し、魔物を瞬時といっても良いほどの短時間で魔物の群れを殲滅させた。
ソニアは彼らの苦境を知ったゴールドランク冒険者たちが、救援をしてくれたことに涙を流しながら感謝の言葉を述べた。
救出されたものの、ロイとベリーズは疲労のあまり力尽きて倒れ込む。その光景を見たソニアは、涙を流しながらロイに抱きつき、彼らの無事を心から祈った。
ゴールドランク冒険者パーティーの勇敢な行動により、ロイたちは安全に街へと戻され、ソニアが用意した中級回復ポーションのおかげでミランダも徐々に意識を取り戻した。
傷は塞がっても流れた血までは回復しないので、ミランダとギルドに預けた女性は回復への道を歩み始めることができる。
しかし、安静と休息が必要だ。
ロイは自分たちを救ってくれたゴールドランクの冒険者たちに対し、深い感謝の意を表し、彼らの勇敢な行動を永遠に忘れることはないと心に誓った。
詳しい話は後となり、明日の朝ギルドに集合となった。
ロイは疲労困憊で、体力の限界を超えて酷使した体は意識が半ば朦朧としていた。
馬車で宿まで送られたロイは、ソニアに肩を貸されながら部屋に向かう。
宿に入るとそのままベッドに寝かされた。
「ソニア・・・ありがとう・・・少し休みた・・・zZzZZzz」
ロイはお礼を言っている途中で意識を手放した。
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翌日、小鳥のさえずりで目覚めたロイは、ベットで柔らかな感触と温かさを享受していた。
柔らかすぎる・・・
その胸元には・・・下着姿のソニアがいた。己もパンツ一丁だ。
つまり同衾である。
血の気が引く思いだ。
やってしまったのだと、男としてやったことに責任を取らなきゃと、どう言おうかと思案を始めた。
そんな折、おはようございますと、ソニアがまどろみの中告げてきた。
目が合う。
記憶にないがこの美少女の純潔を奪ったのだと、同意があったか無理やりだったか記憶にない。
無理もない。
やっていないことの記憶などあろうはずもない。
しかし、やっていない記憶もまたしかり。
そして意を決するとロイは、それはそれは見事なジャンピング土下座をした。
「すまない。記憶にないが取返しのつかないことをしでかした。ちゃんと責任を取り、ソニアのことを娶りたい」
ソニアはポカーンとする。
「あ、あの?娶って頂けるのはありがたいのですが、責任って?」
あれっ?と思う。
「その・・・この格好・・・男と女がこんな格好で同衾となると、その、愛し合ったか、僕が一方的にソニアの体を求めたんだと・・・」
ソニアは何故か真っ赤になる。
「そ、そんなことしていません!」
怒ってしまった。
「じゃあなんで僕らは下着姿で寝ているの?」
ソニアはロイの服が戦いで汚れており、服を脱がせて体を拭いたのだ。流石に下着を脱がせるのは恥ずかしかった・・・だから下着姿なのだと。
それと何故かロイの体が冷え切っており、温まるのに人肌が一番だと思うも、裸になるのは恥ずかしかったからと下着姿で抱きついて、人肌で温めてくれたのだ。
感謝しつつ、ソニアが服を着るさまを見ていた。
「ロイ?流石に恥ずかしいよ?見たいならそうと言って欲しいな。ロイになら全てを見られても良いけど・・・」
ロイはハッとなり背中を向け、自分も服を着だした。ソニアは半ば本気だが、ああ言えば紳士なロイはハッとなり背中を向けてくれると知っていた。
その後朝食を済ませるとギルドに向かった。
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