外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

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第一章 冒険者編

第24話 スライムを食す

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 ガレスは単なる解体場の長にとどまらない特別な存在だ。彼の魔物に対する扱い方は、他の誰も及びもつかないほどの卓越した技術を誇っている。

 その彼が今、新たな挑戦に臨んでいた。彼は体液の回収を最初のステップとして考え、そのために専用のたらいの上で、慎重に抽出用の道具を準備していた。彼の手際の良さは、長年の経験に裏打ちされたものだ。

「これを挿せば体液が吸える」

 確信を持ってスライムに切先を差し込んでいくガレスだが、何故か期待した通りの結果が得られない。

 彼が試みた抽出方法は、通常ならば液体を吸い出すことができるはずだったが、引き抜いてみると驚くべきことに、器具の先端に刺さっていた物質は液状ではなかった。
 それは柔らかさはあるものの、どちらかと言えば固形の状態を保っていたのだ。
 さらに通常のスライムが持つべき特有の臭いも感じられない。

 ナイフで外皮を割くとやはりもちもちとした固形状の物質があり、ナイフで削ってみた。
 まるで肉を切り分けるような感触で、容易に取り除くことができた。
 まるで柔らかいチーズのようだ。

 この予想外の状況に直面したガレスは、混乱と驚きを隠せずに「なんじゃこりゃぁ…」

 大声で叫び、その声は解体場内にこだましていった。彼の前に広がる未知の現象に新たなる挑戦が始まったことを悟り、その解明に向けての一歩を踏み出すことになる。

 そしてくんくんと臭いをかぎ、ロイに投げると更にその物質を切り分ける。

「臭わないですね。しかもぷにぷにして中々良い感触ですね」

 ガレスはリラとソニアにも短冊状に切り分けた物を渡す。
 ソニアはなんの疑いもなく、リラは恐る恐る手に取る。

 リラはソニアが躊躇なく受け取ったことに呆れていた。

「貴女ねぇ、女の子なんだから少しは躊躇いなさいよ」

「てへへ。でも確かに良い触り心地ですよね」 

「ま、まあ確かにそうね・・・って何しているんですか!」

 ガレスが切り分けたそれを口に運んだから、リラが叫んだのだ。

「おう!こりゃあたまげたぞ!ロイ、お前も食ってみろ!美味いぞ」

「食べるんですか?」

「元々スライムの体液は、飲むと回復ポーションの劣化版程度に回復するんだ。腹を下すが、口にできなくもないんだ。だから大丈夫だ。多分な」

「そこは大丈夫だと堂々と言って下さいよ」 

 そう言いつつロイも口にいれる。

「ちょっとロイ君、何してんのよ!」 

 リラが思わずロイの肩を掴むが、ロイはすでに咀嚼して飲み込んだ。

「うわっ!美味しいですね。ガレスさんが勧めるからどうかなって思ったけど、うん、これで何もなければ」

「わ、私も頂いても良いですか?」

 怖いもの知らずのソニアがおずおずと聞いてきた。
 しかし、ガレスは首を横に振る。

「嬢ちゃんはまだ止めときな。こいつが明日の朝元気だったらにしといた方が良いぞ。体に毒か無毒か分からんしな。俺にしろロイにしろ、体の作りは雑だから少々のことじゃ死なんような作りだから大丈夫だろうが、嬢ちゃんたちは繊細な作りだろ?」

 ガレスはその見た目に合わないおちゃめなウインクをした。

「は、はい。じゃあ明日にお預けですね」

「それは良いけど、じゃなくて貴女よく考えなさい!あのスライムよ!それはさて置き、これどうしましょう?」 

「うん。思うところがあるんだけど、その前にリラさん、誰か薬師とかに知り合いっていない?実験に付き合ってくれそうな人とかいると良いかな」

 ソニアがはっとした。

「いるにはいるけど、その子まだ見習いね。確か師匠のところで修行しているわよ。ソニアさん、貴女なら知っているんじゃない?」

「ひょっとしてコナリスさんのことですか?」

「なんだ、ソニアに薬師の知り合いがいるの?」

「いえ。たまに薬草採取で見かける子です」

「そうね。たまに薬草採取依頼を出す子よ。確か師匠は厳しく、ポーション作成の成功率が低い間は自前の素材を使い、成功した分は一緒に卸してその分のお金をもらっているそうよ」

「その子か、師匠さんに検証をする手伝いをお願いできませんか?」

「コナリスさんはまだ腕は安定しないけど、師匠は止めたほうが良いわ。かなりの偏屈らしいの。そうねぇ、道具屋も営んでいて、そこにもポーションを置いているから一度見てきたらどうかしら?」

 ロイは少し考え込んだ。

「ガレスさん、この道具って借りられないですよね?」

「流石に駄目だが、多分、今話している道具屋で買えるぞ」

「ありがとうございます。それじゃあそこに行ってみます。明日スライムを狩って試したいんだ。リラさん、場所と店の名前を教えてください」

 そうしてロイとソニアの二人は、一度着替えてから、リラに教えられた、リックガンド魔法道具屋へと向かうのだった。
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