異世界召喚された俺は余分な子でした

第２章

第278話 調査開始と大いなる謎

　目的のレムリア大陸は、ワーグナーがあるレオーネ大陸の数倍の広さともいわれている。だが、正確な地図もないし、人口もちゃんとした統計がない。人口も　‘言われている‘　レベルであり、かなり誇張されていて数倍の数字になっている気がする。

　レムリア大陸遠征隊を集め、ゲートを潜る。

　まずはアリゾナが戦闘態勢で入り、ホーネット、レニス達と続く。

　しかし何の気配もない。アリゾナが質問してきた。

「変ですな。人どころか動物の気配すら無いですぞ。どうなされますか？」

「そうだなあ、俺が誰か１人を抱えて飛び、そうやって町に行くよ。そこで皆をゲートで呼ぶ。それまで村を手分けして調査してくれ。バトルシップはここで待機し、何かあった時のサポートだ。ナンシーは連絡役で残り、皆からの念話の取次と皆の取りまとめを頼む。シェリーはブラックオニキスを率いてくれ」

　俺は皆に村の調査を頼み、裕美を抱き抱えて街道を飛んで町や村を目指す。取り敢えずセリカは一度皇帝宮に返した。

　そうして飛ぶ事数分で、そこそこの大きさの町が見えたが、やはり人の気配がない。

　ナンシーに念話を送るも結果は芳しくない。
　一度セリカを呼び、転移ポイントを設定してまた帰って貰った。
　もう一つ町を見てみたいと思い、街道を別の方向、つまり内陸側に飛ぶもやはり人がいない。

　セリカを呼びポイントを設定し、漁村に繋げて皆を呼ぶ。
　正面から町に入るが、人の気配がまるでしない。小動物すら見掛けないし、虫もだ。
　はてはて、物凄く困った。

　もう一つの町に行くもやはり何もない。

　チーム２つに分けた。１隊を俺とアリゾナ達、ブラックスワン、もう１隊をレニス率いる残り全員だ。時間を決めるのと、集合場所を決め、もし俺が上空にエクスプローションを放ち、盛大に爆発が起これば緊急事態とし、己の命を守る事を最優先にする事を伝え、２手に別れて調査を開始した。

　先ずは冒険者ギルドだ。
　扉を開けると依頼掲示板があり、最新の依頼が約一ヶ月前の物だと分かる。
　何かしらの理由で緊急に町を放棄したとしか思えない。

　ギルドマスターの執務室には鍵が掛かっており、解除して中に入るが、異常は分からない。クロエを呼んで調査に加わって貰う。

　オリヴィアを護衛に残し俺は宿に行く。客室を調べるも綺麗に掃除されていて、直ぐにでも宿泊できる！そんな感じだ。

　ただ、小麦粉とか調味料は僅かにあるが、日持ちしない食材は全て無い。計画的に持ち出したとしか思えない。また、死体もないし、争いの気配がない。

　武器屋、防具屋、服屋を見るが主要な商品は無いし、略奪された気配も無い。町から計画的に全員が何処かに移ったのだと思われる。

　奴隷商も見たが、全ての牢屋は開放されているし、もちろん死体もない。

　この町は家屋の数から１万人は住んでいる筈だと感じた。もう夕方近い。今日はこれまでとし、全員を集合場所に集めて、ワーグナーに帰った。

　レニス達の方も同じ状況で、訳が分からない。俺は皆の報告を聞くも意味が分からなかった。町の名前は分かったので、レムリア大陸向けにクロエがギルドの魔石通信で情報を募る事となった。
　ギルドマスターの執務室には手掛かりがなく、一旦放棄して居なくなるが、また戻る前提としか思えない状態で謎だったのだ。その日は遅くまでクロエと町の異変について話し込んでいたのであった。