67 / 84
第67話 ドラ息子
しおりを挟む
ギルドホールの中は、あのドラ息子、貴族の分家の若者が大声で何かを主張していた。彼は、自分が攻略を進めていたモンスターハウスに誰かが無断で入ったと言っていたようだ。
「誰が勝手にモンスターハウスを攻略したんだ!あそこは貴族たる俺様が攻略中の場所だったんだぞ!」
彼は腕を振り上げながら怒りを露わにしていた。
そこに俺たちが現れると、彼はリアンを見つけると一層声を大にして叫んだ。
「なぜお前が!」
その時、ギルドマスターが割って入り、厳しい声で彼を叱責した。
「静まらんか!」
俺は慌てた様子のリアンに目配せをして、ドラ息子に向かって聞いてみた。
「ちょっと、あんた、俺のリアンを誰かと間違えているんじゃないか?」
ドラ息子は怒りに任せて言い放った。
「ああん?こいつはな、分家のラナだというのに、死んだはずのお前が何故…」
「俺のリアンとそっくりなんですか?」
そう問いかけると、リアンが前に出てきた。「私は以前から我が主とパーティーを組んでいるリアンですわ。確認されたいなら、どうぞごらんください」
彼女は冷静にライブラリーカードを取り出した。
あれ?いつもと話し方が違う。
ドラ息子はカードを手に取り、じっと見つめた。
「あれ?確かに名前が違うな。レベルもラナより高いし、称号も…ラナはない・・・」彼の声は徐々に弱まっていった。
「ちっ!他人の空似か…」
ギルドマスターは彼に向かって言った。
「さて、君はこちらに来なさい。詳しい話をしよう」
ラナを睨んでいたが、カードを投げつけるように返してギルドマスターと2階に上がったことで騒ぎは収まり、俺たちはほっと一息ついた。リアンは俺に向かって小さく微笑んだ。
「まさかあれで納得するなんて・・・それよりタケル殿が私のことを俺のだなんて!私は文字通りタケル殿の女と認めてくれたのでござるな!」
俺は笑って肩をすくめた。ついムカついて俺のと言った気がしたが、否定したらみっともないからスルーしよう・・・
「それにしても、お腹が空いたな。昼飯を食べてから、ダンジョンの六階層を攻略しようか!」
リアンも笑顔で頷いた。
「いいでござるな!楽しみにしでござる」
「そう言えばさっき普通に話してたろ?今のリアンとさっきのリアンはどっちが地なんだ?」
「ふふふ。それを聞くでござるか?初夜の相手にしか・・・」
そうこうしていると、騒ぎを聞きつけてサキとエリスが近寄ってきて、更に荷物は出歩くのかまおぼつかないレオンも合流した。
5人揃ったので、俺たちはギルドホールを後にし、次の冒険に向けて歩き出した。
「誰が勝手にモンスターハウスを攻略したんだ!あそこは貴族たる俺様が攻略中の場所だったんだぞ!」
彼は腕を振り上げながら怒りを露わにしていた。
そこに俺たちが現れると、彼はリアンを見つけると一層声を大にして叫んだ。
「なぜお前が!」
その時、ギルドマスターが割って入り、厳しい声で彼を叱責した。
「静まらんか!」
俺は慌てた様子のリアンに目配せをして、ドラ息子に向かって聞いてみた。
「ちょっと、あんた、俺のリアンを誰かと間違えているんじゃないか?」
ドラ息子は怒りに任せて言い放った。
「ああん?こいつはな、分家のラナだというのに、死んだはずのお前が何故…」
「俺のリアンとそっくりなんですか?」
そう問いかけると、リアンが前に出てきた。「私は以前から我が主とパーティーを組んでいるリアンですわ。確認されたいなら、どうぞごらんください」
彼女は冷静にライブラリーカードを取り出した。
あれ?いつもと話し方が違う。
ドラ息子はカードを手に取り、じっと見つめた。
「あれ?確かに名前が違うな。レベルもラナより高いし、称号も…ラナはない・・・」彼の声は徐々に弱まっていった。
「ちっ!他人の空似か…」
ギルドマスターは彼に向かって言った。
「さて、君はこちらに来なさい。詳しい話をしよう」
ラナを睨んでいたが、カードを投げつけるように返してギルドマスターと2階に上がったことで騒ぎは収まり、俺たちはほっと一息ついた。リアンは俺に向かって小さく微笑んだ。
「まさかあれで納得するなんて・・・それよりタケル殿が私のことを俺のだなんて!私は文字通りタケル殿の女と認めてくれたのでござるな!」
俺は笑って肩をすくめた。ついムカついて俺のと言った気がしたが、否定したらみっともないからスルーしよう・・・
「それにしても、お腹が空いたな。昼飯を食べてから、ダンジョンの六階層を攻略しようか!」
リアンも笑顔で頷いた。
「いいでござるな!楽しみにしでござる」
「そう言えばさっき普通に話してたろ?今のリアンとさっきのリアンはどっちが地なんだ?」
「ふふふ。それを聞くでござるか?初夜の相手にしか・・・」
そうこうしていると、騒ぎを聞きつけてサキとエリスが近寄ってきて、更に荷物は出歩くのかまおぼつかないレオンも合流した。
5人揃ったので、俺たちはギルドホールを後にし、次の冒険に向けて歩き出した。
2
お気に入りに追加
455
あなたにおすすめの小説
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる