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第62話 ステータスを見て驚く

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 その夜、俺はうなされていた。ダンジョンの六階層での戦いが頭をよぎり、エリスの成長とサキの戦い方について考えるうちに、眠りは浅くなり、安らぎは遠のいた。
 なにより昨夜は、ダンジョンで己が取った行動が信じられなかった。モンスターハウスであのような行動を取った理由が、自分でも理解できない。

 そんな夜更け、当たり前のようにエリスが俺の布団に入り込む。彼女は何も言わず、ただそこにいるだけだった。

 エリスは俺の手を取ると、自ら胸に当ててくるも、胸を揉むことはしない。そんなことをしたら俺たちの関係は一気に変わってしまう。だが、それでも彼女の温もり、柔らかさ、そして匂いは女性を感じさせる要素がふんだんにあった。
 しかし、俺は賢者のままだった。本格的にヤバイと思いながらも、エリスの存在が心地よくもあった。
 エリスは何故抱いてくれなのですか?とぼやきつつ、胸に当てた手に手を重ねてくる。しかし俺は寝た振りだ。
 彼女は俺に依存し、俺の温もりを求める。

 翌朝、目覚めるともうエリスはいない。
 まだエリスの温もりがあったが、俺はベッドを出て着替える。
 そして俺たちは朝食の後、冒険者として活動する準備を始めた。俺は皆のステータスをチェックし、紙に書き出すことにした。スマホの画面に写る文字が読めないからだ。この世界での生活に必要な情報を紙に残すことは、何かあったときの備えだ。

「エリス、HPとMPはどうだい?」俺が聞くと、エリスはキョトンとなる。

「HPは昨日のうちに全快ですし、MPも問題ないと思います。」

 次にサキに同じことを聞く。

「私も大丈夫よ。昨日はしっかり休めたから。」彼女は笑顔で答えた。リアンとレオンも同じく問題ないと答え、俺たちは新たな一日を迎える準備が整った。

 このステータスチェックは、俺たちにとって初めてのことだった。これまでは皆俺が何をしているのか理解していなかった。この世界で生き延びるためには、常に自分たちの状態を知り、準備を整えておくことが不可欠だ。俺は紙に皆のステータスを書き出してもらい、俺も日本語で書き出した。

 そんな中、俺のステータスが皆のとかけ離れていることが判明した。

「ちょっと何よこれ!? 私の上がり幅もなんかおかしいんだけど、それよりタケルのこれは何よ?」サキは呆れた。

「やはりタケル殿は神であらせられるのでござるな。」 

 リアンは感心し、安定のエリスが微笑む。

「流石タケル様! 素敵です。」

 レオンに至っては言葉にするのを止めた。皆それぞれだが、俺でもステータスというか、レベルがおかしいと分かる。Sランク冒険者でもレベルは100にとどかない。どうやら俺はカンストしているようだ。

 今日もまた、俺たちは生き延びるために戦わなければならないと心に誓った。

 そして今日も俺は下記のアイテムを持って鑑定に行く。

 1. 瑠璃色の水晶球 - 魔力を増幅するアイテム
 2. 銀の胸当て - 高い防御力を持つ、女性用の胸当て
 3. 炎を纏う剣 - 攻撃時に炎属性の追加ダメージがあるショートソード
 4. 回復薬のセット - 様々な傷や状態異常を治療するお役立ちアイテム
 5. 神秘のマント - 未知の魔力を秘めたアイテム【未鑑定】
 6. 金貨袋 - ダンジョンで見つけた財宝...単なるお金と分かる
 7. 中級スキルオーブ4個
 8. 制限解除の指輪

 これらのアイテムが、今日の冒険にどんな影響を与えるのか、俺たちはまだ知らない。しかし、一つ確かなことは、俺たちの運命は、これらのアイテムによって大きく変わるだろうということだ。そして、俺たちはその変化に備えなければならない。
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