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第5章

第362話 ちっぱいを卒業

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 まだ寝るのには早い時間だったが、タユーテ、ニーベルング、そしてアヤメの3人が部屋を訪れて来た。今日はニーベルングが一緒に寝る日だが、何故だか分からないが2人を一緒に連れてきたのだ。しかし、ニーベルングの場合、夜の営みは複数人を極端に嫌がるから、何か別の理由があると思う。

「どうしたんだい?就寝時間にはまだ早いよね?」

「あの、その、相談があるんです」

 3人はもじもじしながら、畏まっていた。
 3人でモゾモゾしているのだが、やはりどうしたのだろうと不思議に思った。この3人の共通点は俺の妻達の中では胸が小さい事だ。そう、ちっぱい同盟はこの3人なのだ。この3人に限って言えば、3人をまとめて愛してくれと言ってくるような特殊な性癖はない。

 少し考えてみると、直近の会話から大方胸を大きくしてくれと、痛みに耐えて施術をする決断をしたと言いに来たのだろうと思う。言い辛そうなので、俺の方から聞く事にした。

「ひょっとして胸を大きくして貰いたくて、それを頼みに来たのかい?」

 3人は頷く。今日はニーベルングが俺と一緒に寝る日だが、2人を連れてきたのが何故だ?と思っていたが、なるほどと。どうやら俺と一緒に寝る日に、そう、この3人のうちの誰かが当番になった時にお願いしようとしたようだ。

 「分かったがどうする?今からやるかい?体を切り刻む覚悟を決めたんだよね?勿論傷痕なんて残さない」

 3人が頷いた。

「じゃあ準備をしようか。眠って貰うから痛みは感じない筈だ。俺は胸の大きさには拘りが無いけど、良かったら理由を聞かせて欲しいんだ。君達がずっと胸の大きさで悩んでいたのは知っているけど、男の俺にとっては謎だったんだ」

「その、女の意地です。ランスは胸の大きさに関係なく愛してくれるし、私達を心から綺麗だ、可愛いと言ってくれますが、ランスに大してではなく、他の女性から、一般の女性からランスの妻なのに胸が小さいと思われるのが嫌なんです。そのような偏見を持つ姉妹はいませんが、女の世界というのは、多分ランスが理解できないしきたりや陰口が飛び交うのです」

 俺は頷き、そんな事だったのかと納得した事にし、部屋に鍵を掛けた。万が一男性が入って来ては困るから、入れないようにした。俺の妻達の胸を他人に見せるつもりは更々ない。俺は独占欲が高いのだ。それと、胸の小さな女性もそれはそれで、多種多様でちっぱいでなくなるのは残念だけど、それにより苦しんでいて、俺が解決できるのなら、そちらを優先したい。その事は墓まで持っていく感情だ。

 施術の準備をするのだが、3人を寝かせる所として、野営用のシートを出す。念の為に切断は片胸ずつ行っていく。

 最終確認をする。

「痛くはしないが、体を切るけどいいんだね?」

 3人は即時に頷いたので、じゃんけんで決めた順番で行う事になった。トップバッターはニーベルングだった。
 懇願された美容整形の為とはいえ、妻達を切るのは俺の精神衛生上厳しい処置でもある。

 3人に好みの大きさを聞かれたので、拘りが無いと伝えられた。逆に大きさをどうしたいかと聞いたが、結局俺に任せると言う。3人共に俺の欲望サイズがいいと言うのだ。どうしたものか暫く考えたが、トップバッターのニーベルングの準備が出来たので、裸になってから横になって貰い、スリープで寝かせた。残りの2人も同じだ。

 結局くじを作り、施術の直前に決めた。バストサイズはアヤメ、タユーテはDカップ、ニーベルングはCカップにする事にした。

 まず右胸だ。柔らかさを再確認し、スパンとアンタレスで胸を切り取った。すかさずヒールを掛け止血をする。綺麗に胸が切れ、乳首はちゃんと形を残したままなので、そのまま左側の胸も切り取る。結局左右の乳首が綺麗な状態で残っているので、切り取った乳首を見ながら胸を再建できる。これで単に胸が膨らんだのと同じ形として再建できる。乳首が無い状態から再建すると、やはり別の形の乳首になっていたという。ただ、大概こんな乳首だったら良かったのにと当人が思う形と色になっていたから不思議である。

 3人は胸の大きさ自体は小さいが、乳首の事は気に入っていたというのだ。だから可能な限り、同じ乳首を再建してあげたい。

 そうして欠損修復を行い程々の大きさの胸になる。既に3人共眠らせているから、施術中に再建した胸を見てキャーキャー騒ぐ事が無く、集中できた。

 3人の施術が終わり、仕上がりを確かめるのに触診するが、至極の触り心地に俺は完璧な仕事をした自信があった。勿論しこりもない。3人が起きて自らが確認するのが楽しみだ。

 3人にクリーンを掛け、寝間着を着せてからベットに寝かせた。後1時間近くで起きるから、それまでの間に、皇帝としてしなければならない事務処理に頭を悩めるのであったが、目が覚めた後の3人の喜ぶ姿を思い浮かべ、色々な想像、いや妄想に気が向いており、皇帝としての考えが殆どまとまらなかったのであった。
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