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第1章

第274話 マイア

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 朝になり目覚めたので隣を見ると、いつも闊達なエレクトラが俺の横で寝息を立てている。俺だけの時はパーティーのリーダの仮面が外れ、1人の女に戻る。責任感が強く無理をする事が多く、暴走気味のようだ。マイアが時折エレクトラの暴走を抑えている。

 頭を撫でていると彼女が目覚めたので数分の間、甘く大人のキスをしていた。
 改めて刻印がある事を2人共確認し、体調を聞くが少しだるい程度だった。
 朝食の後、家族に挨拶をして引き上げ、エレクトラを屋敷の自室に連れて行き、ベッドに寝かせてからお別れだ。そして今日はマイアの日だ。

 その前に各総督を集めて軽くミーティングを行い、ボッタクリ治療院の話をした。治療院以外でもボッタクリで苦しめられている者がいないかの調査と対処、カービングへは例の治療院の調査及び対処を指示した。

 ミーティングが終わるとマイアとのデートなので、俺は部屋に迎えに行く。ミーティングが終わると迎えに行くと言ってあり、部屋を訪れた。

 彼女の格好は黒を基調としたゴスロリというのだろうか?そのような格好だ。
 彼女はお嬢様チックなのだ。他の者でそういう格好をする者が居ないので新鮮だ!
 早速マイアを伴って屋敷を出る。

 皆に見送られているので少しこっ恥ずかしい。
 彼女も実家に行きたいと言う。家業はジャックナイフで交易を生業としていると。
 まずは一緒にワーグナーの店を回り、お土産を選ぶ。敢えて高い物を避けている。
 父親が武器を収集する趣味が有ると言うので、実用的なミスリルのブロードソードと、屋敷での飾り用にミスリルの大剣に強化を施したのを贈答用に準備済だ。マイアがじっと見ていて嬉しそうだ。そんな彼女の唇が余りに魅力的でついついキスをする。

 彼女はエレクトラの抑え役であり、普段は非常に大人しい。格好とのアンバランスも面白い。
 アクセサリー店で宝石を選ぶ。青色の宝石で上品なデザインだ。ジャックナイフの町で海が見える小高い丘でそっと首に装着する。
 何か悩みがないかと聞くと、いつデートしてくれるかが最大の悩みだったと。今デートをしているのにそんな事を言うのだ。それは彼女なりのユーモアだったようだ。それとは別にエレクトラの話だった。無理をし過ぎていて心配だと。心配はしても不思議と悪口は出て来ない。

 俺達は昼過ぎ迄公園でいちゃいちゃし、実家に向かう。
 程なくしてマイアの実家に着いたが、丁度何かの会議を行っていて母親しかいなかった。エレクトラの時は家族が字の読み書きが出来ず、手紙で俺の妻になる旨を伝える事が出来なかったが、マイアの場合は近況等を手紙に綴って母親に送っていた。
 なのでいずれ俺が訪ねてくるだろうと覚悟を決めていたそうだ。俺なんかそんな大した奴じゃないんだが・・・

 父親を呼び戻そうかというが止めさせた。
 彼女の家は、俺がボレロで最初に買った屋敷より少し小さいが、それでも立派なものである。貴族ではないにも関わらず、努力の結果としての屋敷で立派なものだ。

 暫くして父親が戻ってきて昼食を食べに行くのだが、その前に俺が強化した剣を渡すと気絶しそうになっていた。売れば屋敷をもう一つ建てられる価値があるからだ。

 彼女の性格は父親譲りで、父親は真面目で厳格な者だ。マイアの事で唯一失敗したのは服装のセンスを直せなかった事だという。まあ似合ってはいるのだが、幼い顔立ちを強調していると言うのは否定出来ない。

 俺が父親と打ち解けているのが不思議だったらしい。彼女は終始俺の手を握っていて嬉しそうだ。父親が苦手ではあるが、それでも尊敬をしている。不正を許さず、まじめにコツコツやっていてこそ今の地位にある!努力の人だ。

 そう言えば各総督が船での交易が上手く行っていないという事をぼやいていた。どうも不正が多いのだとか。
 彼女の父親の交易商としての規模はここジャックナイフでは3番手らしい。

 別の大陸との船での交易を取り仕切らないかと持ち掛けると、かなり驚いていた。彼は皇帝の刻印者の父親という立場で贔屓されるのは駄目だという。

 俺は交易が上手く行っておらず、各総督から信頼の置ける人物がいないか相談されていた。信頼の置ける者はいるが、交易の素人ばかりだ。
 証拠が無いが、不正で利益が出ずに交易も衰退しつつあるのだと。
 彼がどういう人物か会話である程度把握し、正に探していた人材だった。
 土下座をしてお願いしようとしたら、察したようで土下座を止められ就任を了承された。その顔は引き攣っていた・・・

 食事を終えて家で話の続きをしていたが、緊急事態だと部下が家の玄関を激しく叩き、知らせを持ってきた。その為マイアの父上は少し席を外していた。
 ところが血相を変えてその者を連れて俺の所に来て、説明を始めた。
 隣の大陸と交易をしているが、その船が戻って来ない上に向こうの大陸からの船も来なくなったと。

 調査船を送っていたが、漸く1隻が戻ってきたのだと。
 その報告が尋常ではなかった。複数の港町に人っ子一人おらず、壊滅したか何かの理由で町を放棄したようだと。

 俺には心当たりがあった。あの漁村がそうだ。話し込んでいると夕方になっており、母上殿が食事を用意していたので皆で食べた。明日もまた各総督を集めるミーティングが有るので、父上殿に参加をお願いして一旦話を切り上げた。

 風呂と食事を終えて今はマイアの部屋にいる。彼女は俺と父親が話しているのが嬉しかったと。構ってあげられなかった事をお詫びすると、ただ隣で仕事をする俺の横にいるのが嬉しいのだという。
 そんな彼女が愛おしく、助ける事が出来て良かったと心の底からそう思う。

 彼女は俺が助けてから服に困ったと嬉しい悲鳴をあげていた。胸の大きさが合わなくきついと。小さな胸を大きくして貰い、物凄く嬉しかった。乳首も乳輪の形が綺麗ではく、コンプレックスだったと。単に俺の欲望の詰まった胸にしたのだが、彼女の理想だったらしい。

 自慢の胸をよく見て欲しいと懇願され、理想の胸にしゃぶり付きそこからお互い理性が飛ぶのはあっという間だった。そうして恋人達の夜は更けていき、刻印の儀を執り行うのであった。
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