異世界召喚された俺は余分な子でした

第１章

第403話 絶景と蘇生

　俺は奴隷にしたドラゴンの首根っこを掴むと、強引に屋敷へと入って行った。屋敷にと言っても屋敷跡でしかない。半ば崩れているからだ。そして屋敷前で俺を待っていたヒナタにこいつを閉じ込められるところはないかと聞くと、まだ使える部屋があるというのでそこの部屋に閉じ込めておく事にし、許可なく出るなとしておいた。トイレへの出入りだけは用を足す時限定として許可をしておいた。

　ヒナタに一通り奴隷にした事を説明し、命令権をこの屋敷にいる者が持っているという事をこいつには言ってあると説明した。

　もう１つ無事だった部屋に案内して貰い、そこにトリシア、レフトアイ、ナタリー達を連れてきて貰った。

「すまない、さっき時間停止を使ったからもう限界だ」

　そう言うと慌ててトリシアと レフトアイが服を脱ぎ出した。ナタリー達は？だったが 

「強力な技を使うと赤ちゃん返りが激しいの。なのであなた達も同じようにして」

　と言われ３人も胸をはだけていた。何故かヒナタもだ。レフトアイとトリシアがじゃんけんをし、勝ち誇ったレフトアイがガッツポーズを取る。

「さあ坊やおいで。おっぱいの時間でちゅよ」

　そう言い始めたので、俺は意気揚々とその胸に飛び込んだ。

「チュパチュパちゃちぇてくだちゃい」

　そう言いながらチュパチュパと胸を吸っていたそうだ。その時は既に俺の意識は無かったのだ。結局後から聞いたが、やはり強く吸うものだから胸が痛くなり、皆で代わる代わる胸を吸わせていたらしい。そして１５分位で俺は正気に戻ったというのだ。新たな呪いは発現しないが、過去に発動した呪いに喘いでいるのだ。まだ記憶があれば良いのだが、記憶がない。意識を取り戻した時はトリシアの胸を吸っていて、吸い方が大人の吸い方に変わったものだから頭を叩かれてしまったのはご愛嬌。

　ヒナタ達はトリシア等から説明されていたようで、ここでの事は見なかった事になるのだと言う。

　そして皆がいる地下室に行った。
　皆が泣きながらヒナタに抱きついていた。俺はレフトアイとトリシアと話をしていた。

　皮膚片は並べ終わっていると言う。そしてかなり酷い状態であったがレフトアイとトリシアはライトアイとリギアの死体を見つけてきたと言っており、死体が安置されている所に案内された。

　即ヒールを掛け、欠損修復を行った。他の者達は考えがあり、皮膚片からの肉体再生を試みる。リギア達は年齢の関係から可能な限り今の体を再生したかった。服を着せてやってと服を渡し、２人に着替えをさせる。そして仕分けされた皮膚片の所に行き、対象外の者の皮膚片を収納に入れてから、対象の皮膚片に対して肉体再生を始めた。

　今は以前と違い、やはり肉体を再生させる為の欠損修復もエリア修復が可能となったようだ。何故なら全ての皮膚片から肉体が再生されていくのだ。それは・・・かなりシュールな状態だ。

　俺は皆に頼んだ。魔力を俺に供給してくれと。手を繋ぎ、輪っかの中心部になったひなたが俺に口移しで魔力を注入してくれる。ヒナタがやり方を知っていたのだ。欠損修復で肉体を再構築していく為、膨大な量の魔力が失われていくが、失われる量の半分位が戻ってくる形だ。

　段々と１人、また１人と辛そうにしてきたので、ある程度のところで一度止めさせた。魔力量の少ない者を一旦供給の輪から切り離し、魔力量の強い者だけで輪を作り、再び俺に魔力の供給を始めた。殆どの者が辛そうにし、皆の魔力が殆ど無くなった事が分かる。その為魔力供給を終わらせた。その頃には殆どの者の肉体の再生が終わっていた。

　そして肉体再生を終えた者の体から皆に皮膚を切り取らせ、元の袋に収納させた。全員分が終わると収納に戻した。そして全員にエリアヒールを掛けていく。

　絶景である。１００名以上の美女の裸体が並んでいるのだ。更にヒナタから言われたのが、性的に興奮している方が魔力の回復が早いのだと。確かに今はいつもより早い感じはしていた。未だに知らない事があまりにも多いのだと思い知らされた。しかし、ある意味あかんやつだ。

　また、皆に収納から出した服を着させるように指示をした。

　そしてその場にベッドを１つ出して、そこに座りながら次のステップに進む。

「ではこれから全員の死者蘇生を行う。流石にこの人数だと、どうなるか予測がつかない。レフトアイ、トリシア、後を頼んだぞ」

　２人は頷いていた。周りの者も皆固唾を飲んで見守っている。しかし、やはり服が足らなかったようで、サイズの違う服を無理矢理着せていたり、メイド服を着ていたりしている者も多い。服自体の数は足りるのだが、サイズがぴったり合うのがないのだ。そう、殆どの服は焼けてしまったのだ。

　これは後で町で買わないとなとは思うのだ。そして俺は先の戦いの時もそうだが、先程、肉体を再生する時に大量の魔力が動いた為、体の状態はかなりだるかった。

　だが、そうも言ってはいられない。もたもたしていると丸１日が経ってしまうからだ。俺は意を決し、死者蘇生を唱えた。すると次々に名前が出てきた。トリシアとレフトアイの不安そうな顔に笑顔で答え、頭の中に浮かぶリストの中にリギアとライトアイの名前も確認できた。そして全員の名前を選び、やはり行けるのか？と思いつつ、実行をポチったのだ。

　ポチった瞬間から、いつもよりも更に激しく魔力が抜き取られ、完全に空になった。更に生命力が削られているとしか思えない位に辛い状況になって、血を吐き出し一気に意識を手放したのであった。