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第72話 新たな決意
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俺個人は金目の物に困っていない。
何故ならば、一個で二週間は暮らすことが可能な額になるテニスボールほどの大きさの魔石を、数えきれないほど持っている。それらを大量に売れば、贅沢三昧の生活が約束されるからだ。
だが、俺は慎重に行動する。
更に高く売れるソフトボール大の魔石も大量に保有している。
このクラスの魔石を落とすのは高ランクの魔物だ。
六階層のボスと同じくらいの大きさの魔石で、俺がいなければ勝てない相手だった。
そんな魔物が落とす魔石であり、一個で1年は遊んで暮らせられる額になる。
それらを考えなしに(大量に)市場に出せば値崩れしたり等々混乱し、冒険者から顰蹙を買うのは必須だ。
更にドラゴンの魔石はサッカーボールサイズで、値段が浸けられないと思う。
国王に呼ばれかねず、悪目立ちするから死蔵するかもだ。
しかもリアンとサキに見せたら、どちらかは心臓が止まるほどの衝撃だろう。
ダンジョンへの挑戦理由?冒険心に駆られていると言いたいが、実は俺には中二病を患っている他にも深刻な動機がある。
俺はED、つまり漢として不能に苦しんでいる。
サキの暴力的なまでのぷるるんさんを見ても反応しないし、エリスを抱きしめて寝ても『温かいなぁ』くらいにしか思わない。
これは非常にまずいやつだ。
今は良いが、結婚できない男になる。
レオンのように分かっていて聖職者の道に足を踏み入れたのなら問題ない?が、
俺はそうなるまでは人並みに女性に興味があった。もしも性的に誘惑されたらそちらに転がっていくほどに。
ダンジョンの深奥には俺の悩みを解決できるという、伝説のアイテムが眠っていると聞いているとレオンから聞いたんだ。
エリクサーでさえ効果がなかったこの病を、ダンジョン産のアイテムが癒してくれるかもしれないのだ。
「お前さんは金持ちだろ。そんな危険なダンジョンに行く必要はない」
よく言われる。
盗賊討伐のお金が入ったが、何故か俺の懐事情に俺以上に詳しいノビリスさんや、ギルドマスターにも同じようなことを言われたんだ。
しかしね、金で解決できない問題もあるんだ!だからこそエリス、リアン、レオン、サキと共に俺はダンジョンへと足を踏み入れるのだ。
サキ以外の三人はお金がなく、俺には治療が必要だ。WIN-WIN でしょ?
もちろんダンジョンの奥深くを見たり、そこで未知のお宝をゲットしたい!ロマンを求めていることになっている。
決して本当のことを知られてはならない。
知られれば子を成せない人はと一緒にいたくないと離れていくのが心配だ…
今はお互いに支え合う関係だし、サキはよくわからないが、俺の行くところが居場所だと意味深な発言があった。
そんな折5人で住める借家を探し始めた。
しかし、ノビリス商会が紹介してくれたのは、借家ではなく販売しているお値打ち物件の紹介だ。
それは立派な館だが、事故物件という触れ込みの売れ残りの物件だった。
購入は借りるよりも大きな負担かもしれないが、仲間たちは団結して興味を示している。
リアンは慎重に言った。
「事故物件というのが気がかりでござるな。しかし、価格次第ではありだと思うでござるよ」
エリスはいつも通り前向きだ。最後は良く聞こえなかったが、トリップしがちなのでスルーで良いだろう。
「タケル様と一緒に住むなんて夢のようですわ!ようやく私の手料理でタケル様の胃袋を・・・」
レオンは冷静に頷いた。
「確かに、ダンジョン攻略の拠点があれば便利でありまするな」
サキから帰る家があるのとないのでは、モチベーションがかなり違うと言われ、はっとなった。
俺は心に秘めた問題を解決するため、そして仲間たちと共に新たな冒険を続けるため、新しい家とダンジョンの奥く深けを目指すことに決めた。
これが俺の、いや、俺たちの新しい章の始まりなのだ。
何故ならば、一個で二週間は暮らすことが可能な額になるテニスボールほどの大きさの魔石を、数えきれないほど持っている。それらを大量に売れば、贅沢三昧の生活が約束されるからだ。
だが、俺は慎重に行動する。
更に高く売れるソフトボール大の魔石も大量に保有している。
このクラスの魔石を落とすのは高ランクの魔物だ。
六階層のボスと同じくらいの大きさの魔石で、俺がいなければ勝てない相手だった。
そんな魔物が落とす魔石であり、一個で1年は遊んで暮らせられる額になる。
それらを考えなしに(大量に)市場に出せば値崩れしたり等々混乱し、冒険者から顰蹙を買うのは必須だ。
更にドラゴンの魔石はサッカーボールサイズで、値段が浸けられないと思う。
国王に呼ばれかねず、悪目立ちするから死蔵するかもだ。
しかもリアンとサキに見せたら、どちらかは心臓が止まるほどの衝撃だろう。
ダンジョンへの挑戦理由?冒険心に駆られていると言いたいが、実は俺には中二病を患っている他にも深刻な動機がある。
俺はED、つまり漢として不能に苦しんでいる。
サキの暴力的なまでのぷるるんさんを見ても反応しないし、エリスを抱きしめて寝ても『温かいなぁ』くらいにしか思わない。
これは非常にまずいやつだ。
今は良いが、結婚できない男になる。
レオンのように分かっていて聖職者の道に足を踏み入れたのなら問題ない?が、
俺はそうなるまでは人並みに女性に興味があった。もしも性的に誘惑されたらそちらに転がっていくほどに。
ダンジョンの深奥には俺の悩みを解決できるという、伝説のアイテムが眠っていると聞いているとレオンから聞いたんだ。
エリクサーでさえ効果がなかったこの病を、ダンジョン産のアイテムが癒してくれるかもしれないのだ。
「お前さんは金持ちだろ。そんな危険なダンジョンに行く必要はない」
よく言われる。
盗賊討伐のお金が入ったが、何故か俺の懐事情に俺以上に詳しいノビリスさんや、ギルドマスターにも同じようなことを言われたんだ。
しかしね、金で解決できない問題もあるんだ!だからこそエリス、リアン、レオン、サキと共に俺はダンジョンへと足を踏み入れるのだ。
サキ以外の三人はお金がなく、俺には治療が必要だ。WIN-WIN でしょ?
もちろんダンジョンの奥深くを見たり、そこで未知のお宝をゲットしたい!ロマンを求めていることになっている。
決して本当のことを知られてはならない。
知られれば子を成せない人はと一緒にいたくないと離れていくのが心配だ…
今はお互いに支え合う関係だし、サキはよくわからないが、俺の行くところが居場所だと意味深な発言があった。
そんな折5人で住める借家を探し始めた。
しかし、ノビリス商会が紹介してくれたのは、借家ではなく販売しているお値打ち物件の紹介だ。
それは立派な館だが、事故物件という触れ込みの売れ残りの物件だった。
購入は借りるよりも大きな負担かもしれないが、仲間たちは団結して興味を示している。
リアンは慎重に言った。
「事故物件というのが気がかりでござるな。しかし、価格次第ではありだと思うでござるよ」
エリスはいつも通り前向きだ。最後は良く聞こえなかったが、トリップしがちなのでスルーで良いだろう。
「タケル様と一緒に住むなんて夢のようですわ!ようやく私の手料理でタケル様の胃袋を・・・」
レオンは冷静に頷いた。
「確かに、ダンジョン攻略の拠点があれば便利でありまするな」
サキから帰る家があるのとないのでは、モチベーションがかなり違うと言われ、はっとなった。
俺は心に秘めた問題を解決するため、そして仲間たちと共に新たな冒険を続けるため、新しい家とダンジョンの奥く深けを目指すことに決めた。
これが俺の、いや、俺たちの新しい章の始まりなのだ。
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