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第13話 看破
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ライは「じゃあっ!」と一言告げ、そそくさと横になった。
「我の求めに応じギフトを開放せよ!ギフト開放神の眼 看破」
メアリーが慌てた。気絶したライを膝枕する為だ。不意打ちだった。流石に逃げたのだと理解できたが、メアリーはやり過ぎたのだとユリカから言われ、少し反省していた。要はライの性格からこうなる事が予測出来た筈なのだが、途中から本気が入っており、熱くなり過ぎたのだ。
2人は悶々としていた。取りあえずライの事を今は諦め、ユリカの古傷の事を考えていた。冷静に考えると多分ライの仕業だが、聞く前に気絶したからだ。
だがライはとっととギフトを開放した為気絶した。
改めて2人は己の衣服を確認するも、ライにあちこちを障られてはいるが、胸や下腹部には触った気配がしない。
メアリーも自分の体のあちこちにあったかすり傷が無い事を確認した。
思わずライに感謝のキスをしようとしたが、ユリカに止められた。
「駄目よ。ライ様からして貰うのでしょ?我慢よ。それより、やっぱりライ様が治してくれたのかしら?」
「そうね。私どうかしてたわ。うん。ライが治してくれたと思うのが妥当よね。やっぱりライは凄いな」
メアリーは優しく頭を撫で、ユリカは手を握ってライが目覚めるのを待っていた。
メアリーからユリカにメアリーと呼ぶように言っていた。そうしないとライを自分一人のものにするよ!と半ば脅したのもあり、メアリーとよぶようになった。知り合ってからこの数年の間に何度も言っていたが、頑なにさん付けや様付けを辞めようとはしなかった。
それが、ライの事になると別だった。
ライは目覚めたが、頭に柔らかく暖かな温もりを感じた。そして手を誰かに握られているが、メアリーの手にしては小さかった。そしてうーんと唸りながら寝返りを打った。
メアリーに膝枕をされていたが、頭の向きが微妙な方向になった。
勿論知らずにそうしたのだが、メアリーのお腹に鼻息が当たる感じで、どちらかというとお股に顔がある感じになった。
ユリカは思わずその状態に顔をあからめ、手で顔を覆った。
メアリーも恥ずかしさと、お股にライの顔がある事から慌てていた。
ライはまだ微睡んでいる状態だった。その為、膝枕をされているのと、まさかメアリーのお股に顔をぐりぐりしているなどと思いもよらなかった。
堪らずメアリーがひぃいえーと情けない悲鳴を上げながらライを突き飛ばしその場から後ずさった。
ライは顔から地面にダイブする形になり、顔面をしこたま打ち付けていた。
いたたたたと唸りながら顔を押さえ、その場にへたり込んだ。
そしてライの鼻からは鼻血がドバドバと出ていた。
「ごめんライ!痛かった?」
慌てていた為か、メアリーがライを抱き寄せた。訳が分からないライは取りあえずヒールを掛けるが息苦しかった。メアリーの胸に顔が押し付けられていたからだ。
「メバリィ?ぐるぢぃ。ぐえ」
「ご、ごめん。その、大丈夫?」
「死ぬかと思った。何だったんだ?なんか柔らかく気持ちよい物が押し付けられて息ができなかったんだ。」
メアリーがもじもじしていたが、ユリカは空気を読まなかった。
「ライ様?メアリーの胸の感触は堪能されました?意外と大きいのよねえ」
えっ?っとライは驚き、メアリーを見たが俯きながら頷いていた。
ライも急に恥ずかしくなり、お互い下を向いていた。
そして意を決したユリカがライの肩に手をやろうとしていた。
「ユリカさん?どうしたのかな?」
ライは恐る恐る聞いた。ユリカの目がヤバそうだったからだ。
「ふふふ。メアリーの次は私のも堪能してくださいね。私も胸にはそれなりに自身がありましてよ!」
細身のどこにこれ程の力があるのか?と言う感じで一気に抱き寄せられた。
「ライ様。今私達の命があるのは貴方のお陰です。無理しないでくださいね。時折こうやって抱きしめて、私達がライ様を癒やしますわ。顔の傷を治してくれたのはライ様ですよね?私、ずっとこの傷を隠して生きてきました。まさかなくなるなんて夢のようです。ううう。」
ユリカはライにひたすら感謝し、力一杯抱きしめた。その柔らかな胸に抱き寄せられたのだが、ライは胸の感触を堪能できなかった。ユリカの喜び様に驚いていたのと、心臓の鼓動と温もりを感じられ、生きていて良かったな、治療して良かったな!ユリカのあの笑顔が見られた事が何よりも嬉しかった。そうしているとメアリーも抱き付き、ライが涙しながらありがとうと言うと、メアリーもいつでもこの胸を涙で濡らしても良いのよとライを甘やかしていた。
五体満足ではないし、今いるのは3人だけになっている。一緒にダンジョンに入った全員が揃っている訳ではないが、今3人が生きている事、ライがあの落下にも関わらず生きている事への感謝と、ライが一度ならず自分達の命を助けてくれた事への感謝等三者三様の想いから涙を流していた。
どれ位抱き合っていただろうか、落ち着いてきたので抱き合うのを止め、ユリカが一言言った
「ライが取得した看破というのは、文献によるとステータスを見られる筈ですけども、私達2人のステータスも見ていただけるのでしょうか?」
ライはうんと頷いてから看破と唱え、先ずは自分のステータスを確認するのであった。
「我の求めに応じギフトを開放せよ!ギフト開放神の眼 看破」
メアリーが慌てた。気絶したライを膝枕する為だ。不意打ちだった。流石に逃げたのだと理解できたが、メアリーはやり過ぎたのだとユリカから言われ、少し反省していた。要はライの性格からこうなる事が予測出来た筈なのだが、途中から本気が入っており、熱くなり過ぎたのだ。
2人は悶々としていた。取りあえずライの事を今は諦め、ユリカの古傷の事を考えていた。冷静に考えると多分ライの仕業だが、聞く前に気絶したからだ。
だがライはとっととギフトを開放した為気絶した。
改めて2人は己の衣服を確認するも、ライにあちこちを障られてはいるが、胸や下腹部には触った気配がしない。
メアリーも自分の体のあちこちにあったかすり傷が無い事を確認した。
思わずライに感謝のキスをしようとしたが、ユリカに止められた。
「駄目よ。ライ様からして貰うのでしょ?我慢よ。それより、やっぱりライ様が治してくれたのかしら?」
「そうね。私どうかしてたわ。うん。ライが治してくれたと思うのが妥当よね。やっぱりライは凄いな」
メアリーは優しく頭を撫で、ユリカは手を握ってライが目覚めるのを待っていた。
メアリーからユリカにメアリーと呼ぶように言っていた。そうしないとライを自分一人のものにするよ!と半ば脅したのもあり、メアリーとよぶようになった。知り合ってからこの数年の間に何度も言っていたが、頑なにさん付けや様付けを辞めようとはしなかった。
それが、ライの事になると別だった。
ライは目覚めたが、頭に柔らかく暖かな温もりを感じた。そして手を誰かに握られているが、メアリーの手にしては小さかった。そしてうーんと唸りながら寝返りを打った。
メアリーに膝枕をされていたが、頭の向きが微妙な方向になった。
勿論知らずにそうしたのだが、メアリーのお腹に鼻息が当たる感じで、どちらかというとお股に顔がある感じになった。
ユリカは思わずその状態に顔をあからめ、手で顔を覆った。
メアリーも恥ずかしさと、お股にライの顔がある事から慌てていた。
ライはまだ微睡んでいる状態だった。その為、膝枕をされているのと、まさかメアリーのお股に顔をぐりぐりしているなどと思いもよらなかった。
堪らずメアリーがひぃいえーと情けない悲鳴を上げながらライを突き飛ばしその場から後ずさった。
ライは顔から地面にダイブする形になり、顔面をしこたま打ち付けていた。
いたたたたと唸りながら顔を押さえ、その場にへたり込んだ。
そしてライの鼻からは鼻血がドバドバと出ていた。
「ごめんライ!痛かった?」
慌てていた為か、メアリーがライを抱き寄せた。訳が分からないライは取りあえずヒールを掛けるが息苦しかった。メアリーの胸に顔が押し付けられていたからだ。
「メバリィ?ぐるぢぃ。ぐえ」
「ご、ごめん。その、大丈夫?」
「死ぬかと思った。何だったんだ?なんか柔らかく気持ちよい物が押し付けられて息ができなかったんだ。」
メアリーがもじもじしていたが、ユリカは空気を読まなかった。
「ライ様?メアリーの胸の感触は堪能されました?意外と大きいのよねえ」
えっ?っとライは驚き、メアリーを見たが俯きながら頷いていた。
ライも急に恥ずかしくなり、お互い下を向いていた。
そして意を決したユリカがライの肩に手をやろうとしていた。
「ユリカさん?どうしたのかな?」
ライは恐る恐る聞いた。ユリカの目がヤバそうだったからだ。
「ふふふ。メアリーの次は私のも堪能してくださいね。私も胸にはそれなりに自身がありましてよ!」
細身のどこにこれ程の力があるのか?と言う感じで一気に抱き寄せられた。
「ライ様。今私達の命があるのは貴方のお陰です。無理しないでくださいね。時折こうやって抱きしめて、私達がライ様を癒やしますわ。顔の傷を治してくれたのはライ様ですよね?私、ずっとこの傷を隠して生きてきました。まさかなくなるなんて夢のようです。ううう。」
ユリカはライにひたすら感謝し、力一杯抱きしめた。その柔らかな胸に抱き寄せられたのだが、ライは胸の感触を堪能できなかった。ユリカの喜び様に驚いていたのと、心臓の鼓動と温もりを感じられ、生きていて良かったな、治療して良かったな!ユリカのあの笑顔が見られた事が何よりも嬉しかった。そうしているとメアリーも抱き付き、ライが涙しながらありがとうと言うと、メアリーもいつでもこの胸を涙で濡らしても良いのよとライを甘やかしていた。
五体満足ではないし、今いるのは3人だけになっている。一緒にダンジョンに入った全員が揃っている訳ではないが、今3人が生きている事、ライがあの落下にも関わらず生きている事への感謝と、ライが一度ならず自分達の命を助けてくれた事への感謝等三者三様の想いから涙を流していた。
どれ位抱き合っていただろうか、落ち着いてきたので抱き合うのを止め、ユリカが一言言った
「ライが取得した看破というのは、文献によるとステータスを見られる筈ですけども、私達2人のステータスも見ていただけるのでしょうか?」
ライはうんと頷いてから看破と唱え、先ずは自分のステータスを確認するのであった。
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