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第1章

第402話 2体目のドラゴン

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 俺は当初しようとしていた四肢を切り落とす事を忘れ、奴の首の後ろに飛び乗った。

 そしてその首に手を当て、時間停止を解除する。

 解除した直後に奴隷契約を強制実行した。
 すると奴に対し、奴隷紋が手を当てた所に浮き上がってきた。

「よし!」

 俺はガッツポーズをした後、奴の前に立った。

 すると奴は戸惑っていた。

「き、貴様!俺に何をしたのだ?」

「貴様だと?ご主人様に向かって失礼な事をぬかすな!謝れ!」

「何をふざけて、ぐあああ!」

 奴がのたうちまわり始めた。

「貴様は俺の奴隷になったんだよ。命令を聞いて実行しないと数分以内に死ぬぞ!」

「何だと?ぐああああ。うがあああ、呼吸ができぬうぅぅ。うがー!」

「命令に背いているからだ。死にたくなかったら命令に従うんだ!ほら時間がないぞ!」

「うっ、うっ、この人でなしぃぃ!」

「残念ながらそうだよ。そもそも俺は人じゃない。大天使だって言っただろ。そら、そろそろくだばるぞ。いやなら早く謝るんだな」

 奴はゼエゼエと虫の息になって行き、やがて倒れた。そして・・・堕ちた。

「ごべんばざい、ごじゅじんじゃま・・・ううう」

「そうだ、それでよい。楽になったろ?俺はご主人様だ!分かったか?」

「はい、ご主人様。申し訳ありませんでした」

「よし、俺に危害を加えようとしたり、命令に背けば苦しみが待っていて、最後は死に至るぞ。分かったな?」

「はい。分かりましてございます」

「まずは人型になり、許可を出すまで誰にも傷つけたり、攻撃する事を禁ずる。俺より下位の命令権だが、先ずはヒナタ、俺の妻、ヒナタの屋敷に住んでいる者の順だ。屋敷に住んでいる者の順番は屋敷に来た順だ。それとこれから屋敷に向かう。逃げるのも許さないからな。それと自殺を禁ずる!」

「畏まりましたご主人様・・・」

 実に情けない奴だった。あっさりと屈服したのだ。
 人型になった奴は裸だった。人型は可もなく不可もなくな外観だ。

 服を出して奴に投げた。しかし首を振る。まあ、嫌だろうなと思う。ピンク色の男用のメイド服だからだ。以前罰ゲーム的に誰かに着せようと作った物だった。誰が作ったんだったかな?

「着ろ」

 俺が命令すると奴は苦しみだし、苦しみから抜けるのに渋々着ていった。実に情けない。

「今からヒナタの屋敷に行く。誰にも攻撃をしたりするな。揚げ足を取ったり抜け道を探すな。もしもそんな事をしたら死なせてくれと懇願する位の苦しみを与えてやる!じゃあ行くぞ」

 俺はゲートを出し、嫌がる奴の首を掴みながらゲートを通るのであった。
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