異世界召喚された俺は余分な子でした

KeyBow

文字の大きさ
上 下
239 / 567
第1章

第238話 おっさんとの再会

しおりを挟む
 扉をくぐると、こたつ?に座ったおっさんが麺を食べている真っ最中だった。

「ひさしいのう!こじょう!ようひゃくきたか」

 食べながら喋るのではっきり聞こえない。

「なあおっさん、口に物を入れて喋るなって母ちゃんに教わらなかったか?」

「うむ。ちょっと待っておれ。そこの綺麗な姉さん、悪いがそこの飲み物を取ってくれんかのう」

 レニスが手元にあるポットを取り、グラスに注いであげると、おっさんのちっと言う声が聞こえ、レニスがドヤ顔をした。

「残念ね!おじさま!ランスの言う通りね。事前に鎧を着てましてよ。私レニスのお尻を触っても良いのはランスだけなの。めっ!」

「ほう、主が扇情か?しかしそんな格好じゃない筈だろう?着替えを要求するうぅ!」

「はあ、どこかのイメクラじゃないんだからな。そろそろ起きてくれよ!」

「そうじゃな。そろそろ真面目にするかのぅ」

 そうやって立ち上がると、おっさんは身の丈3m位のオークのいかつい感じの王者だ。その辺の奴らとは貫禄が違う。

 俺はそらよ!っとの掛け声と共に先の変化の衣を投げてやった。

「人間を指定して身長を俺位でイメージしてから魔力を込めてみな。俺からのプレゼントだ」

 おっさん改めヴォルガンが衣というかマントを羽織り、魔力を込めると、俺より少し身長の高い嫌味な位のイケメンがそこに現れた。

 鏡を渡してやると、ふむふむと言いながらレニスを見た。

「惚れても良いのじゃぞ?」

「あら残念ね。ランスと会う前で私よりおじさまの方が強かったら靡いたかもね!うふふ。既にランスの刻印を頂いているのよ」

 レニスの方があしらい上手だった。

 おっさんはあくびをし、お尻をボリボリとかいている。

「さて、そろそろ出るか。ここから外に行けるでな。まずは外に出てお主の館か城に行き話しを聞こうか。ここは狭いのでな」

 するとそんなんあったのかといった感じだが、奥の扉を開けると手振りで皆にその扉をくぐらせて外に出させた。そして最後に俺とおっさんの2人になった。

「宜しくなおっさん」

「うむ。足を引っ張るなよ小僧」

 そう言い、握手をした。

 その瞬間、俺の頭の中でエラーメッセージが聞こえた。

「エラー発生!本来いない筈の異世界の者に触れました。このダンジョンは崩壊しました」

 意味不明なアナウンスが聞こえたかと思うと入り口が消えた。それどころか真っ暗であり、落下感がある。夜目が利くのでおっさんを探すと俺より下に落下中だ。

「おっさん飛べないのか?」

「そうだ、不味いぞ!このまま下に叩きつけられるとさすがの儂もお陀仏だぞ!」

「ちょっと待っていろ、今行くから」

 俺は空気抵抗がないようダイブし、おっさんに向かったが、なんとかキャッチをした。

「よし捕まえた。男にしがみつかれるのは嫌だが、今回は仕方がない。しっかり掴まってくれ」

 そして飛翔を使ったが、重量オーバーだ。妻達は軽いから問題がないが、こいつは多分400kgは越えている。落下の勢いはかなり消したが、完全には勢いは消えない。

 そうすると底が見えてきた。俺は咄嗟におっさんに抱き抱えられ、地面に激突したその時の衝撃にて意識を失ったのであった。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...