異世界召喚された俺は余分な子でした

KeyBow

文字の大きさ
上 下
413 / 567
第1章

第411話 救援物資

しおりを挟む
 翌朝町にて提供される服を確認すると、少女達の服がある程度準備されていた。俺は感謝をしつつ対価を払って行く。

 遠慮をされたが、受け取って貰わないとこちらも困ると話をして半ば強引に対価を渡していく。頼まれてもいなかったのだが、元々ヒナタのところに少女達を引き渡す時に持参金を渡されていたのだという。

 つまり結局のところそのお金を返す形になる。

 そして女性達が着られる服もある程度用意されていた。古着もあるが、新品を含め用意されていた。緊急だからと、古着でも構わないから着替えが欲しいといい、ただ無理矢理接収してしまうと恨まれるだけなので、それはやめてくれとお願いをし、売ってくれる分限定にした。対価を適切に支払えば文句を言う者はまずいないからだ。

 実際に本当に常識的な数だけの服が揃えられた。1人1式が何とかあるような形だが、かなり助かるのでお礼を言う。

 ゲートで服を屋敷に運ぶ。また誰も住んでいない屋敷があり、痛みは激しいが修繕すれば何とかなるというような屋敷があるというので、急ぎ修繕をお願いし、提供して貰った。町中で管理している屋敷で、ヒナタが来る前に貴族が住んでいた屋敷らしい。
 一家惨殺事件があり、その後は誰も住みたがらなかったらしいが、俺達にとってそれは関係ない。

 町の者総出で大工仕事ができる者が優先的に直してくれると言う。
 その為町に返す女性達全員を1度この町に連れて来て、弱っている者や欠損修復から治したばかりの者達は、念の為療養とし部屋に押し込んでおくようにお願いをしている。

 また学校を開く為の準備も合わせてする事になった。この先この世界の発展に寄与する事になるであろうと半ば確信している。学校を開く場所を確保しなければならないが、その為の建物も作って貰うようにお願いをした。

 当面は提供して貰う屋敷の一角に学校を開く。仮校舎として開く事として話を進めていた。そう女性達だけで住むには広いからだ。勿論1人に1部屋と個室を与えてしまうと部屋は足りないのだが、当面は4人で1部屋になる形になる。勿論独立したりして空き部屋が出てきたりはするが、取り敢えず当面はそのような形で行く。

 勿論いずれは1人1部屋で住まわせてあげたいので、彼女達が住まう屋敷を新たに建てて貰う。それをするには時間もお金も掛かるが、ヒナタによって今まで貯められていたお金を全部投入する事と、学校を作ってくれるお礼として町ぐるみで準備をする事となった。

 実際問題文字の読み書きを含め、識字率があまりにも低い。約1割の者しか文字の読み書きもできないし、簡単な足し算、引き算しかできない者があまりにも多かったのだ。
 残念ながらこの状態では町の発展はあまり見込めない。

 ガラの悪い奴が多いのはこの事も要因であろうと判断していた。ただ現実問題として、ある程度の年齢になると労働力として家計を担う役割を持たされている者があまりにも多いので、集中的に教育する事ができない。

 その為、仕事を持つ者達は休みの日だとか、ちょっとした時間に教育をする、そういったような形になる。そのような話をしていたが、小さい子供達に対しては食う事にも困る者が多いと言うので、無料で昼食を出す事にする。また、その者が夜に食べられる食料位は持たせられるようにと、毎回夜に食べる分のパンと、ちょっとしたおかずを持たせる事にする。

 その食料を目当てに、仕事させる代わりに子供を学校に入れる親も出てくるだろうという判断だ。勿論ある程度の収入がある家庭に対し、希望すれば一段上等な教育を施す。その為に上級教育に関しては成績上位者、もしくはお金を持っている者からは授業料を貰い教える話になった。

 この辺りのルールは追々決めて行って貰うが、皆が最低限の教育を受けられるようにしていき、いずれは義務教育と化すような話もしている。そう、俺のいた世界での義務教育の話を説明しておいたのだ。

 目を輝かせる者、そういう事が可能なのか!?と疑問視しする者など反応は様々だったが、教育により町の、いや、この世界の発展が可能なのだと力説をした。そうやって町から女性達への服の受け取り等が終わった後、今度はジョンの所に向かうのであった。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

ざまぁから始まるモブの成り上がり!〜現実とゲームは違うのだよ!〜

KeyBow
ファンタジー
カクヨムで異世界もの週間ランク70位! VRMMORゲームの大会のネタ副賞の異世界転生は本物だった!しかもモブスタート!? 副賞は異世界転移権。ネタ特典だと思ったが、何故かリアル異世界に転移した。これは無双の予感?いえ一般人のモブとしてスタートでした!! ある女神の妨害工作により本来出会える仲間は冒頭で死亡・・・ ゲームとリアルの違いに戸惑いつつも、メインヒロインとの出会いがあるのか?あるよね?と主人公は思うのだが・・・ しかし主人公はそんな妨害をゲーム知識で切り抜け、無双していく!

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...