異世界召喚された俺は余分な子でした

第２章

第548話 ３人目（４人目）の捜索

　俺はまた空に上がったが、未だに３人からは念話が入らない。
　まだ気絶しているのだろうか？

　次に向かうのは今いる所から一番遠くにした。
　やはり弾道軌道でと思いグングンと空に向う。
　そろそろかなと思うとゾクッとした。
　すると上からやはり熱エネルギーが降り注いで来る。

　しっかりとヘルムで受け止め、自由落下しながら衝撃を逃す。
　頭に衝撃が走るも前回と違い気絶しなかった。

　ふと上を見上げると、何かが爆発している様にも見えなくもなかったが、何がなんだかよく分からないが爆発により生じた破片が降り注いでくる。
　ヘルムの反射攻撃が当たったのだと推測するしか無い。

　それはともかく、目標としたポイントに向かってダイブし始めたが、とてもではないが目を開けてはいられない。
　目を瞑ってダイブし、方向に関しては気配を感じる方向に感覚で調節しながら向かっていた。

　ダイブしている最中に水樹から念話が入ったが、クレアが目を覚ました事の報告だ。

　俺はほっとしたがダイブ中の為、短く了解と伝えるのみにした。

　やがて地面が近付いて来たので制動を掛け、着地に備える。

　ドンピシャでスピード調整が出来たが、そこに感じた気配は刻印者のものであり、アトランジェではない。
　つまりここにいるのはオリヴィアかレイナだ。

　やはりここも何もない荒野だ。
　岩だらけであり、生き物の気配のない不毛な世界だ。
　ただ、呼吸できる空気が有る事から別の所には草や木が有ると判断した。

　少し上から地面を俯瞰して見るも発見できなかった。
　次に崖の探索をする。
　所々横穴が見えるので、いくつかを覗いてみたが特に何もなかった。

　そうこうしているとレイナから念話が入った。　　

「レイナです。誰かいますか？」

「俺だ。俺の気配は遠いか？近いか？」

　俺が感じ取れるのは刻印者と隷属契約者で、気配からは刻印者か隷属者とだけしか分からない。
　だが、妻達は俺との距離が分かるというが、それは刻印者同士の話で、他の刻印者の大まかな位置が分かると聞いている。

　俺には個人の特定は無理だ。
　隷属者か刻印者としか分からない。

「すぐ近くに感じます」

「今どんなところにいる？」

「洞窟か穴の奥のようね。ただ、上方に穴が空いていて、空が見えるわ」

「出られないか？」　

「私には無理ね」

「よし、何か投げられる物はあるか？」

「石なら沢山落ちているわ」

「それなら上に向かって石を投げ続けろ。石が地面から飛び出しているところがレイナのいる所だと分かるから、直にやってくれ」

　程なくして岩場の影から石が飛び出しているのが分かった。

「見付けたよ。すぐにそっちに行く。念の為、石を投げ続けてくれ」　

　そうしているとその穴を発見したが、その穴は人が通れる大きさの穴ではなかった。　　　

「穴が小さいな。地面を砕くから少し待っていろ。落ちてくる岩に気を付けてくれ」

　警告をしてから地面をくり抜き、穴を大きくした。

　そして穴の中に入り無事にレイナと合流する事が出来た。
　後から視認できさえすれば、転移で行けたのだと気が付いたが焦っている時と言うのはこんなものかな？

　レイナがオロオロしていたが、話は水樹が説明してくれるからと先ずはここを出る事にした。

　そしてゲートを出し、水樹達のいるシェルターが有るところに行くのであった。