24 / 84
第24話 出発準備
しおりを挟む
朝の光が森を柔らかく照らし、小鳥のさえずりが聞こえ始めた頃、俺は目を覚ました。
目の前にはエリスの姿があった。彼女は俺に気づかれないように静かに起き上がり毛布をかけ直してくれた。そして、昨日集めた食糧の中から食べられる物を選んで朝食の用意をし始めた。
「ご主人様、おはようございます」
彼女は俺に笑顔で挨拶をし、挨拶を返す。
「エリス、うん。おはよう」
改めてエリスを見ると、その首輪が異彩を放っていた。俺の眉間に深い皺が刻まれた。あれはただの装飾品じゃない。重い支配という名の鎖の一端を象徴しているんだ。
「エリス、その首輪を外すことはできないのか?」
俺は静かだが、切迫した声で聞いた。エリスはためらいがちに首を振った。そして、静かに言葉を紡いだ。
「首輪を無理に外そうとすると、その試みをする者と奴隷の両方に激痛が走ります。その痛みは外そうとするのを止められなければ、最終的には命を奪うまで続くのです...正規の手順以外で万が一外れた時は奴隷は死にます。また、死亡した時にも外れます。そういうマジックアイテムなのです」
俺の顔が曇った。
「そうか・・・だが、君を奴隷として扱いたくない」
エリスの瞳には複雑な感情が浮かんでいた。
「ご主人様、勿体ないお言葉です。しかし、ご主人様と呼ばずにいると、私たちは周囲から浮いてしまい、トラブルの火種になります。それが、この世界でのルールなのです」
俺は一瞬の沈黙の後、静かに言葉を続けた。
「ルールか・・・だが、少なくとも二人の時くらいは、タケルと呼んでくれないか?」
エリスはゆっくりと頷いた。
「ご主人様の命令ならば従います。しかし、それが命令でないなら、私はご主人様とだけの時はタケル様、そのように呼ばせていただきたいです。それが、私にできる精一杯です」
俺の唇がわずかに緩んだ。
「わかった、今はそれでいい。ありがとう、エリス」
俺の言葉には感謝と、共に新しい未来を築こうとする決意が込められていた。今は距離があるがそのうちそのガードを破り、呼び捨てとなる距離感にしてやると心に誓った。
そしてエリスが用意した朝食を二人して黙々と食べた。硬いパンと保存食の干し肉を水で戻し、りんごのような果物を切り分けただけの質素なものだ。
エリスの顔に残る火傷が明らかになり、彼女の無傷の唇が、その傷跡の中で際立っていた。その唇は、慈悲の美しさを思い起こさせた。
「・・・顔の火傷・・・痛まないのか?」
俺は沈黙に耐えられずつい尋ねた。
「慣れました。この姿、見苦しいでしょうが...」
エリスは苦笑いを浮かべながら答えたが、強い意志を見せた。
『人は見かけによらないな...』
俺は思いを巡らせながらこの不幸な女、エリスのことを考えていた。心の中で呟いたが、つい口に出してしまったらしい。エリスは不思議そうに尋ねた。
「...タケル様?」
「ああ、いや、どちらに行くべきか考えていただけだよ。人里までどれくらいか分かるか?」
「商隊が来た方へ戻るとお昼頃、反対側の商隊の目的地の町は、そうですね、夕方少し前には見えるはずです。ただ、私も正確な地理はわからないので、もっとかかるかもしれません。もちろん来た方は分かりますが、目的地の町は行ったことがないのです」
「それでも、商隊が向かっていた方がいいな。何か目印になりそうなものはある?」
「遠くからでも見張り台がよく見えると思いますよ」
「じゃあ、そこを目指そう。さあ、出発前に周りを見渡してから集めた荷物をしまおうか」
エリスは首を傾げていたから、俺が変な質問をするなと思ったのだろうが、俺との会話で更に意味不明になったようだ。
出発前に俺たちは盗賊の死体を一瞥すると、商隊や護衛の死体を埋めたところに向かう。
その辺に落ちていた剣を墓標として立てた。そしてエリスの目が点になったのは、俺がリュックに盗賊の死体から奪った武器や金品、商隊の荷物や護衛から回収した武器などが入れられていったからだ。馬車の中はあっという間にもぬけの殻となり俺は唖然としているエリスの姿にほくそ笑む。火傷から表情が読み取れないが、ジト目を向けられている気がして気分が良かった。
俺がリュックに詰め込んだ荷物の中で高額なものは、商隊主のものだけだったのだ。
ただ、カバンの間口より大きいのと、生きている者は入らない。
それとあまりやりたくはないが、死体は入る・・・
エリスは驚きつつ、俺をジト目で見た。そして、警告を始めた。
「タケル様、そのカバンはどこで手に入れられたのでしょうか?」
エリスは俺が物を入れていたリュックに興味津々だった。俺は先ほどから色々な物をカバンに入れていたが、どう見てもサイズと入れたい物の量が釣り合わないからだ。そのカバンには何が入っているのか、どれだけ入るのか気になっていたのだ。
「え? これか? ああ、記憶があやふやなんだけど、ダンジョンで見つけたんじゃないかな。なんかの魔物を倒したら、宝箱が出てきて、その中にあったんだと思う。いや違う。ボスと戦っている時に俺の力が発動して倒したと思う。気が付いたら山の中にいて、目の前にあった宝箱の中にあったはずだ」
俺はそう言って、カバンの口を開けて中を覗いた。正確には手を突っ込むとカバンの中身が分かる。さまざまな武器や防具、金貨や宝石、魔道具やポーション類など薬品がぎっしりと詰まっていた。それらはカバンの大きさをはるかに超える量だったが、カバンは重さを感じさせなかった。
「ダンジョンで...? それはすごいですね。でも、どう見てもそのカバンは普通のカバンじゃないですよね?」
「普通じゃない? どういうこと?他にもあるんじゃ?」
俺は首を傾げた。
この世界の魔法に疎く、異空間収納カバンの特別さに気づいていなかった。
異世界物の小説やアニメだと結構メジャーなアイテムだからだ。
「間違いなくそのカバンは、中に異空間を作り出す魔法がかかっているんです。だから、どんなに物を入れても重くならないし、容量も子供の重さから無限に入るのまでいくつかの種類があるんです。それはどれくらい入るのでしょうか?それと中の物は時間が止まっているのでは?ですから食べ物とかも劣化したりしないんですよ」
エリスは驚きと羨望の入り混じった声で目を輝かせながら説明し始めた。
言彼女は魔法の知識が豊富な訳ではなかったが、そのカバンの正体はすぐに分かった。それは異空間収納という稀少な魔法が付与されたマジックアイテムのカバンだった。
目の前にはエリスの姿があった。彼女は俺に気づかれないように静かに起き上がり毛布をかけ直してくれた。そして、昨日集めた食糧の中から食べられる物を選んで朝食の用意をし始めた。
「ご主人様、おはようございます」
彼女は俺に笑顔で挨拶をし、挨拶を返す。
「エリス、うん。おはよう」
改めてエリスを見ると、その首輪が異彩を放っていた。俺の眉間に深い皺が刻まれた。あれはただの装飾品じゃない。重い支配という名の鎖の一端を象徴しているんだ。
「エリス、その首輪を外すことはできないのか?」
俺は静かだが、切迫した声で聞いた。エリスはためらいがちに首を振った。そして、静かに言葉を紡いだ。
「首輪を無理に外そうとすると、その試みをする者と奴隷の両方に激痛が走ります。その痛みは外そうとするのを止められなければ、最終的には命を奪うまで続くのです...正規の手順以外で万が一外れた時は奴隷は死にます。また、死亡した時にも外れます。そういうマジックアイテムなのです」
俺の顔が曇った。
「そうか・・・だが、君を奴隷として扱いたくない」
エリスの瞳には複雑な感情が浮かんでいた。
「ご主人様、勿体ないお言葉です。しかし、ご主人様と呼ばずにいると、私たちは周囲から浮いてしまい、トラブルの火種になります。それが、この世界でのルールなのです」
俺は一瞬の沈黙の後、静かに言葉を続けた。
「ルールか・・・だが、少なくとも二人の時くらいは、タケルと呼んでくれないか?」
エリスはゆっくりと頷いた。
「ご主人様の命令ならば従います。しかし、それが命令でないなら、私はご主人様とだけの時はタケル様、そのように呼ばせていただきたいです。それが、私にできる精一杯です」
俺の唇がわずかに緩んだ。
「わかった、今はそれでいい。ありがとう、エリス」
俺の言葉には感謝と、共に新しい未来を築こうとする決意が込められていた。今は距離があるがそのうちそのガードを破り、呼び捨てとなる距離感にしてやると心に誓った。
そしてエリスが用意した朝食を二人して黙々と食べた。硬いパンと保存食の干し肉を水で戻し、りんごのような果物を切り分けただけの質素なものだ。
エリスの顔に残る火傷が明らかになり、彼女の無傷の唇が、その傷跡の中で際立っていた。その唇は、慈悲の美しさを思い起こさせた。
「・・・顔の火傷・・・痛まないのか?」
俺は沈黙に耐えられずつい尋ねた。
「慣れました。この姿、見苦しいでしょうが...」
エリスは苦笑いを浮かべながら答えたが、強い意志を見せた。
『人は見かけによらないな...』
俺は思いを巡らせながらこの不幸な女、エリスのことを考えていた。心の中で呟いたが、つい口に出してしまったらしい。エリスは不思議そうに尋ねた。
「...タケル様?」
「ああ、いや、どちらに行くべきか考えていただけだよ。人里までどれくらいか分かるか?」
「商隊が来た方へ戻るとお昼頃、反対側の商隊の目的地の町は、そうですね、夕方少し前には見えるはずです。ただ、私も正確な地理はわからないので、もっとかかるかもしれません。もちろん来た方は分かりますが、目的地の町は行ったことがないのです」
「それでも、商隊が向かっていた方がいいな。何か目印になりそうなものはある?」
「遠くからでも見張り台がよく見えると思いますよ」
「じゃあ、そこを目指そう。さあ、出発前に周りを見渡してから集めた荷物をしまおうか」
エリスは首を傾げていたから、俺が変な質問をするなと思ったのだろうが、俺との会話で更に意味不明になったようだ。
出発前に俺たちは盗賊の死体を一瞥すると、商隊や護衛の死体を埋めたところに向かう。
その辺に落ちていた剣を墓標として立てた。そしてエリスの目が点になったのは、俺がリュックに盗賊の死体から奪った武器や金品、商隊の荷物や護衛から回収した武器などが入れられていったからだ。馬車の中はあっという間にもぬけの殻となり俺は唖然としているエリスの姿にほくそ笑む。火傷から表情が読み取れないが、ジト目を向けられている気がして気分が良かった。
俺がリュックに詰め込んだ荷物の中で高額なものは、商隊主のものだけだったのだ。
ただ、カバンの間口より大きいのと、生きている者は入らない。
それとあまりやりたくはないが、死体は入る・・・
エリスは驚きつつ、俺をジト目で見た。そして、警告を始めた。
「タケル様、そのカバンはどこで手に入れられたのでしょうか?」
エリスは俺が物を入れていたリュックに興味津々だった。俺は先ほどから色々な物をカバンに入れていたが、どう見てもサイズと入れたい物の量が釣り合わないからだ。そのカバンには何が入っているのか、どれだけ入るのか気になっていたのだ。
「え? これか? ああ、記憶があやふやなんだけど、ダンジョンで見つけたんじゃないかな。なんかの魔物を倒したら、宝箱が出てきて、その中にあったんだと思う。いや違う。ボスと戦っている時に俺の力が発動して倒したと思う。気が付いたら山の中にいて、目の前にあった宝箱の中にあったはずだ」
俺はそう言って、カバンの口を開けて中を覗いた。正確には手を突っ込むとカバンの中身が分かる。さまざまな武器や防具、金貨や宝石、魔道具やポーション類など薬品がぎっしりと詰まっていた。それらはカバンの大きさをはるかに超える量だったが、カバンは重さを感じさせなかった。
「ダンジョンで...? それはすごいですね。でも、どう見てもそのカバンは普通のカバンじゃないですよね?」
「普通じゃない? どういうこと?他にもあるんじゃ?」
俺は首を傾げた。
この世界の魔法に疎く、異空間収納カバンの特別さに気づいていなかった。
異世界物の小説やアニメだと結構メジャーなアイテムだからだ。
「間違いなくそのカバンは、中に異空間を作り出す魔法がかかっているんです。だから、どんなに物を入れても重くならないし、容量も子供の重さから無限に入るのまでいくつかの種類があるんです。それはどれくらい入るのでしょうか?それと中の物は時間が止まっているのでは?ですから食べ物とかも劣化したりしないんですよ」
エリスは驚きと羨望の入り混じった声で目を輝かせながら説明し始めた。
言彼女は魔法の知識が豊富な訳ではなかったが、そのカバンの正体はすぐに分かった。それは異空間収納という稀少な魔法が付与されたマジックアイテムのカバンだった。
3
お気に入りに追加
460
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
神スキル『アイテム使用』で異世界を自由に過ごします
雪月花
ファンタジー
【書籍化決定!】
【旧題:アイテムを使用するだけのスキルで追い出されたけれど実はチートスキルと判明したので自由に過ごします】から【新タイトル:神スキル『アイテム使用』で異世界を自由に過ごします】となり、アルファポリス様より2020年3月19日より発売中!
【あらすじ】
異世界に転移したオレ、安代優樹は『アイテムを使用する』というクソの役にも立たないスキルを持ってしまう。そのため王様から捨てられてしまうのだが……実はこのスキル、とんでもないチートだった!?
『アイテムを使用する』
それだけのスキルでオレはメタルスライムを倒し、黒竜を倒し、あげく魔王を倒して勇者や魔王の称号を手に入れたり!?
とりあえず気づくとアイテム使ってるだけで最強になっていたのであとは自由気まま好きにこの異世界を堪能します。
あ、王様からなんか戻ってきてくれとかお願いが来てるけど、そこはまあ気分次第で自由気ままに行きたいと思いますんでよろしく。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜
KeyBow
ファンタジー
1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。
各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。
ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。
その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。
彼らは通称カーヴァント。
カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。
カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。
しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。
また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。
探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。
つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。
数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。
月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。
彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。
そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。
勿論二世だ。
斗枡が持っている最大の能力はカード合成。
それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。
彼はその程度の認識だった。
実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。
単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。
つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。
また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。
斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?
女子が自然と彼の取り巻きに!
彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる