477 / 566
第1章
第477話 決断
しおりを挟む
死体の検分を始めたが、顔の形などはなんとなく判るものの性別は不明だった。
損傷が激しく、顔の形が歪んでおり、胸部も陥没していた。落下した時に押しつぶされたのであろう。その為の、胸から男性か女性かを判断するのが困難であった。
試しに死者蘇生を唱え、発動直前までの所に持って行ったのだが、この者は死者蘇生可能だった。
蘇生対象のリストにはこの者の名前と思われるものがあった。他にもあったが、普通にこの世界のものだ。だが1つだけ俺が知っている文字ではなく、読めなかったのだ。何かの記号としか思えないような文字で書かれている。
そして残り30分とあった。
つまりこの者がこの場所で死んでから後30分で丸1日である。
「なあナンシー。こいつはここで死んだみたいだぞ。落下している最中に死んだのか、落下した時には既にもう死に掛けていたのか分からなかったが、落下の衝撃で死んだようだな。それとここで死者蘇生できる。残り30分しかいないから、それまでに決断しなければならない。だが俺は、コイツを生き返らせてやり、可能であれば意思疎通を図って事情を聞こうと思うが、どうだろうか?」
クロエとナンシーが腕を組み、難しい顔をしていた。
「そうね。今の場所では駄目ね。ここでランスが気絶したら運ぶのが困難だからセレナを呼びましょう」
「死者蘇生は概ね魂がいる場所から100m 以内なんだ。だから隣の建物に移動するのが精一杯だな」
次にクロエが答えた。
「ではこうしましょう。セレナ以外にレニス達を呼んでランスの護衛をして貰うの。私やナンシーでは無理だから」
俺は頷くと周りにいる兵士や領主にお願いした。外にいる兵士達に今この場でこの者を生き返らせるから、警戒を強めてくれと。
そして俺は何が起こるのか分からないが、この者を生き返らせてやろうと決断した。
見た事のない種族だった。
クロエはひょっとして魔族かしら?と呟いていた。
まずは体の1部を切り取り俺の収納の中に入れた。
そしてまずは欠損修復と治療を行った。
するとそこにはかなり魅惑的な美少女が現れた。17、18歳位だろうか。
陥没していた胸も元に戻り、かなり魅惑的なボディーラインがそこにあった。
そして顔は青白いが、青白く小さな角が額にある。
しかし、それ以外は人と見間違う感じだ。
角も紐を付ければアクセサリーとして誰も本物の角とは思わないだろう。
「この子に何があったのかしら?」
クロエが首を傾げていた。
隣の建物に移るとシェルターを出したが、建物の中には妻以外を入れなかった。
また、体を確認する必要から、この者が着ている服を脱がし、体の作り等を確認して行くが、肌の色が違うだけで人間の女性の体とほぼ変わらない。
見事なプロポーションで不覚にも少し反応してしまった。
男心をくすぐる魅惑のプロポーションだった。
可哀想に、若く綺麗な女性なのにこんな酷い死に方をしている事に俺は少し涙を流した。
ナンシーにそっと涙を拭かれていたが、俺は1通り体を確認し、人とほぼ変わらないという結果に至った。
ナンシーとセレーシャに服を着せてあげるようにお願いしたが、ナンシーが余分な一言を言った。
「この子未経験よ」・・・
ただ、今まで着ていた服はパワースーツの類だったら厄介なので、収納にあった普通の服に着替えさせるようにしている。
そして服を着させている間に俺は屋敷にゲートを繋げ、レニスをはじめ、トリシア達戦闘が得意な妻の何人かを呼び寄せた。
レニス達に俺の身を委ね、欠損修復した身元不明のこの異質な女性を死者蘇生する事にした。
そして死者蘇生を唱えた。
ついでにリストにある3人の死者蘇生を行う。
これは俺のいたずらだ。
死者が前触れもなく生き返ったら騒ぎになるから、この女性の落下事件も目立たなくなるかなと感じたからでもある。
彼女の胸は人のそれと変わらなかった。
しかし、柔らかいが冷たかった。
生きている彼女の胸を触りたい。
生き返らせたら、少し位お礼として触らせてくれるよね?
コホン。心臓のある位置も人と変わらなかったようで、この女性の心臓の鼓動を感じた途端にいつもながらの事だが、ブラックアウトしたのであった。
損傷が激しく、顔の形が歪んでおり、胸部も陥没していた。落下した時に押しつぶされたのであろう。その為の、胸から男性か女性かを判断するのが困難であった。
試しに死者蘇生を唱え、発動直前までの所に持って行ったのだが、この者は死者蘇生可能だった。
蘇生対象のリストにはこの者の名前と思われるものがあった。他にもあったが、普通にこの世界のものだ。だが1つだけ俺が知っている文字ではなく、読めなかったのだ。何かの記号としか思えないような文字で書かれている。
そして残り30分とあった。
つまりこの者がこの場所で死んでから後30分で丸1日である。
「なあナンシー。こいつはここで死んだみたいだぞ。落下している最中に死んだのか、落下した時には既にもう死に掛けていたのか分からなかったが、落下の衝撃で死んだようだな。それとここで死者蘇生できる。残り30分しかいないから、それまでに決断しなければならない。だが俺は、コイツを生き返らせてやり、可能であれば意思疎通を図って事情を聞こうと思うが、どうだろうか?」
クロエとナンシーが腕を組み、難しい顔をしていた。
「そうね。今の場所では駄目ね。ここでランスが気絶したら運ぶのが困難だからセレナを呼びましょう」
「死者蘇生は概ね魂がいる場所から100m 以内なんだ。だから隣の建物に移動するのが精一杯だな」
次にクロエが答えた。
「ではこうしましょう。セレナ以外にレニス達を呼んでランスの護衛をして貰うの。私やナンシーでは無理だから」
俺は頷くと周りにいる兵士や領主にお願いした。外にいる兵士達に今この場でこの者を生き返らせるから、警戒を強めてくれと。
そして俺は何が起こるのか分からないが、この者を生き返らせてやろうと決断した。
見た事のない種族だった。
クロエはひょっとして魔族かしら?と呟いていた。
まずは体の1部を切り取り俺の収納の中に入れた。
そしてまずは欠損修復と治療を行った。
するとそこにはかなり魅惑的な美少女が現れた。17、18歳位だろうか。
陥没していた胸も元に戻り、かなり魅惑的なボディーラインがそこにあった。
そして顔は青白いが、青白く小さな角が額にある。
しかし、それ以外は人と見間違う感じだ。
角も紐を付ければアクセサリーとして誰も本物の角とは思わないだろう。
「この子に何があったのかしら?」
クロエが首を傾げていた。
隣の建物に移るとシェルターを出したが、建物の中には妻以外を入れなかった。
また、体を確認する必要から、この者が着ている服を脱がし、体の作り等を確認して行くが、肌の色が違うだけで人間の女性の体とほぼ変わらない。
見事なプロポーションで不覚にも少し反応してしまった。
男心をくすぐる魅惑のプロポーションだった。
可哀想に、若く綺麗な女性なのにこんな酷い死に方をしている事に俺は少し涙を流した。
ナンシーにそっと涙を拭かれていたが、俺は1通り体を確認し、人とほぼ変わらないという結果に至った。
ナンシーとセレーシャに服を着せてあげるようにお願いしたが、ナンシーが余分な一言を言った。
「この子未経験よ」・・・
ただ、今まで着ていた服はパワースーツの類だったら厄介なので、収納にあった普通の服に着替えさせるようにしている。
そして服を着させている間に俺は屋敷にゲートを繋げ、レニスをはじめ、トリシア達戦闘が得意な妻の何人かを呼び寄せた。
レニス達に俺の身を委ね、欠損修復した身元不明のこの異質な女性を死者蘇生する事にした。
そして死者蘇生を唱えた。
ついでにリストにある3人の死者蘇生を行う。
これは俺のいたずらだ。
死者が前触れもなく生き返ったら騒ぎになるから、この女性の落下事件も目立たなくなるかなと感じたからでもある。
彼女の胸は人のそれと変わらなかった。
しかし、柔らかいが冷たかった。
生きている彼女の胸を触りたい。
生き返らせたら、少し位お礼として触らせてくれるよね?
コホン。心臓のある位置も人と変わらなかったようで、この女性の心臓の鼓動を感じた途端にいつもながらの事だが、ブラックアウトしたのであった。
1
お気に入りに追加
1,826
あなたにおすすめの小説
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
孤高のミグラトリー 〜正体不明の謎スキル《リーディング》で高レベルスキルを手に入れた狩人の少年は、意思を持つ変形武器と共に世界を巡る〜
びゃくし
ファンタジー
そこは神が実在するとされる世界。人類が危機に陥るたび神からの助けがあった。
神から人類に授けられた石版には魔物と戦う術が記され、瘴気獣と言う名の大敵が現れた時、天成器《意思持つ変形武器》が共に戦う力となった。
狩人の息子クライは禁忌の森の人類未踏域に迷い込む。灰色に染まった天成器を見つけ、その手を触れた瞬間……。
この物語は狩人クライが世界を旅して未知なるなにかに出会う物語。
使い手によって異なる複数の形態を有する『天成器』
必殺の威力をもつ切り札『闘技』
魔法に特定の軌道、特殊な特性を加え改良する『魔法因子』
そして、ステータスに表示される謎のスキル『リーディング』。
果たしてクライは変わりゆく世界にどう順応するのか。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
ざまぁから始まるモブの成り上がり!〜現実とゲームは違うのだよ!〜
KeyBow
ファンタジー
カクヨムで異世界もの週間ランク70位!
VRMMORゲームの大会のネタ副賞の異世界転生は本物だった!しかもモブスタート!?
副賞は異世界転移権。ネタ特典だと思ったが、何故かリアル異世界に転移した。これは無双の予感?いえ一般人のモブとしてスタートでした!!
ある女神の妨害工作により本来出会える仲間は冒頭で死亡・・・
ゲームとリアルの違いに戸惑いつつも、メインヒロインとの出会いがあるのか?あるよね?と主人公は思うのだが・・・
しかし主人公はそんな妨害をゲーム知識で切り抜け、無双していく!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる