異世界召喚された俺は余分な子でした

KeyBow

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第1章

第542話 養生する

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 俺の体力の落ち込み具合から、丸1日は養生する事になった。 

 意識を取り戻してから心做しか魔力量が増えたような気がする。
 その為だろうか、5人の予備の肉体を一気に作ったにも関わらず特にしんどいなどの影響が出なかった。

 本当はすぐにでも活動を再開したかったのだが、この先戦闘が待っている可能性が有る事を考えると今は休まざるを得ない。
 今のこの体力が落ちきっている状態で、事を急いでしまえば命取りになり兼ねないからだ。
 その事が有るので時間は惜しいが自重せざるを得なくなった。
 その為、時折肩を貸してもらいながら歩く位にしていた。
 要は肩を貸してもらわないと歩けないのだ。

 そうやって半日程大人しくしていたが、肩を貸してもらわなくても1人で歩く事が出来るようになってきた。

 一旦シェルターの外に出たが、ボス部屋へと続いている方の扉にもサラマンダーは入れなかった。
 散歩代わりにボス部屋の中を見て回り、肉片が転がっていないか等を確認していったが、これでもかと言う程綺麗になっていた。
 追い付いてきたサラマンダーが肉片等を焼いていったようだが、残った灰は時間と共にダンジョンに吸収されたようだ。

 そして扉に触れようかと思ったが、直前に踏み止どまった。
 ドアに触れた事で次のイベントが発生する可能性がある為、万が一の事を考えると準備ができていない今は不味い。

 午後からは少し体を動かす事にした。
 皆で軽くストレッチをしたり程々の運動をする事により、寝込んでいる間に鈍った体に喝を入れるとまでは言わないが、体をほぐす目的で軽めに行っていた。

 その甲斐あってか、夕方位になるとまだまだ本調子とは言えないが、上層階のボス位になら素手でやり合える位には回復していた。

 俺の死者蘇生の良いところは記憶について完全な引き継ぎができる事だ。
 記憶がどこに保存されているのか諸説あるし、人体の仕組みは高校で習った程度の事しか知らないが引き継がれる事は理解している。

 ただ、俺が死者蘇生をするという事は1度死んでいるという事になる。 
 その為、意識を失ってから死んだ場合はまだ良いが、死ぬ直前まで意識があった場合、特に段々と弱って行き、その後死に至った時は自分が今から死ぬんだという事や、弱っていき意識が薄れていく記憶も引き継がれてしまう。

 だが、何があったかという事に関しては、戦っている最中に死んだ場合であれば話は別だ。

 死ぬ=意識を手放すなのか、意識を手放した後に死んだのかはともかく、死ぬ直前まで戦っていて即死した場合は、自分がどういう状況で死んだのかが分かり、その事を俺に報告できる。
 それが1番の強みではある。
 勿論死の恐怖を味わった事に対するケアが必要だが、俺の妻達は分かっている。
 俺が生きてさえいれば生き返らせてくれるという事を。
 なので仮初めの死という認識であり、本当の意味での死の恐怖はない。

 妻達は俺が先に死に、自分達が生き長らえてしまう事が一番怖いという。
 そんなものなのかな?

 今回5人を蘇生したが、直前の体から復元出来なかったので以前作った肉体にて覚醒している事から体を馴染ませる為の運動を必要とする事もあり、皆真剣に取り組んでいた。

 俺の方も皆のお陰で順調に来ており、本来の調子に近付きつつあるのであった。
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