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第68話  保健体育?

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 ライは今になりふとそうだ!と思い出し、転生前に触れた物でもその物が作れるのかを試してみた。するとナプキンを作れたのだ。といっても一個一個のものではなく、売り場に売っているパッケージことだ。

 当時付き合っていた彼女に買ってくるように頼まれたのだ。メモを書いてもらい、欲しいメーカーと銘柄等を書いてもらい、ドラッグストアに駆け込んだ記憶があった。

 さすがにナプキンコーナーでうろつくのは恥ずかしかったので店員さんに事情を説明し、メモを渡した。貧血で倒れてしまった彼女に頼まれてきたので持ってきて欲しいと。微笑む店員さんに優しい彼氏さんで羨ましいわと言われ、一緒に棚に行き渡されて買った記憶があった。そしてこの世界にまともな生理用品などないのだ。

「その、俺の前世の知識に女の子の日に使う用品があるんだ」

 不思議な材質のものに包まれたパッケージに皆きょとんとなっていた。これで女の子の日にお股から出てくるオリモノをガードしてくれるんだ。さすがにニース相手に俺が装着をしてあげる事はできないけども、ぱっと見て使い方が分かればいいけども?どう?」

 皆食いついていたが、首を横に振った。説明文が読めなく理解できなかったからだ。

「そっか。分からなければ誰か下着姿になってくれるかな?何とか下着の上から着けるから」

 ライは思い出していた。ナプキンを購入した日に泊まりに来ていた彼女が貧血で倒れてしまったのだ。薬を飲めば一日程で動けるが、結局ふらふらの状態だといい、挙げ句偶々2日早く生理が来たと言っていた。鞄ごと生理用品を自宅に忘れてきていて、ライが急遽買いに走ったのだ。布団やシーツを汚すからといっており、恥ずかしがっていたがフラフラで自分で着けられないから着けて欲しいと頼まれ、結局ライがナプキンを着けてあげる事になり、説明されながら着けたのだ。だから一応着け方は分かる。実際は嘘で、会社の同僚達に言われ、自分が愛されているか確認するために一芝居を打ったと。もしナプキンを装着をしてくれるなら愛されていると焚き付けられたのだった。実際は騙され、掛のネタにされていたのだ。

 いきなりミーニャは立ち上がり、ライの前に来たかと思うと、下着を脱いでスカートをたくしあげて下半身を晒した。

「ライ、そのエッチな目で見ないでね。その私にとりあえず着けてみて欲しいのです。ニースちゃんにはやっぱり実の兄がやってはいけないですわ。私も今朝丁度女の子の日になったのですわ。その、ライはこういう時にエッチな目で見ないですわよね?」

「うん、勿論だよ。流石に皆の前だし俺も恥ずかしいから1度しかしないし、きちんとしたやり方には程遠いかも分からないけども、後で弥生が目覚めたら多分字が読めるからもう少しまともになると思うから」

 ライも恥ずかしかった。勿論女性の陰部を見た事がないわけではないし、もちろん女性経験も前世では有る。だがそれはベッドの中での事であり、正直彼女にナプキンを着けて上げた時以外に明るいところでまじまじと見た事がない。ましてや明るい中でミーニャは立っているじょうたいで陰部を真面目にとはいえ、まじまじと見る羽目になっており、物凄く恥ずかしかった。

 勿論一番恥ずかしいのは御開帳になっているミーニャだ。恥ずかしかったが、見た事のないモノを装着してくれるライの手は温かく優しかった。

「はいこれでおしまい!」

 装着し終わり、後ろを向いているからと服を整えるように言った。

 そしてライは見様見真似でニースに着けてあげてと、もしもの時は手伝うからと後ろを向いていた。皆恥ずかしそうにはしていたが、なんとか装着が終わり、ちゃんと下着を履かせていた 。メアリーはほっとしていた。

「ライありがとう。多分無事に終わったわ」

「その、皆に言ってあったよね?俺は別の世界で生きていて、そこで一度死んだんだと。前世では時折泊まりに来ている付き合っている女性がいたんだ。その女性が女の子の日が予定より早く来てね、体調が悪くてこれを買いに行ったから、触れた事があるんだ。ただ触れた事があるのがこのパッケージだけだったから、サイズが合わないかもなんだ。ちょうどその女性の背格好はメアリー位だったかな。メアリーやユリカ、弥生には多分サイズが合うと思うけども、ラルファとクラウディアには少し小さいかもね。それとミーニャやニースには少し大きいかもだけど、この世界にはこれ程の物がない筈だから、サイズが合わなくても、今使っているのより遥かに使えると思うよ。これは君達の生活の役に立つと思う。このサイズのものであればいくらでも作れるから」

 皆に一つづつ渡して感触を確かめて貰っていた。ミーニャが凄いとスカートを捲り、ライに感謝した。お股から漏れるオリモノが気にならないし、漏れていないと。
 
「ミーニャが今女の子の日って言ってたから、そのうち分かると思うけども、女の子の日ってお股からオリモノが出てくるでしょ?恥ずかしがらないでね。ちゃんと理由も仕組みも君達が思うよりも俺は分かっているから。子供を生むのに必要なプロセスだから。そのオリモノをこれが吸収してくれるんだ。多分皆布とかで対処していると思うけれども、それだとずれたりして下着についてしまったりと不安な生活をしていると思うけども、これならその心配もだいぶ少なくて済むと思うよ。ミーニャ、俺も恥ずかしいからさ、今じゃなく後日皆に感想を伝えてあげてね」

 そうして恥ずかしさマックスの保健体育の時間が終わったのであった。
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