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第1章

第389話 なぜ知っているの?

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 病み上がりというのもあるのだが、何故かそうしなければならないと感じ、ナタリーをそれはそれは大事に扱ったんだ。そして刻印が刻まれた事を確認した。俺がよしっ!と呟いてギュッと抱きしめたら彼女を起こしてしまった。お腹が減ってきたので食事にしようかという事になり、彼女に服を着させてあげた。彼女は恥ずかしがったが、結局甘えますと言って、大人しくされるがままにしていた。

「ナタリー。歩けそうか?」

「どうでしょう。試してみましょうか。倒れてもランスロット様が支えて下さりますから!」

 立てるかどうかなど分からない。当然そうなのであるが、彼女を立たせてみた所うまく立てて、あまつさえ歩く事さえ出来た。おそらく肉体を再生しているので、筋力も本来あるべき量が付いているのだと思った。
 自分の足で歩く事が出来たので、喜びを感じて更に泣いていたので、暫く俺の胸で泣かせてあげた。

 落ち着くのを待ち、じゃあ行こうかとお姫様抱っこをして食堂に行くと、大勢が俺達を待ち構えていて、食堂に入ると祝福をされた。おめでとうございますと。既にナタリーが名実共に俺の妻になった事を皆が知っていたのだ。そしてどこからともなく聞こえてきた言葉が衝撃的だった。

「あれが愛し合う、所謂セックスというやつなのですね」「こうやって男性と女性が抱き合うのですね」

 そんな言葉が聞こえてきたのだ。
 何を言ってるのだ?と思ったのだが、ナタリーに感想を聞いている者もいた。ナタリーは赤裸々に、そう、正直に答えていたが、当然の事ながら俺は真っ赤である。

 何故か皆俺達に何があったのか、何をしていたのかを何もかも知っていたのだ。トリシアも俺の所に来た。

「ねぇランス、私の時にもあれ位優しくしてくれる?素敵だったわ。羨ましかったな」

 俺は愕然としながら問うた。

「どれ位って?それはどういう事だ?」

「物凄く丁寧に、それこそ壊れ物を扱うように扱っていたじゃない。あんな感じに抱いて貰えてナタリーは幸せだなと思ったの。私もセックスって勿論初めて見たけど、ナタリーさん綺麗だったな。素敵だったな。あれ程丁寧に愛撫されていて羨ましかったよ」

「ちょっ、ちょっと待て!?見たってどういう事だよ?」

 トリシアからはっきりと言われたのだ。セックスを初めて見たと。文字通りならば、どう言う訳かナタリーとの情事の一部始終を皆に見られていたのだ。

 皆の話し方から、俺とナタリーの愛し合ったその内容が筒抜けだった。キスをしたり、どういったタイミングでその時を迎え、その時のナタリーの仕草を言い当てるのだ。

 俺は愕然としながら、恐る恐る事実を確認するのであった。
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