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第3章

第320話 VS魔王

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 あれから2週間近くが経過していたが 、やはり魔王の手掛かりすら見つからなかった。
  俺は何をしていたのかと言うと、赤ん坊の相手であった。
 この世界に紙おむつという便利な物はないので、勿論布おむつだ。
 なので交換が大変だ!勿論交換した後は汚物を捨て、その後はクリーンで綺麗にしている。
 
  そしてポチの言っていた2週間が経過し、あのダンジョンに魔王が来るであろうという日を迎えていた。

  俺達は臨戦態勢でダンジョンに赴き、トラップの穴の部分を飛び越えてダンジョン、正確にはダンジョンを作ろうとしたその場所の広間に待機をしている。

  昼近くになり、何かの気配が急にした事が分かった。そしてグギャーという音と共に、何かがトラップに引っ掛かった事が分かった 。
 そして入り口を 見ると肥溜めに嵌まっていたのは 1匹のサイクロプスであった。
  そして入口近くには高笑いしている女の姿があった。
  尋常ではないオーラを放っており、おそらくこの女が魔王なのであろうと感じた。そしてその魔王が俺に気が付いたようで、話し掛けて来た。

「お前がこの罠を作ったのか?愚か者め!妾に敵対した事を後悔する事になろう!よりによって妾を肥溜めに落とすつもりであったのか?生憎であったな。妾は用心深いのでな。しかし何故このような子供じみたのを作るのじゃ? お主が勇者かえ?」

 魔王が言い放った後、俺は1歩踏み出し、手をくいくいとして広場に誘導する。
 どうも意図が分かったようで、俺についてくる。そう、これから戦いになると分かっているから、魔王も戦い易い奥の方に行く事を選んだようだ。

 魔王の容姿は、それはそれは美しかった。 セレナやクロエ達とは方向性が違うのであるが、俺好みの美女である。胸が少し控えめなのが残念だが、ついつい跪いて足にスリスリしたくなる程で、すらっとしていて、スタイルも抜群だ。まるでモデルさんである。黒目黒髪の純粋な日本人であろう整った顔立ちだ。 髪の長さは腰まで届く長さで、一つに束ねられていてポニーテールになっている。

 やっている事や言っている事とは裏腹に、温和そうな優しい顔立ちで、いわゆる癒し系と言う感じだ。

  容姿と格好が合わない。特に目付きと服装が。 クロエが好んで着ていたようなボンテージファッションで、SM などで出てくる女王様といった格好であった。

 俺は一言言う。

「殺す前に一度話をしておきたかったんだ。致死性のトラップにしなかったのはその為で、トラップの内容はただの嫌がらせだよ。話をしたかったのはどんな奴が真の魔王なのか、興味本位で見たかった、ただそれだけだよ。 俺の力があれば、100%倒せるだろうから、遺言ぐらいは聞いてやろうと思ったんだよ。 お前はやり過ぎた!俺が殺す2人目の女になりそうだが、まあ、悔い改めてくれ。何か言いたい事はあるか?」

「あらあらつれない事を言うのね。お兄さんなら私の下僕にしてあげてもよろしくてよ。中々良い男じゃないの。なんなら私の初めてを味見させてあげても良くてよ。さあ私の足をお舐めなさい。そうすれば私のペットにしてあげてよ。さあお舐め !」

 妖艶な 笑みを浮かべ、俺を誘っている。さっきからレジスット成功のアナウンスが五月蝿い。俺は彼女の足を取り、靴を脱がせた。そしてストッキングを脱がせ生足を出す。そして恭しくその足を掴み、口を足の方に持っていく。舐める振りをして急に大きく口を開け、噛み付いて食いちぎってやろうとした。
 そうすると察したようで足を引いた。

「あらあらつれないわね。本当に残念ね」

  そう言いつつ、俺にもう一度足を向けて来た。
 俺は彼女の足を取り、脱がした物を履かせていた。
  そして俺はため息をつく。何故かというと、隷属契約が失敗したからだ。 

「さあ茶番はこれぐらいでいいだろう?いつでも掛かってこい、因みに周りの者は見ているだけだから、一切手を出さないぞ。但し、君が彼女達に対して意図的に攻撃したら、流石に反撃するから注意するんだな」

  言い放つとライトソードを構えた。

「 交渉決裂なので、勝った方が負けた相手をペットにするというのはどうかしら? うふ。それでは参りますわ。簡単には死なないで頂けると私も嬉しいですわ。 お兄さんは私の心を滾らせてくれるのかしら?フフフ。さあ踊りなさい」

  そしていきなり背後に転移してきて、手に持っている扇子を一振した。服と武器が合わない。勿論避けたが、その一撃を合図に魔王との戦いが始まったのであった。
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