異世界召喚された俺は余分な子でした

第１章

第447話 作戦会議

　現在の状況はトリシア、ライトアイ、リギアの３人を治療した直後だ。　　
　完治したとはいえ、１度死に掛けており、そのショックからまだ立ち直っておらずうずくまって震えていた。

　これからの事を話す相手はレフトアイしかいないので、俺は奴の攻撃はどんなだったのかを聞いた。

　俺の方は意図せずにレフトアイと入れ替わったものだから、自分の身に起こった事を理解するのに一瞬だが時間が掛かった。
　その為に敵の位置関係や敵の正体を把握するのが難しかった。

　また、唯一レフトアイは攻撃を食らっていないので、敵の攻撃を見られていたと思う。
　レフトアイによると、刀もしくは何かの刃がどこからともなく伸びて来て、一瞬の間に皆を刺し貫いていたと言う。

　そしてレフトアイに敵を倒す案が何かないかと確認した。
　敵を見たのが彼女だけなのだ。

「ランス、何とかという貴方があまり使いたがらないあのヘルムはないのかしら？」

　一瞬何の事を言ってるのか分からなくて首を傾げた。

「あれよ、攻撃がヘルムに当たると勝手に反撃してくれるやつよ。なんかちゅうにびょうチックだから、あまり着けたくないと言っていたあのヘルムよ」

　レフトアイに言われハッとなった。
　そういえばそんなヘルムもあったなと。今言われるまでその存在自体を完全に忘れていた。
　流石はレフトアイだ。
　元々俺と知り合う前に既に冒険者としてある程度活動しており、若手の中では期待の星と呼ばれる存在だった。
　期待をされているパーティーだったからでもあるが、そんな中で冒険者をしていた為か、色々な事に常に注意を向ける事ができていたのであろう。

　俺は駄目だ。緊張感がまるで無い。

　ただ、アドバイスを貰ってからはなるほどと、奴が脳天を狙ってくるのであればこのヘルムで防げられるのだろうと頷く。

　俺は早速収納から出したが、やはり見た目は厨二病チックだ。
　しかも首の動きに制限が掛かってしまい、あまり着けたくはなかったのだ。
　だが、そうも言ってはいられない。
　そのチート能力故、一時期かなり多用していたが見た目がアレなので、あまり着けたくはなかったのだ。

　皆からはかっこいいとチヤホヤされてはいたが、なんだかなあと、厨二病ではなあと思いいつつ、いつの日からか装着する事もなく、収納の片隅にひっそり眠っている状態であった。

　確かロードオブナイツと言ったか？グロリアと言ったかうる覚えである。
　とはいえ収納の中からはあっさり出てきたのだが、まあ、ヘルムが少なかったからである。
　
　そうこうしているとまもなく防壁が消えてしまう時間になった。
　その為、急ぎヘルムを装備してとりあえず皆に俺の体に触るように伝えた。
　そして防壁が解除された途端に俺は別のところに飛んだ。
　そしてすぐさま防壁を張り直すのだが、俺は防壁の外に出て皆を中に閉じ込める形で防壁を出した。
　ある程度の間は魔力を次ぎ足せば防壁は持ち堪える事が出来るであろう。
　とは言っても彼女達の魔力では、3分もすれば魔力切れで動けなくなってしまう。
　短期決戦で決着をつけなければならない。
　俺は意を決し、奴にリベンジするのであった。