39 / 87
第38話 出られない
しおりを挟む
ライは頃合いと見て皆に告げた。
いや、変な方向に話が向かっていたので、話題を無理矢理替えたのだ。
彼女達の様子は明らかにおかしかった。メアリー達と同じだ。ラルファの行動もそうだ。衝動的に忠誠を誓ってきたのだ。パトリシアもまだ影響から抜けていない。それを失念していたのだが、パトリシアはライに多くの女がむらがり、女に興味を持ち、自分にも寵愛が!と画策した。
本来はどちらかというと男嫌いというか、苦手なのだが、ダンジョンの影響で苦手部分が逆転し、強い男を見るとドキドキするようになっていた。
そんな感じでミーニャに対してもそれとなくライに靡くように誘導していたのだが、ダンジョンの影響を受け始めた為、あっさりと落ちたのだ。
もう出ないと。皆より受けた影響が少ないライは冷静にそう判断した。
「皆さんそろそろ上に行きたいでしょ?ドロップ品を回収して、スキルをゲットしてとっとと家に帰りましょう。スキルをゲットしないと扉が開かないですからね!
皆頷いたというよりも、ライに従ったのだ。ドロップアイテムを回収してから、四人が各々オーブに触れていった。
しかし問題が発生したのだ。
最後のフォッカーが触った後現れる筈の扉が出現しなかったのだ。
皆で部屋の隅々まで見渡した。と言っても精々体育館程度の広さであり、遮蔽物は何もない。扉が現れたら絶対に気が付く。
ライの看破を発動するも何も発見できなかった。
「な、何故?パトリシアさん、悪いがオーブを確認して欲しい」
ミーニャが不安そうにライの服を摘んでいた。ライは大丈夫だからと言わんばかりに頭を撫でていた。本来は子供扱いするなと息巻く所であるが、撫でられると落ち着くし心地良かったので、いつの間にかライにしがみついていた。
ライはちょっと見てくると言って外周を見ていた。壁を叩き、何か無いのかをだ。
パトリシアはオーブを眺めていたり、息を吹きかけたりと先ずは触れずに見ていた。
特に異常や変化はないが、先程と変わりなかった。
皆凄いのを取ったと喜んでいたのも束の間で、扉が現れず、パトリシアも変だと呟いており、不安に苛まされていた。
フォッカーは先程のクラウディアの身籠り事件についてミーニャと同じ勘違いをしており、双子の妹がいつの間にか女になっていたと思っていたのが違うと分かり、その安堵からか、今の状況をあまり深刻に受け取らず、そのうちに開くさ!程度に思っていた。
パトリシアは固まっていた。不思議と言うか、あり得ない事が起こり、戸惑っていたのだ。
「おーい!パトリシアさん?何か分かった?こっちは異常が無かったよ」
「あのう、ギフトリラクゼーションって何だと思いますか?」
「唐突だね。ギフト名としては聞いた事が無いけど、僕の知識ではマッサージとかして身体の疲れを癒やしたりするのだけど、スキルやギフトの場合多分違うよね。それがどうしたの?」
「役に立つ内容なのでしょうか?私の知識にも無いものですから」
「う~んとね。ギフトとしての僕の予想では直接攻撃とかじゃないだろうけど、例えば万全な体調に強制的に移行し、潜在能力を余す事なく発揮するのとかだと、チートとは言わないけど、かなりの戦力アップになり生存率を大幅に上げる無くてはならない力なんじゃないかな?こんな時にそんな事を聞いてどうしたのですか?それよりオーブを確認して何か分かりましたか?」
「はい。その、何故か私、ギフトを得てしまいました!」
「まじで!?うそ~ん!あっ、勿論疑ってるんじゃなく、予想外って事だよ。ほえ~!因みに何をゲットしたの?」
ライは抜けていた。勿論先程からパトリシアが聞いていたスキルに決まっているのだが、何故質問してきたか分かるのが普通なのだが、本気で先程の質問は別の話だと思っていた。
「はい。リラクゼーションですわ」
「ライ殿は少し抜けているのだな。そこが可愛いのだが、パトリシア殿の話から普通は連想すると思うぞ?まあライ殿の個性としてそれはそれで良いと思うぞ。それよりもどういう事なのだろうか?」
「いやあ、流石に僕にも分からないよ。理由が分かる人っている?」
皆首を傾げていたが、ミーニャだけはため息をついていた。
「何を言っているのですか?扉が現れない理由がこれで分かった筈ですが、何故分からないのですか?」
「ミーニャさん?僕にはさっぱりだけど、一体どういう事ですか?」
「あのねえ、皆少しは考えなさいよ。理由は分からないけど、明白じゃないの!ダンジョン的にはパトリシアさんとライ様をパーティーメンバーとして扱っているからでしょ?ライ様、早くしてください」
いや、変な方向に話が向かっていたので、話題を無理矢理替えたのだ。
彼女達の様子は明らかにおかしかった。メアリー達と同じだ。ラルファの行動もそうだ。衝動的に忠誠を誓ってきたのだ。パトリシアもまだ影響から抜けていない。それを失念していたのだが、パトリシアはライに多くの女がむらがり、女に興味を持ち、自分にも寵愛が!と画策した。
本来はどちらかというと男嫌いというか、苦手なのだが、ダンジョンの影響で苦手部分が逆転し、強い男を見るとドキドキするようになっていた。
そんな感じでミーニャに対してもそれとなくライに靡くように誘導していたのだが、ダンジョンの影響を受け始めた為、あっさりと落ちたのだ。
もう出ないと。皆より受けた影響が少ないライは冷静にそう判断した。
「皆さんそろそろ上に行きたいでしょ?ドロップ品を回収して、スキルをゲットしてとっとと家に帰りましょう。スキルをゲットしないと扉が開かないですからね!
皆頷いたというよりも、ライに従ったのだ。ドロップアイテムを回収してから、四人が各々オーブに触れていった。
しかし問題が発生したのだ。
最後のフォッカーが触った後現れる筈の扉が出現しなかったのだ。
皆で部屋の隅々まで見渡した。と言っても精々体育館程度の広さであり、遮蔽物は何もない。扉が現れたら絶対に気が付く。
ライの看破を発動するも何も発見できなかった。
「な、何故?パトリシアさん、悪いがオーブを確認して欲しい」
ミーニャが不安そうにライの服を摘んでいた。ライは大丈夫だからと言わんばかりに頭を撫でていた。本来は子供扱いするなと息巻く所であるが、撫でられると落ち着くし心地良かったので、いつの間にかライにしがみついていた。
ライはちょっと見てくると言って外周を見ていた。壁を叩き、何か無いのかをだ。
パトリシアはオーブを眺めていたり、息を吹きかけたりと先ずは触れずに見ていた。
特に異常や変化はないが、先程と変わりなかった。
皆凄いのを取ったと喜んでいたのも束の間で、扉が現れず、パトリシアも変だと呟いており、不安に苛まされていた。
フォッカーは先程のクラウディアの身籠り事件についてミーニャと同じ勘違いをしており、双子の妹がいつの間にか女になっていたと思っていたのが違うと分かり、その安堵からか、今の状況をあまり深刻に受け取らず、そのうちに開くさ!程度に思っていた。
パトリシアは固まっていた。不思議と言うか、あり得ない事が起こり、戸惑っていたのだ。
「おーい!パトリシアさん?何か分かった?こっちは異常が無かったよ」
「あのう、ギフトリラクゼーションって何だと思いますか?」
「唐突だね。ギフト名としては聞いた事が無いけど、僕の知識ではマッサージとかして身体の疲れを癒やしたりするのだけど、スキルやギフトの場合多分違うよね。それがどうしたの?」
「役に立つ内容なのでしょうか?私の知識にも無いものですから」
「う~んとね。ギフトとしての僕の予想では直接攻撃とかじゃないだろうけど、例えば万全な体調に強制的に移行し、潜在能力を余す事なく発揮するのとかだと、チートとは言わないけど、かなりの戦力アップになり生存率を大幅に上げる無くてはならない力なんじゃないかな?こんな時にそんな事を聞いてどうしたのですか?それよりオーブを確認して何か分かりましたか?」
「はい。その、何故か私、ギフトを得てしまいました!」
「まじで!?うそ~ん!あっ、勿論疑ってるんじゃなく、予想外って事だよ。ほえ~!因みに何をゲットしたの?」
ライは抜けていた。勿論先程からパトリシアが聞いていたスキルに決まっているのだが、何故質問してきたか分かるのが普通なのだが、本気で先程の質問は別の話だと思っていた。
「はい。リラクゼーションですわ」
「ライ殿は少し抜けているのだな。そこが可愛いのだが、パトリシア殿の話から普通は連想すると思うぞ?まあライ殿の個性としてそれはそれで良いと思うぞ。それよりもどういう事なのだろうか?」
「いやあ、流石に僕にも分からないよ。理由が分かる人っている?」
皆首を傾げていたが、ミーニャだけはため息をついていた。
「何を言っているのですか?扉が現れない理由がこれで分かった筈ですが、何故分からないのですか?」
「ミーニャさん?僕にはさっぱりだけど、一体どういう事ですか?」
「あのねえ、皆少しは考えなさいよ。理由は分からないけど、明白じゃないの!ダンジョン的にはパトリシアさんとライ様をパーティーメンバーとして扱っているからでしょ?ライ様、早くしてください」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
89
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる