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第1章

第446話 強敵

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 翌朝、俺の目覚めを待ってレフトアイが俺の所に来た。

「あのねランス。ひょっとして私の胸を大きくしてくれたの?」

 そう聞かれたので正直に答えた。

「やっぱり少し大きくなっているよな。何故か肉体再生をする時に大きくなったみたいなんだよ。ただ、意図的にやった訳じゃないんだけども、もし嫌だったら元の大きさに戻すけど、どうする?」

 レフトアイは大げさに手を振って否定した。

 「そうじゃないの。お礼を言いに来たの。私ね、今のこの胸が気に入ったの。私は言ってなかったけど、本当はこのサイズを理想としていたのだけれども、よく分かったわね!あっ?!ひょっとしてこの大きさは嫌だった?嫌だったら戻して。そうじゃなかったらこのままが嬉しいの!」

 どうも俺の理想のサイズというよりも、レフトアイの理想のサイズになったようである。俺は今までの胸も上品な大きさで嫌いじゃなかったが、レフトアイはそうではなかったようだ。50年近くもずっと1人で悩みを抱えていたのだ。
 切り刻んでまで大きくはしたくなかったのだろう。勿論今のも好きだと伝え安心させた。

 今までに何人かの欠損修復時にあったのだ。
 特にコンプレックスの大きい者が、俺が思った大きさよりも大きかったり小さかったりとする事があので、難しいなと感じる事が有った。

 今回は俺は調整しようと思わなかったので、当人の強い思いが招いた結果のようでスキルに隠された仕組みのようだ。

 今更だが、中々思ったように行かないなと、でもやたらと感謝されていたから、まあ良か位に思っていた。それに俺専用だから俺が気にしなければ問題なかった。

 レフトアイに確認すると、俺の思った通りで、やっぱり胸の大きさがもう少し大きければなと長年思い続けていたのだ。

 これはおそらくと断った上で所感を伝えた。

「今まで再生を行った者の胸の大きさというのは、本人が特に希望をしていない場合は俺が希望したらその大きさで、本人が希望していれば、本人が希望した大きさになっているような気がするんだ。今回は本当にレフの胸の事について俺は大きくしようと思ってした訳ではないんだ。君の想いが通じたんだ!」

 レフトアイは納得したような、しなかったような表情をしていた。

 そしてその後、食事や身支度などの準備をし、ボス部屋に挑む事になった。

 この日は何故か気合を入れる為に円陣を組んだ。
 まあ、前日に油断から1人死んでしまうような事が発生しているので、気合いを入れ直す為だ。

 そしてボス部屋に入るといつもながらにドアが閉じたのだが、何か変だった。

 5分経っても何も起こらないのだ。
 ただ、何かがいる気配は何となくするのだが、いまいちどこにいるのか掴めない。
 単に実体化していないので目に見えないだけなのかもわからないのだが、嫌な予感しかしなかった。

 そうして索敵をしていた時に異変があった。
 いち早く異変に気が付いたのはやはりレフトアイだった。
 レフトアイは足元にある何かを確かめようと屈んでいる真っ最中だった。
 だが、俺の方を見ていて俺の目の前に何かが現れた為、咄嗟に俺と位置を入れ替わった。

 そうすると、レフトアイの頭上に刀のような長い物が通り過ぎていく。

 そして俺はというとお腹を貫かれていた。
 正確には息子が貫かれた。
 それはちょうどレフトアイの頭のあった位置だ。
 そう、俺とレフトアイの位置が入れ替わったからだ。

 そして残りの3人は脳天を貫かれており、その場に倒れて痙攣をしていた。

 俺は咄嗟に手の届く所にいたトリシアとリギアの体に触れながらレフトアイのところに転移した。
 そしてレフトアイに掴まれ!と言い、レフトアイが俺の体に触れる。
 次に間髪入れずにライトアイの所に転位した。
 そして急ぎ絶対防壁を張り、何人たりともこの結界を通過できないようにした。
 その間に死に掛かっている3人をヒールで治した。
 基本的に心臓が動いていればまだ生きているのだ。
 頭部を破壊されようが、破壊されてから1分以内であれば欠損修復で修復したりして、5体満足になれば死亡扱いにならない。

 3人は意識を取り戻したが戸惑っていた。
 俺は3人にはお構いなしに己自身にヒールを掛け、命の次に大事な所を守った。

 そうしていると、ガキンガキンと防壁を壊そうとする音が聞こえて来た。
 このままだとまずいと、ここも1分と保たないはずなのでその間に作戦を考えなければならなくなったのであった。
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