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第1章

第380話 はしゃいだ

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「きゃー凄い!ランスロット様は何ができるのですか?」

 先の10歳の女の子に言われたのもあり、周りの女性達に格好をつけたくなって俺はバカな事をしてしまった。

「よし、お兄さんはこんな事ができるんだぞぉ」

 そう言って、その女の子を抱き上げ、天井すれすれまでの高さまで飛んだ。皆何をするのかワクワクしている。この屋敷は3階建てなのだが、このホールは3階まで使った吹き抜け構造なので、高さのある部屋だ。そして女の子に言う

「今から落ちるけど、下でお兄さんが受け止めるからね。怖がらなくてもいいよ」

 女の子を少し上に放り投げ、俺の体から離した状態で転移した。キャーと彼女の悲鳴が聞こえたのだが、ちゃんと下で優しくキャッチをする。するとその女の子はええええー!と更に驚いていた。

「す、凄いです!凄いです。おもしろいです!もう1回やってください!」

 リクエストされたのでもう1度だけだよとして、もう1度同じようにしてあげた。やはり悲鳴を上げるのだが、面白いですと喜ばれてしまった。そして調子に乗り、年少の子5人に本当は危険極まりないワイルドな高い高いをしてしまった。

 また何人かの女の子の後ろに転移し、肩をポンポンと叩きまた元の位置に戻る。振り向いた女の子は後ろに特に誰もいないので戸惑っていた。勿論後ろに誰もいない子を選んでいるので、当然肩を叩いた者どころか、誰の姿も見当たらないのである。

 それを何箇所かで行った。最後列にいる女性達にそれをしたのだ。肩を叩かれた者は皆唖然としている。えっ?どうして?と。

 壇上でゲートを出し、ゲートに手を入れて端にいる女性の肩をトントンしては手を引っ込める。皆さんゲートを見て不思議がっているが、右端の女の子は当然右に誰もいないのと、右肩を叩く事が可能な位置に人がいないのだ。

 調子に乗って耳元に息をフーッと吹きかける。何故かセクシーな声をあげる女性もいた。そう、俺はいたずらっ子をしていたのだ。皆不思議がっていた。そしてそういう事ができる事に驚いていた。勿論解説付きでネタバラシをするのを忘れない。

 色々な物を出し皆を驚かせていた。そもそも収納という能力がこの世界にはないらしい。俺は調子に乗ってしまった。本当に調子に乗っていたんだ。みんなからキャーキャーという黄色い歓声が沸き上がり、俺の顔はきっと鼻の下が伸びっぱなしでだらしなかっただろう。だってね、凄いです!と皆からの感嘆の声が心地良かったんだよ!

 そしてあまりに調子に乗り過ぎていたので、遂にトリシアを怒らせてしまい、足を思いっきり踏まれてしまった。トリシアの無言の訴えが痛かった。引きつりながら笑顔を向けて来るものだから、俺は冷や汗をかいていく。

 そして素直にトリシアに謝った

「ごめんなさい。調子に乗ってしまいました」

 しかしトリシアは優しかった

「はい。よくできました!」

 ただそれだけだった。それはともかくとして、幼い子達に高い高いをしてキャッチをすると言う遊びを披露し、優しく?遊んでいたものだから、男への偏見がなくなっていった感じであった。
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