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第1章

第522話 51階層は違う?

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 俺は水樹にこのダンジョンのキーマンはやはり水樹だと告げた。

 仕組みは分からないが、水樹の口にした言葉のみダンジョンに筒抜けだ。
 念の為演技が入らないように、水樹の意見には全て分かったとか、そうするとかの肯定形で返事をするとしている。それをシェルター内で筆記で伝えた。

 それと皆に水樹の言う事に本気で返事をした時は、左手を掲げ手を握りるとした。
 それ以外は嘘だと判断して貰う。

 水樹にはあくまで自分がパーティーリーダーだった場合指示する内容と言っており、予測ではなく気配を感じた時などはやはり手を掲げ拳を握るとした。

 51階層は予想がつかないからと最大限の警戒をと告げていた。俺の判断は違う。
 ひょっとしたらマップが違うかもだが、この階層は危険がない。
 これは水樹の事とは分けてそう思う。

 だがここである程度の事が判明すると思う。
 もしも警戒しなくてはならなかったのであれば、水樹の意見は勘違いになる。

 そうして51階層をスタートしたが、様子がガラッと変わった。
 まずマップが違う。
 それとダンジョンの岩の色が灰色からドス黒い感じに変わった。

 マッピングしつつ進んでいるが、違和感を覚えつつ1時間位進んでいた。
 ふと検証したい事があるからと水樹が言ったので、一旦シェルターを出して休憩を取る事になった。

 すると流石に水樹だ!としか言えないのだが、今までのマップを出して紙を逆さにして裏からなぞっていた。

 そして51階層のマップと見比べ始めた。

「志郎さん、これを見て。どう思いますか?」

「よく気が付いたな。裏返した上にスタートとゴールが逆か!」

「ええ、そうなの。但し気を許しては駄目よ。マップはそうとしても、油断を誘っているとしか思えないの。どこかにトラップがあるのじゃないかしら?」

「分かった。その線で行こう」

 そうやって進み出したが、案の定何もなく、俺の予測通りに時折魔物と遭遇するだけだった。

 結局51階層は2時間程度で抜けていた。俺のスキルでマップはコピー出来るので反転マップも書き込み用も作って置いた。

 その結果、どの階層もスタートとゴールの位置関係は分かっており、真下にのみ進んでいるのが確認できていた。

 そして52階層だが今度は地図を135度ばかり時計回りに回転した感じだった。

 53階層もマップの角度を替えてスタートとゴールが在る。
 やはり法則があり、現在地とスタート地点が分かればゴールが分かるのだ。

 結局この日は53階層をクリアしたが、階段の所で野営を始めた。

 皆、水樹が法則に気が付いた事とマッピングに感謝をしていた。
 皆よりも目が疲れている事が分かるので、食事の準備も片付けもさせずに少しでも早く休ませる事にした。

 また、明日に備える事にしたが、俺は本当に真面目にマッサージを始めていた。そう、開始時には・・・
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