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第1章

第543話 その扉へ

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 丸1日養生したおかげで、心身共にかなりリフレッシュする事が出来た。
 朝早くに軽く体を動かしたり、アトランジェ達と軽く手合わせをしたりして、今の段階でどれ位動く事が出来るのかを確認していた。

 皆復活した体に慣れたとの事で、ほぼほぼ本調子になった。

 朝食を済ませ着替えた姿は皆気合の入った装備だ。
 俺はダサいから気が重いが、反射攻撃をする事から多用しているヘルムをかぶる。
 それに合わせたデザインのいつもの鎧を着る。
 動きが悪くなるが、機動力に関しては転移が有るのでなんとかなる。

 但しどう見ても中2病チックなデザインだ。 

 シェルターを出ると直ぐにシェルターを収納に入れたが、その後は片付ける物も特に無いので円陣を組んだ。

「よし、扉の出現パターンがいつもと違うから気を引き締めて欲しい。水樹も想像がつかないというから、行きあたりばったりになると思う。ここまで来れたのも皆のお陰だ。ありがとう!さて、そろそろ行こうか」

 俺はフラグ臭を発しながら最後にエイ!、エイ!、オー!と手を重ねた。

 そして、円陣を解除すると水樹に突っ込まれた。

「あのね志郎さん、分かっていますか?フラグ臭がプンプン漂っているのよ」

「うん。言ってから気が付いたよ。だから尚更気を引き締めないとなと感じたんだ。多分クレアの中に眠る女神絡みで何かが有るからさ」

 嫌な予感がする。
 扉を開けるなと警笛が鳴り響く。
 それは皆が通れない扉っぽい。
 ドアノブが動かず、引いても押しても駄目で、何をしても無駄だったと聞いた。

 もう1つは多分通常のダンジョンクリアの扉っぽい。
 送り出したサラマンダーは戻って来ない。

 扉の前で俺が固まっているのを皆心配そうにしていた。

 俺は皆にもう1度確認をした。

「急激にこちらの扉を開けるなと言わんばかりに頭の中で警笛が鳴るんだ。もう1つの扉は、多分通常のダンジョンクリアだ。
 ただ、こちらを選ぶと恐らくだがクレアの中に眠る女神を見捨てる事になり、今後クレアにどういう影響が出るか分からない」

 皆真剣に聞いてくれている。

「もう一つの扉は予知からすると俺とクレア、アトランジェの3人がいなければ開かない。最悪3人-3人や1人ずつばらけたり、離れ離れになる可能性もある。もし扉の中に全員が入れない場合、残った者は半日待って何もなければ扉を入ってくれ。中に入れた者が先に外に出されている可能性がある。勿論異変が有った時もだ。もし入れるなら水樹が最後だ。最悪俺と分断されても水樹の収納には、大量の食料があるからどうにかなる可能性が有る。どうするか決めよう」

 皆問題の扉を指さし、聞くまでもなかったなと思い知らされた。
 どうなるか分からないので1人ずつに熱い抱擁をした。
 そして俺の左手をクレアの右手が、クレアの左手をアトランジェと皆が続き最後が水樹だ。
 そうやって皆が繋がった状態で俺は扉のノブを捻ったが、条件を満たしたようであっさり開いた。

 そしてその開いたドアの中へと1歩を踏み出したのであった。

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