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第3章

第323話 またもや

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 俺は目覚めたが、頭が割れるように痛いのと今にも吐きそうな位に気持ち悪く、やはりグロッキーだ。症状から又もや死者蘇生をしたっぽい。毎度の事だが記憶が混乱している。問題は誰を蘇生したのかだが、大抵の場合は俺が寝ているのを看てくれている筈だが、この部屋の中に妻ではない者の気配がする。誰だ?・・・あかん・・・もう駄目だ・・・うっ!

 ベッドの脇にある桶に吐いていると、誰かが背中をさすってくれた。
 そしてグラスに入った水を渡してくれた。
 嗽をしてから残りを一気に飲み干す。うん、すっきりした。

 お礼を言うと背中に抱き付いてきた。
 まだ記憶が混乱していて、俺の世話をしてくれている女性を見るが、見覚えが無い。もしこの女性を蘇生していたのなら、それはつまり、死者蘇生をする直前には出会っている事を意味する。

 しかし、魂が告げる。
 彼女はかけがえのない大事な女性だと。
 
「すまない、俺は多分君を蘇生したのだろう。聞いているかと思うが、前後の記憶が暫くの間混乱するんだ。君は誰?ただ君が愛おしくて仕方がないんだ。一体何があった?」

「はい。私は早苗と言い、志郎さんが生き返らせてくれました。私は魔王として召喚され、召喚された直後の体がまだ硬直している間に、魂食いに体を支配されておりました」

 俺は急激に思い出した。
 彼女は不憫過ぎた。俺が落ち着くのを待ってから戦いの顛末を話してくれた。

「思い出したよ。良かった。無事に生き返ったんだね。君のお陰で俺は勝てたんだよ。君の首を刎ねるのは辛かった。本当に良かった!おいで!」  

 彼女が泣き始めた。
 そっとその細い肩を抱きしめて暫く見つめ合い、どちらからともなく唇を合わせた。

 そして、彼女を見て焦った。

 そう、残り時間が4時間5分しかない。そうだ!魂食いに食われた者の寿命は殆ど残っていない。つまりセレナと一緒だ。それと未経験だ。あの魂食いは変態だったが、不幸中の幸いというのか、支配している体に対しても男嫌いを貫く個体だったようだ。

 彼女の自己献身に既に惚れている。支配された体を抑え、俺に首を刎ねさせた。
 時間の説明をすると、既に心も体も俺のものモノだと言い、刻印を希望した。どうやったかは分からないが、全ての魂を喰われずに守ったようだ。完全に食われた高校生と早苗さんやルシテル、セレナの3人との違いは何なのだろうか?
 
 それはともかく、2人の想いは止まらない。勿論そのまま2人は愛し合う。

 愛し合った1時間後に、俺はよりによって大をもよおした。
 
 急ぎ服を着るが大変だ。
 着替えている方が上を着るときは脚を掴み、下を着るときは首を掴んだりした。

 今まで刻印後に小をどちらかがした事があるが、大は初めてだった。

 謝りつつ用を足すが、肌を重ねた相手とは言え、かなり恥ずかしい。

 トイレから戻り、手を縛り時間まで抱き合っている。

 彼女は既に転移前の記憶がないと言い、俺も手帳に記録した事を他人の情報のように思える等と話をし、暫く2人して泣いていたのであった。彼女の場合は魂食いに記憶を食われたようだ。俺の場合は壊れているのだが。

 そして4時間が経過し、早苗が俺の刻印者となった事が分かり、またまた泣いたのであった。

 そうそう、早苗が気の所為せいか胸が成長したとか言っていたが、スルーしておいた。気の所為じゃなぞ!カップが2つも上がったら分かるだろう!しかし、その事を胸の中にそっとしまったままにする位の優しさをちゃんと俺は持っているのさ。


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