異世界召喚された俺は余分な子でした

KeyBow

文字の大きさ
上 下
249 / 567
第1章

第248話 夢の中の彼女

しおりを挟む
 ふと目覚めると俺は床で寝ていた。
 顔を洗い朝食を食べる。ぼーっとしていたが段々と意識がはっきりしてきた。
 そう、ヒロミを失ったのだ。まさかの事態だ。
 一人で落ち込みながら食べ物を無理矢理に喉へと押し込む。食べ終わると体の調子を確かめたりしていた。まだ頭が回っていない。

 シェルターの入り口にはヒロミの装備が転がっており、取り敢えず収納に入れようとした時にふと気が付いた。

 後で処分しようとして処分していなかった、じゃなくてすっかり忘れていたヒロミの腕が確か有った筈だと思い出した。その為、収納を確認する、あっさりと見つかったのだ。

 思わず小躍りして涙が出た。

「ふははははは!有るじゃないかぁ!体の一部があぁ!欠損修復で再生しちゃる!あんた何度死ねば気が済むんだよ!」

 気が付くとそう叫んでいた。復活出来る筈だと確信したからだ。蘇生を行うと俺は気絶すると思うから、ヒロミの食事と着替え、風呂に入るかもだからバスタオル等も準備しておいた。そして嫌味ったらしい内容のメモを置いておく。

 死んでしまうとは何事ぢゃー!俺がいなかったら本当に死んどるぞ!生き返らせちゃるからありがたく思えよ!ふふふふふ。

 P.S 気絶している俺の体を労るように。魔力切れで気絶している筈だからね!

 こんな感じだ。

 そして欠損修復を行う直前に、人間だった時の体を思い描くとどうなるかと想い、まずは今の部位のみの欠損修復を行う。すると妙に細い人間の体の一部に変質した。念の為、半分に切断して半分は収納に入れた。万が一の時に再チャレンジする為にだ。
 そうして欠損修復と蘇生を同時に行う決断をする。
 出来る筈だと認識し、本格的な欠損修復を開始する。一気に魔力が吸い取られ、欠損修復の段階で意識が朦朧としている。細身の体が出来つつある。

「ヒロミって小柄だったんだな」

 そうぼやいていた。そして意識が本格的に朦朧としてきたが、ある程度欠損修復も進んできたので死者蘇生を行った。やはり残りの魔力がぐいっと吸われ、俺は口から血を吹き出しながら気絶していった。負担が大き過ぎたのだ。

 俺は夢を見ていたようだ。泣いている彼女が俺を抱きしめて感謝をしているのだが、何故か裸だった。

 また現れてくれたんだな!夢だけど俺は喜んでいた。
 キスをされまくり、俺もその唇を貪った。
 10分以上が過ぎたが、いつもと違いまだいてくれた。
 そうか夢だからだよな!?と思う不思議な状況だ。

 彼女と致し始めようとするとまだ駄目と言われた。今合体したら刻印が失敗すると言われ、俺は引いた。

「貴方はまだ魔力の枯渇の影響下にあるのだから、ちゃんと休んでください!愛しているわ」

 そう言われ、彼女は膝枕をしてくれた。俺は優しく頭を撫でられていた。裸の女に膝枕をされているのだから絶景だ。手を伸ばすとぴしゃっと手を叩かれた。大人しくしろ!と言わんばかりで無言だが怒られた。だが、俺は諦めない。せめてと思い、目視で堪能していると、彼女は子守唄を歌い出した。まるで母親に抱かれているかのような心地良さに瞼が段々と閉じていき、やがて再びブラックアウトした。

 そして夢が終わってしまい、本格的な眠りについたので有った。






宣伝です。



ざまぁから始まるモブの成り上がり!~現実とゲームは違うのだよ!~


https://www.alphapolis.co.jp/novel/440688029/341624301


GWに向けて書いてきた新作を公開しました。

ブクマをどうか宜しくお願いします。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...