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第1章

第426話 トリシアのバースデイ

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 皆のパワーレベリングが終わった後、俺はひたすら街道を作り続けていた。

 そしてそんなある日トリシアの誕生日が来た。今のところ俺が把握している限りでは妻達の誕生日が被っている事はない。
 勿論双子は別だ。

 その為、誕生日は妻とデートする日にしている。
 勿論その日にデートできないような重大な用事があったりすれば別の日にデートをしている。
 その日1日は誕生日を迎えた者と過ごす事にしているのだ。

 今回のデートの先はトリシアの名前を付けた町に趣きそこで1日過ごす。そんな感じになる予定だ。

 いくつかの町は昔つけられていた町の名前が分かったが、分からない町もあったのだ。

 名前が分からない町に関して、俺の妻達の名前を付ける事にしていた。
 俺の名前は・・・町の力関係に響くので敢えて付けなかった。

 今日のトリシアの格好はと言うと、清楚なデザインの白いワンピースを着ており、腰は青い紐でキュッと絞っておりトリシアのスタイルの良さがよく出ていた。

 彼女は鍛えられている。
 その為、無駄な肉がなくすらっとしているが、決してガリガリという訳ではない。
 いつの間にかモデル体型に近くなっていた。胸はそこそこあるが。そこ大事。

 トリシアはオンとオフの切り替え時の差が他の者よりも大きく、ブラックスワンとしている時はサバサバとしたお姉さんチックな感じなのだが、私服に着替えるとお淑やかなレディーに変わっている。
 時折清楚な見た目に反して丁寧な喋り方ではあるが毒舌が入る。
 それはそれでトリシアの個性が出ていて好きだったし、俺に遠慮しない数少ない存在だ。

 今日のデートについてトリシアに希望を聞くと、特にないと言う。
 ただ俺と一緒にいられればそれでいいと。
 俺もそんなことだろうなとは思いつつ、トリシアに聞いて希望がなければこうしようというような事は考えていた。

 とはいっても、ごくごく普通のデートだ。
 变化の指輪で姿を変えているが、お店で食事をしたり、眺めの良い所から景色を眺めたり公園のベンチで肩を抱き寄せ抱き合っている。
 そんな普通の恋人の普通のデートだ。そういうのが良いと彼女は特に希望はないと言ったのだ。
 普通のデートがただしたいだけだと言っていたのだ。

 最初に会った時のような子供っぽさは今は微塵もない。
 そう、今日はトリシアの20歳の誕生日だ。
 今日デートの後か最後に彼女に刻印の儀を執り行う。
 そう、彼女が20歳になった今も元の世界に帰る事が叶わなかったのだ。

 ドラゴン達との会合の後は平穏な日々を過ごしていた。
 特に事件も何もなく、町と町を繋ぐ街道も完成しており、街道の内側の土地についても全ての魔物の駆逐は完了している。

 その為、街道の内側は人類のテリトリーになっていた。
 そういう事もあり、デートの方は新たな人類の土地となったところにある綺麗な湖にした。
 そこをお昼からのデートスポットに選んでいた。その湖畔にベンチを出し、そこでイチャイチャする。ただそれだけだった。

 俺は実は彼女に一目惚れしていたのだ。
 まだ召喚されてから日が浅い時に彼女に会った。偶々ナンシーが彼女達と一緒に食事をする事になっていて、俺もその場に同席したのが始まりだった。
 その時に見たがさつな少女は今はそこにはいない。
 ここには1人の立派な大人の色気の有る女性が、レディがいるのだ。
 彼女の希望もあり、誰もいないこの湖畔の青空の下で、彼女の刻印の儀を始めていた。

 彼女は俺に常日頃から何時でも抱いてもいいの、好きにしていいのと言っていたが、年齢固定の観点から今まで彼女を抱く事もできなかった。
 実は彼女の胸も直接性的に触った事がない。彼女の胸を触ってしまうと理性が飛び、その場で求めてしまうと判っていたからだ。

 俺は女性を抱いて初めて泣いた。
 トリシアも泣いてくれた。ようやくひとつになれたと。

 彼女は素晴らしかった。やはり鍛えられた体は美しい。もはや彼女に夢中だった。
 そしてふと忘れていた幻影を思い出した。美しい清楚な見た目の女性と青空の下で愛し合っていたと。そう、今この瞬間の幻影をかつて見ていたのであった。
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