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第1章

第418話 異変

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 ティエラと愛し始めてから4時間が経過したが、彼女も無事に俺の刻印者となっている事が確認できてホッとしていた。

「ティエラ、無事に刻印者になっているよ。辛そうだが大丈夫か?」

「はい。ランスロット様。これは私が女になった証だと思います。私は痛みが強かったようです。その、前世を含め、初めて女になったものですから、色々不都合が有るかも分かりませんが、また私を愛してくださいまし。痛みと少しだるいですが、心は満たされていますわ」

「そうだね。今日はゆっくり休むと良いよ。奥様」

「ああ、私はランスロット様の妻になったのですね。嬉しくて涙が出てしまいました」

 だるさがあるのが気になったが、お互い服を着た。
 だが、俺はずっとトイレに行くのを我慢していたので、用を足しに行っていた。すっきりして戻ると異変が有った。

 ティエラがかなりの汗をかき、ゼエゼエと苦しそうに喘いでいたのだ。

「何があった?大丈夫か?」

 慌てて駆け寄り、ヒナタを念話しで呼び出した。夜中だが念話が可能な面々を念話で起こし、部屋に来て貰った。ナタリーにはブラックスワンの4人を呼びに行ってもらった。


 次に俺にも異常が始まった。
 俺の魔力がティエラに流れていたのだが、段々流れが激しくなり、俺も倒れてゼエゼエと喘いでいたのだ。

 トリシアに抱き起こされ、ティエラの方に連れて行って貰うも、彼女は口から泡を吹いているのと、失禁までしていた。いや違う、弛緩金が緩んでしまい、その影響だ。クリーンを取り敢えず掛けてから抱き上げようとしたが、力が入らなかった。

 カグヤがティエラを抱き上げていたが、俺はティアラにヒールを掛けるが、更に魔力を注ぎ込むだけだった。

 かなりの熱なので、オルフィーネ達が濡れたタオルで体を拭いたりしてくれていたが、段々と生気が失せて行くのが分かる。

 俺も意識が朦朧としてきたが、何とか踏みとどまっていた。

 しかし、ティアラは気絶したままぐったりしていた。

 次第に目から力が抜け、心臓の鼓動がゆっくりになり、そして止まってしまった。

 「イヤー!」と誰かが叫んだ。
 「死んじゃった!なぜ?」そのような叫びが聞こえた。

 俺は現実感が無かった。
 おかしかった。
 幻影で確かにナンシー達と一緒にいるのを見たのだ。
 だが、何故かティエラは急死してしまった。

 俺は服を脱がされてベッドに横たわるティエラに必死に叫びながら人工呼吸と心臓マッサージを試みるが、無駄な足掻きだった。

 皆泣き始めた。
 俺も絶望感が湧いてきたが、リギアから死者蘇生を試したらと言われ、即決した。

「妻になった途端に死ぬなんて許さないからな。戻って来るんだ!」

 そうして死者蘇生を発動したが、魔力が殆ど残っていなかったのもあり即ブラックアウトしたのであった。
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