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第3章

第307話 魔王城攻撃開始

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 俺は渡された簡易地図を元に、街道に沿って飛んでいた。

 道中旅人や商隊も見掛けない。やはり魔王の支配下にある為に外を出歩く事が出来ないのだろうか?

 途中途中町に寄っては町の様子を見るが、どの町も支配しているのはごろつき共だ。
 盗賊が町を治めている感じで、見回りの者もがらが悪い奴らで、好き放題している無法地帯と化していた。店を営んでいる者の姿が見えたが、ビクビクとしており、何かに怯えているようだ。

 それはすなわち、魔王を討伐するだけでは駄目で、この国の傷がかなり深い事が分かり、その後のケアが必要だ。
 元々の領主達は既に殺されているのであろうと感じたのだ。もしくは早々に恭順する道を選んだか。

 ただ、今はまず魔王を撃破するのが最優先であり、町を一つ一つ解放している場合ではなかった。

 可哀想だが、致し方がない。心を鬼にして先に向かうのである。

 そして昼頃には第一目標の町に着いた。 
 この町から高い山を越えた先に魔王城があるというのだ。

 そしてセレナに転移ポイントを記録させ、更に山へ探索に向かう。

 探すのに時間が掛かるかと思ったが、大して時間は掛からなかった。

 何故なら瘴気が立ち込めているエリアがあり、そこにそれっぽい建物が見え出したからだ。そして、認識阻害系をレジストしたので確信した。

 暫くすると城の、それも日本の城としか思えない建物が見え出したのだ。

 城の近くには魔物がうろうろしていて、待機しているセレナを都度呼んで転移させていた。

 隠密のおかげで城の内部へ誰何されずに潜り込んでおり、転移ポイントを複数設定した。その後セレナにも設定させてから先を行く。

 攻撃組が待機する所に行き、攻撃開始のタイミングを確認すると第一陣は今からとなったが、遠目でまず見ておきたいとアリゾナがいうので、皆を連れて行き、セレナは、ワーグナーに返した。

 アリゾナ、ホーネット、レニス、レーヴエン、オリヴィアのみとし、少数のみでの戦いにしたのだ。

 オリヴィア以外は元々戦闘センスが抜群だが、裕美やセレーシャは避けていた。戦闘力があるが、元々か弱き地球人だから、心が持たない。

 改めて城を見ると、金の鯱が鎮座している。

 詳しくはないが、名護屋城じゃないか?と思った。勿論模造だが、名古屋城だったか?

 確かに内部はザッツ城だった。ドラマや子供の頃に親戚の葬式で大阪に行った時に、一度観光で見たああいう城だった。勿論城には詳しくない。

 城には認識阻害が掛けられていて、レジスト出来なければ避けてしまう状態だった。

 その為か、内部は警備がざるだった。というか、警備の者は見えなかった。

 遠目で見える位置から待避の為のゲートを出しつつ、城に特大のファイヤーボールと、上空に直径10mのアイスボールを展開し、まずは直径5mの禍々しいファイヤーボールを投げた。当たる直前に上空5000m程に出したアイスボールを、天守閣目指さして投射いや、投下したのであった。
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