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第2章

第555話 地上に激突させてみた

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 ドローンは執拗に追ってきた。
 地上に降りても10機程が追ってきており、対処するのが面倒臭いので、ゲートを出して別の所に逃げ込んだ。

 ため息をつきつつ、もう1度弾道軌道を試すことにした。
 ただし、先程の場所から400Kmは離れているから、現れたとしても別の個体だろう。

 やはり頂点付近で熱エネルギーが襲ってきて、反射攻撃を行なう。
 馬鹿なのか?プログラムによる自動攻撃なのかな?
 学習能力が無いとしか思えない。
 又もや高高度で水平飛行を始めると、やはりおいでなすったという感じで、ドローンが追い掛けてきた。

 今回も先程と同じように対処し、相手の反応を見る。
 一応何処に刺せば行動停止になるのかについての検証で、先程とは別の所を刺してみる。

 ついでに戦力評価も行うことにして機動力などを確認したが、移動速度は向こうの方が上だった。
 旋回能力はイーブン。
 ドッグファイトをしてみると、引き離せないが、向こうの攻撃は外れる。
 こちらの動きを補正できないようだ。

 そして転移して別の所を刺すとプスプスと煙を吐き出し、ポンと音がして内部で何かが弾けたように感じると、行動停止になり自由落下を始めた。

 それを回収してからそのままの高度で飛んでいると、やはり複数の機体が飛んで来た。

 数機が追ってくるので、地上付近にゲートを出す事にした。
 俺はゲートを奴らとの同一軸線上になるように調整し、タイミングを見計らいゲートを出すと、みるみるゲートに吸い込まれるように突進し、高速のまま地上に激突して機能を停止した。

 一旦地上に降りてからドローンが墜落した所に行き、その様子を見る。
 しかし、驚いた事に攻撃は出来ないが、1機のみ機能していた。
 装甲の一部が剥げており、どうやらエネルギーパックのようなのが見えた。
 そこで見様見真似でそれを引き抜くと完全に停止した。

 周辺のドローンの残骸を回収し、先へ進む。

 それをこの日は6回繰り返したが、俺の中ではAIではなく、単にインストールされたプログラムに従って動いていると推測した。
 若しくは向こうがこちらのデータ取りをしているのか?

 そうそう、途中で気が付いたのだが、俺の転移はバージョンアップしたようで、本当の意味で見えているところに飛べる。
 今までは精々10m程度だったが、今では遥か上空だとか、上空から見て遥か彼方、10Kmから50Km程は転移できるようだ。
 ただ、50Kmは大まかな距離の移動用で精度が悪い。
 上空から1割狙いが狂っても地面の下がその範囲にならない範囲に狙いを定めないとだった。

 ただ、流石に一瞬で50Kmはかなりの魔力を使い、1日に10回位が限界そうだった。 

 実際問題として、それはいざという時のエスケープ手段だ。
 ただ、平常運転は20Kmに抑えようと思う。
 もしも能力を測られていたとしたら、限界能力がばれるから非常手段だ。

 その後、上空からタブレットで航空写真を撮ったが、今日の探索を打ち切り、皆の所に戻ってからその写真をアトランジェに見せるも、その地形を見ても残念ながら見当がつかないと首を横に振っていた。

 ただ、皆暇をしていた。
 下手に外を彷徨くことができない為、シェルターの中で大人しくしているしかなく、戦闘訓練に明け暮れるくらいしかやることがなかったのだった。
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