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第3章

第345話 忍び寄る影

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 復活した俺は、今回の事件の背景について嫌な予感しかしないので、各総督に対して緊急召集を掛けた。
 招集といっても、ゲートを出して連れて来るだけの簡単なお仕事をしただけの話なのだが。

 最近何か異変がないかを確認すると、時折所属不明の船を目撃したという情報が寄せられていたと言う。
 ワーグナーでもそうだった。その為兵を派遣し、港や海岸沿いから確認するも船影は見えなかったと言う。

 確定情報がないため俺の所にまで話が上がってこなかったようだ。
 それで十分だった。今回の刺客達はそれらの船で来たのであろうと判断した。

 そこで海岸を中心に、俺自らが捜索に乗り出した。海からある程度離れたところを確認していると、1隻の怪しげな船がワーグナーから離れていく方向に進んでいるのが分かった。その船は小型で早かったが、どれぐらいの航続距離があるのか分からないが、驚いた事に帆船ではなかった。

 その船には煙突があり、僅かだが煙が立ち込めている。つまり内燃機関で動力を得ている船だという事が分かる。

 俺は甲板に降り立った。しかし誰もいなかったので周りを見ると船室へと続く扉があるのが分かったのでそちらに向かって移動する。操舵室らしきものがあったので、取り敢えずはそこを目指す事にした。船の大きさは、ゼンチ30m位であった。

 ほどなくして操舵室に辿り着く。
 扉を開けると数人の男達がとり、扉が開いた事に驚いていた。   

「なんだお前!?」

こんなう感じで、お決まりの文句を言ってくる。

「俺はこの国の皇帝をしているランスロットだ。お前達は我が国に何をしに来た?そしてどこに帰るつもりだ?じっくり話を聞かせてもらおうか」

 慌てて奴らの1人が壁に掛けてあったライフルのようなものを取り出し、俺に銃口を向けてくる。引き金を引いても出なかったようで、1人の者が出ないと呻いていた。

「馬鹿野郎火をつけずに玉が出るかよ!」

 もう1人が怒鳴った。どうやら火縄銃のようだ。念の為、銃を持った者を腹パンで気絶させて銃を取り上げる。

 ほどなく全員を腹パンで沈め、更に奴隷にしてワーグナーへゲートを出す。ゲートを出した所に奴隷にした船員達を次々に放り出す。船を収納しようとしたが出来なかった。どうやらまだ誰かいるらしい。内部の捜索をしていると小部屋があった。トイレではないかと思い、中を覗くとやはりトイレだった。俺が確認し終わると丁度トイレに来ようとした者がいて鉢合わせになり、俺の顔を見た瞬間顔をピクピクさせながら、懐からナイフを取り出そうとする。  

 腹パンで沈め、奴隷にしてからワーグナーに放り出した。すると次は船が収納できた。通路などは電気で動いているランプがあり驚いた。この世界は魔道具が発展し、電気は殆ど使われていないと思っていたからだ。

 また船の動力にしても帆船か魔道具による推進力で動くのが殆どだと思っていたのだが、この船は内燃機関=科学の力で動いている。とは言え地球の技術と比べれば2世紀は劣っていると思われる。俺は少し考えた。この船が所属している所の技術が進んでいるのか、今俺達がいるワーグナーを含む近隣諸国の方が遅れているのか。

 おそらく後者なのだろうと考えていたが、1人で考えていても仕方がないので、ゲートを開いてワーグナーへ戻るのであった。
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