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第1章

第234話 チャカデイ

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 今日の俺は朝食の後にチャカとのデートの為にお出掛けをするのだが、さて困った。どこに行っても目立つから下手に店に寄れないのだ。

「なあ今日どこか行きたい所とか有るか?」

「ランスと一緒ならどこでも良いのよ。ふふふ有名人だと大変ね!」

 俺はその一言で思いついた。人のいない所へ行こうと。

「じゃあ俺の心の赴くままで良いよね!?」

「あら?何処に連れて行ってくれるのかしら?楽しみだわ」

「さあってどうしよっかな?さて行きますか!」

 そう言うとチャカをお姫様抱っこし、短いキャッという唸り声を聞きながら飛んだ。そう、ひたすら高い上空へ。

 そこからこれから落下していくよ!と説明し、スカイダイビングを始める。チャカは意味が分からず唖然としながらキャーキャーと叫ぶだけだが、志郎は楽しかったのだ。

 地面にあと少しと言う所でチャカを後ろから抱きしめる形でキャッチし、再び上空へと飛び、背面飛行で空を見せたり、普通に飛んだりする。
 そしてどこかの湖を見つけたのでそこに降りる。

 そこは人里離れた綺麗な湖で、ベンチを出して暫くただただ眺めていた。

 そして2人共裸になり、湖に入り泳いでいる。
 チャカの体は美しかった。よく見ると剣のだろうか、矢のだろうか、傷があちこちにある。

 どちらからともなくキスをしていく。
 そして湖畔にベッドを出してそこに座らせて、俺は黙って後ろに回り、首にそっとネックレスを着ける。真っ赤な宝石の周りをダイヤがさり気なく飾っている上品なデザインだ。
 うっとりとそのネックレスを見つめるチャカにプロポーズと、恥ずかしい位の愛を囁く。

 言葉は要らないのだ。言わずともわかりあえるのだが、敢えて言葉に出す。

 もう一度キスをし、やがて一つになっていく。そんな中傷を欠損修復で消していき、チャカの感動はそれは俺も泣ける位の反応だった。

 その後俺の部屋にゲートで帰り、暫くチャカの寝顔を見ていたが、俺も眠りに落ちていくのであった。

 チャカは意外とお淑やかだったが、かなりの無理をするタイプだ。

 今まで色々大変だったので、漸く甘える事が出来て、大いに甘えてきており子猫のようで可愛かった。

 キリッとした麗人だが、俺の前ではうぶな女の子だった。

 翌朝俺は目が覚めて起き上がると先ずはチャカの刻印を確認した。
 刻印がちゃんと有り満足する。

 チャカは控えめに言ってくたびれていた。復興の最前線で今は活躍をしているが、俺が城を取り戻すまで城の封鎖と魂食いの殲滅にとても苦労していたのだ。

 チャカは本来優しくて面倒見の良い闊達な性格だ。
 友人知人、同僚を次々に亡くし、騎士団が壊滅して行き、生き残りを纏めて何とか城を包囲して魂喰いの封じ込めに成功していた。
 そう、戦略に長ける軍略家でもあるのだ。
 以前俺に仕掛けてきたのは実力を見たかっただけで、特段武力に自信がある訳ではなかった。
 一般兵士よりは強いが、といったレベルだ。彼女の価値はその知能だ。

 今の彼女は白髪だ。恐怖と苦労して兵を纏めた気苦労から一気に白くなったという。
 彼女に好みの髪の色を聞いたら緑だという。
 俺は欠損修復で髪を緑に思い浮かべて発動すると、鮮やかな緑になった。

 彼女は大いに喜んでいた。今の彼女はショートカットだ。
 以前は長かったが、この戦いにおいて邪魔だと切ったのだと。

 まあ似合っているから良しとする。

 今日は一日ゆっくりするようにし、シューマン山へ俺は先行しているセリカに連れて行ってもらう。
 残りは5ヶ月位だろうか。
 段々色気が出てきているが、彼女が憧れる大人の女性にはまだなれていない。

 朝少し早いので各所へ回ってキスをして回る。
 実は嫌な予感がしてならず、朝の早いうちから各総督と話をしたりしていた。

 特にクレアは今日出掛けないでとお願いしてきたが、親子で少し一緒に過ごし落ち着いてもらった。
 予知夢を…見た訳ではないという。

 そんなこんなで皆と食事をし、セレナ達とダンジョン訪問組と一緒におっさんに会いに行く準備を始めたのであった。



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