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第58話 モンスターハウスの駆除
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休憩が終わり、ジト目のサキの視線にぞくぞくしながら、皆にこの部屋に入る旨を話した。
「リアン、レオン、君たちのトラウマを払おう。チラリと見たボスは十分倒せられる。またあのどら息子が来て同じことをする可能性を考えるとやれるならやった方がよいと思うんだ。それにこの扉の向こうには、まだ誰も手に入れていないお宝がある以上何とか言う貴族が再び来かねない。その前に俺たちでモンスターハウスを撃破してやろう!ボスを倒せば終わりだろ?俺の放つ全力の矢なら瞬殺できるだろう」
「あら?ちゃんと考えているのね。てっきり、お宝欲しいぜえ!とか思って突っ込むのだと思ったのだけど」
「ちょっと、サキさんやい!君は俺のこと何だと思っているのかなぁ?」
「脳筋よ!」
・
・
・
俺とサキのやり取りを見ている三人の生暖かい目が、ある意味痛かったが皆の賛成を得る。
少し考え作戦を伝え、更に息を整えていく。
サキには見抜かれていたが、もっともらしい言葉に3人は疑う素振りがない。ごまかせたよな?
えっ?誰だ?中2病を拗らせただけだろ?と言う奴は!違うと言ってやりたいが言い返せない・・・
ゲフンゲフン。
本音はあのクソ野郎にお宝を渡してなるものか!だ。くくく!仲間を見捨てる奴に渡してやるものか!あんな奴より俺の方にこそ相応しいのだ!
「皆、リアンの盾に隠れろ。俺が先に矢で道を切り開く。サキはリアンの横を抜けたのがいれば頼む」
俺はそう言って、大量の魔力を込めて生成した矢を弓につがえた。
今回こちらに分があるのは、事前に魔法を展開出来ることだ。
エリスには可能ならドアの内側にアイスウォールをお願いする徹底振りだ。
ただ、これはレオンがドア閉めるタイミング次第で、間に合わないかもだ。
レオン、リアンと秒以下の連携が取れるほどの時間を過ごしていないからだ。
また、エリスの魔法発動時間も徐々に短くなっているのもある。
「炎よ我に力を!」
俺の得意技は魔力を矢に乗せた矢を生成し、敵を一撃で仕留めることだ。そして俺は更に炎をまとわせると、自信満々に扉の前に立った。
リアンは俺の斜め前に盾を構え、俺を守ってくれた。リアンは今日から俺たちのパーティーに加わった女騎士で、盾の名手だ。
スキルも盾術を持っておりリアンのことを信頼していた。
まだ短い時間だが、人となりも申し分ない。
まだ、生き返らせた関係からトリップしているが、時間と共に正常になると信じたい。
「レオン、扉を開けてくれ」
俺はレオンに指示した。
サキはリアンのすぐ後ろで俺に飛びかかる魔物がいれば切り裂く。レオンは俺の言葉に従って、扉に手をかけた。
扉が開くと中から魔物の気配が溢れ出し、俺は迷わず矢を放った。
「いっけえぇぇぇ!」
俺の放った矢は火の玉となって魔物の群れに突き刺さった。
今回は付与魔法で炎をまとわせたが、まだ威力を弱くする方向のコントロールがまともにできないので、使い所が限られていた。
しかしここは全力で行く時なので、限界まで炎をまとわせたのだ。
矢は数体の魔物を貫き、更にボスに刺さり、串刺しにする形で矢が壁に当たると大爆発を起こした。
爆発の衝撃で一部の魔物が吹き飛ばされた。
多分ボスはオーガの上位種だが、何もさせない。ただ一方的に倒すだけだった。
多分というのは、一秒も見ていないからだ。
そしてレオンは俺が矢を放った瞬間扉を閉め始めた。
また、エリスのアイスウォールも俺の矢が扉の内側に入ったタイミングで展開するも、上は少し隙間ができる。
「やったぜ、俺!」
俺は得意げに言ったが、俺の頭には扉が閉まる僅かな時間、更にアイスウォールのない部分をすり抜けた、魔物が死んだときにドロップした魔石がぶつかってきた。
俺は魔石を手に取って、にやりと笑ったが、その途端にまたもや頭に魔が当たる・・・実にしまらないがまあいい。コツンコツンと魔石が当たるが・・・
「さあ、次はお宝だ。この部屋は俺たちのものだぜ!レオン開けてくれ!魔物がまだいたら閉めろと言うから頼む!」
俺はそう言うと、宝箱に向かって走り出した。サキは俺を止めようとしたが、俺は聞こえない振りをした。
俺は魔物がいないのもあり、金色に輝く棺桶ほどの大きさがある宝箱を開けた。
すると中には金貨や宝石、魔道具、剣や杖、防具類等が入っていた。俺は目を輝かせて、宝箱の中身を手に取った。
「うおおおおお!これはすごいぞ!お宝だァァァァ!」
俺はテンションアゲアゲで興奮しながら叫んだ。俺はこの瞬間のために冒険者になったのだ。
お宝を目にして幸せを感じた。
だが、この部屋が悪意あるモンスターハウスだということを忘れていた。
「リアン、レオン、君たちのトラウマを払おう。チラリと見たボスは十分倒せられる。またあのどら息子が来て同じことをする可能性を考えるとやれるならやった方がよいと思うんだ。それにこの扉の向こうには、まだ誰も手に入れていないお宝がある以上何とか言う貴族が再び来かねない。その前に俺たちでモンスターハウスを撃破してやろう!ボスを倒せば終わりだろ?俺の放つ全力の矢なら瞬殺できるだろう」
「あら?ちゃんと考えているのね。てっきり、お宝欲しいぜえ!とか思って突っ込むのだと思ったのだけど」
「ちょっと、サキさんやい!君は俺のこと何だと思っているのかなぁ?」
「脳筋よ!」
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俺とサキのやり取りを見ている三人の生暖かい目が、ある意味痛かったが皆の賛成を得る。
少し考え作戦を伝え、更に息を整えていく。
サキには見抜かれていたが、もっともらしい言葉に3人は疑う素振りがない。ごまかせたよな?
えっ?誰だ?中2病を拗らせただけだろ?と言う奴は!違うと言ってやりたいが言い返せない・・・
ゲフンゲフン。
本音はあのクソ野郎にお宝を渡してなるものか!だ。くくく!仲間を見捨てる奴に渡してやるものか!あんな奴より俺の方にこそ相応しいのだ!
「皆、リアンの盾に隠れろ。俺が先に矢で道を切り開く。サキはリアンの横を抜けたのがいれば頼む」
俺はそう言って、大量の魔力を込めて生成した矢を弓につがえた。
今回こちらに分があるのは、事前に魔法を展開出来ることだ。
エリスには可能ならドアの内側にアイスウォールをお願いする徹底振りだ。
ただ、これはレオンがドア閉めるタイミング次第で、間に合わないかもだ。
レオン、リアンと秒以下の連携が取れるほどの時間を過ごしていないからだ。
また、エリスの魔法発動時間も徐々に短くなっているのもある。
「炎よ我に力を!」
俺の得意技は魔力を矢に乗せた矢を生成し、敵を一撃で仕留めることだ。そして俺は更に炎をまとわせると、自信満々に扉の前に立った。
リアンは俺の斜め前に盾を構え、俺を守ってくれた。リアンは今日から俺たちのパーティーに加わった女騎士で、盾の名手だ。
スキルも盾術を持っておりリアンのことを信頼していた。
まだ短い時間だが、人となりも申し分ない。
まだ、生き返らせた関係からトリップしているが、時間と共に正常になると信じたい。
「レオン、扉を開けてくれ」
俺はレオンに指示した。
サキはリアンのすぐ後ろで俺に飛びかかる魔物がいれば切り裂く。レオンは俺の言葉に従って、扉に手をかけた。
扉が開くと中から魔物の気配が溢れ出し、俺は迷わず矢を放った。
「いっけえぇぇぇ!」
俺の放った矢は火の玉となって魔物の群れに突き刺さった。
今回は付与魔法で炎をまとわせたが、まだ威力を弱くする方向のコントロールがまともにできないので、使い所が限られていた。
しかしここは全力で行く時なので、限界まで炎をまとわせたのだ。
矢は数体の魔物を貫き、更にボスに刺さり、串刺しにする形で矢が壁に当たると大爆発を起こした。
爆発の衝撃で一部の魔物が吹き飛ばされた。
多分ボスはオーガの上位種だが、何もさせない。ただ一方的に倒すだけだった。
多分というのは、一秒も見ていないからだ。
そしてレオンは俺が矢を放った瞬間扉を閉め始めた。
また、エリスのアイスウォールも俺の矢が扉の内側に入ったタイミングで展開するも、上は少し隙間ができる。
「やったぜ、俺!」
俺は得意げに言ったが、俺の頭には扉が閉まる僅かな時間、更にアイスウォールのない部分をすり抜けた、魔物が死んだときにドロップした魔石がぶつかってきた。
俺は魔石を手に取って、にやりと笑ったが、その途端にまたもや頭に魔が当たる・・・実にしまらないがまあいい。コツンコツンと魔石が当たるが・・・
「さあ、次はお宝だ。この部屋は俺たちのものだぜ!レオン開けてくれ!魔物がまだいたら閉めろと言うから頼む!」
俺はそう言うと、宝箱に向かって走り出した。サキは俺を止めようとしたが、俺は聞こえない振りをした。
俺は魔物がいないのもあり、金色に輝く棺桶ほどの大きさがある宝箱を開けた。
すると中には金貨や宝石、魔道具、剣や杖、防具類等が入っていた。俺は目を輝かせて、宝箱の中身を手に取った。
「うおおおおお!これはすごいぞ!お宝だァァァァ!」
俺はテンションアゲアゲで興奮しながら叫んだ。俺はこの瞬間のために冒険者になったのだ。
お宝を目にして幸せを感じた。
だが、この部屋が悪意あるモンスターハウスだということを忘れていた。
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