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第1章

第521話 50階層

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 結局の所49階層は何事もなくあっさりと終わった。
 ノート等に今何階層をクリアし、これからどこをスタートするのかを記載していないと、どこにいるのか分からなくなる。

 流石に岩肌まで同じではないが、マップが頭に入っていれば目隠しをしても先に進める位に瓜二つだった。

 やはり水樹の予測は外れっぱなしだった。
 水樹にはこうなる事を先程話したからか、少し落ち着いて来ていた。

 50階層のボスは十分な警戒が必要と言うので、メインは俺以外の者達で対処させて俺自身は万が一に備える事にした。
 つまり俺を予備戦力にするのだ。
 メリットはある。
 最大戦力が戦いに参加しないのはマイナスだが、俯瞰して見られるので予測外の事への対処が可能となるだろう。

 そしてキメラが出るもレイナとアトランジェがほぼ瞬殺していた。
 顕現したばかりのボスは大抵2秒程固まっているので顕現し始めると同時一気に駆け出す。
 そして顕現が終わると即時に剣と槍を各々繰り出し、動き出す前に倒したのだ。
 これまでのボスの出現パターンから導き出したようだ。
 俺が告げた訳ではない。
 自ら気が付かないと成長しないから敢えて言わなかった。、

 俺はボスが倒されてドロップが出たのと、出口となる扉が出現した事を確認した。

「流石だね。よくこのタイミングが分かったね」

「ランスは分かっていなかったの?」

 2人がハモった。

「例外があるからね。顕現中に動けた奴もいたから、あいつが動ける奴か、動けない奴なのか俺には分からなかったから突っ込めなかったんだ」

「えっ?分からないのですか?」

「まさか、誰か分かったのか?」

 水樹も首を横に振り、クレア、オリヴィアも同じだった。

「そうか。オリヴィアは転生者、俺も水樹もこちらの世界側から召喚された者だ。だが、レイナは召喚にくっついてきた者だし、そもそもアトランジェは別の世界から送り込まれた者。あれ?なんの違いだ?出身地か?地球とこの星の者では駄目なのか?他の星の者なら行けるのか?そういうスキルなのか?うーん」

「あのう・・・ランス?それって今大事な事?あたしとレイナさんのみに見極める力があると分かったらそれで良いのじゃないの?」

「そ、そうだな。確かに種族や出身地の違いなのか、それとは別なのか?カグヤ達を連れてきたり、アトランジェの星の者を連れて来て検証も出来ないもんな。じゃあ、次のボス戦は2人を軸にして皆は2人のサポートを。2人が突っ込めば時間があるし、突っ込まなかったら時間がないとしか言えないが、顕現中に動けられるボスがいた事だけは覚えておいてくれ。何度も死に掛けたからさ。少し早いけど、今日はここで休もう。ボス部屋が1番安全なんだ」

 そして皆に水樹の事を話した。今回は思うところがあり水樹はミーティングから外した。
 新たな懸念として水樹の思念が読まれている可能性があるからだ。ただ、今までの感じからすると水樹の話す事のみ聞かれている感じがすると伝えた。

 それも口に出した言葉のみだ。
 だから水樹の語る危険性はダンジョンに筒抜けで、水樹が警戒している間は危険は少ない。
 警戒している所に仕掛けても成功率が低い。
 嘘もバレると見ていて、それを見越してもう気を緩めても良いと水樹が言っても、こちらがダンジョンに見抜かれるとして水樹には言わないとした。
 その辺りの話もシェルターの中で、更に念話でしたから大丈夫なはずだが、それを踏まえて俺は水樹にアドバイスを求めると告げるのであった。
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