祈りの力でレベルカンストした件！〜無能判定されたアーチャーは無双する〜

第68話 六階層の踏破へ

　あのボンボンとこれ以上は関わりたくないのもあり、逃げるようにダンジョンに行った。

「六階層はランクC推奨の難所とのことだ。でもエリスも難なくやっていたと思う。問題はボスだが、エリスも戦力として挑もうと思う」

　俺の言葉にエリスはうなずく。新たに会得した上級魔法の存在が彼女の胸に強く響いたようだ。彼女の手がその力を発揮する時が・・・ついに来たのだ。
　これまでと違い、戦力にカウントされる。

　リアンはエリスを見つめ、彼女の魔法について呟く。
　
「フレイムランス、か…それも複数同時！・・・」

「それは相当な威力がある魔法だよな」

　彼女の魔法が強力であることを皆認識しているが、俺の声はそれだけで彼女に自信を与えた。

　エリスは得意げに笑いながら、杖を軽く振るう。

「ええ、でも魔力の消耗が激しいから、どうしても必要な時にだけ使うつもりです」

　彼女は普段通りの明るく優しげな口調で話したが、その表情には確固たる決意が見えた。

　俺はその会話を聞きながら戦略を練り始めた。

「それは大きなアドバンテージになると思うよ。ただし、エリスの魔力が尽きないように、他の手段での戦闘も考えておかないとな。ただ、まずは試し撃ちだ！どんなのか楽しみだよ」

　今日の俺の役割は、彼女の魔法を最大限に生かす戦略を立案することだった。

「はい。フレイムランスは敵を一掃できるけれど、使いどころを見極めないと駄目ですよね？」

　エリスは俺の提案に同意するように言った。　　　
　彼女の言葉は、魔法の力を理解し、それを適切に使うことの重要性を示していた。

　リアンもまた、戦術的な観点からアドバイスを加えた。

「そうでござるな。広域殲滅魔法は敵の群れを一気に退けるための切り札でござる。ですが、その後に続く戦いに備え、常に魔力のリザーブは持っておかなければならぬでござるよ」

「エリスの魔法で大きなダメージを与えた後は、俺たちでカバーするから、心配しないでくれ。」

　俺はエリスに対し励ますように言った。
　彼女は感謝の表情を浮かべ、それが俺たち全員の力を一つにすることの大切さを再認識させた。

「では、六階層ボスへの挑戦することは決まりだな。」

　俺は仲間たちに向かって宣言した。

「昼食後、俺たちは六階層を攻略する。エリスのフレイムランスを切り札に、それぞれの力を最大限に発揮していこう。」

　そうして、我々の冒険は新たな局面を迎えた。六階層ボスへの挑戦。そのために一致団結した心と、練り上げた戦略を胸に、次なる挑戦へと歩を進めていった。