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第6章

第213話 絶望と死そして終わり

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 いきなりだが俺達は今、100階層のボス部屋に来ているのだが、俺は余裕ぶっていた。まあ90階層のようにやれば良いよな!程度にしか思っていなかった。

 ボス部屋はいつものような部屋だ。

 ボスをアイスウォールで囲み、中にアイスウォールを出しまくってお湯を注ぎ3分待つ。

 じゃなくて顕現完了と共に次元刀を使う。終わったなと思うと異変があった。奴が生きていて、次元刀を使ったようだ。

 そうすると俺とアリゾナ、クレア以外が倒れた。皆首を切断されており、俺はショックで愕然とした。

 そしてアイスウォールが掻き消された。

 出てきたのは身の丈4mを超すミノタウロスだ。
 俺は怒りまくって強引に斬り結ぶ。

 数合打ち合うと俺は吹き飛ばされて頭を打ちつけて悶絶する。
 アリゾナとクレアが戦っていたが、俺が立ち上がるとアリゾナが袈裟掛けに斬られて即死。そして返す一振りでクレアの胴体が引き千切られた。
 俺は怒りに我を忘れて斬り結ぶが、向こうの方が強かった。
 俺は2度目の次元刀を使うも、奴には効かなかった。
 最終手段に出る事にした。奴の後ろに転移し、時間停止を使って首を刎ね、その場から離れると決着した事が分かる。
 そして幼児退行をしてしまった。
 どれ位時間が経ったのだろうか?意識を取り戻すもそこには宝箱が有るだけだった。
 皆がいないのだ。何故俺は一人ぼっちなのか思い出せないが、無性に涙が出てくる。

 猛烈に眠くなり、意識を失う前に思いだした。皆が死んだのだと。俺は絶望を感じ、妻達を守れなかった悲しみに涙を流しながら自らの首をライトソードで切り落としたのだった。そして徐々に意識が遠のき、ブラックアウトした。

 享年45歳 妻達と共に逝くが、意識の最後は、セレナと致したかったな!と思う腐れ外道だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・

 朝になりいつものように目が覚めた。
 妙にリアルな夢を見た気がする。
 食事をして出撃準備をしていたが、何故かネックレスが壊れていた。

「なんで壊れたんだろう?流石に寝ている時に襲われてはいないぞ?」

 首を傾けながら呟き、代わりとなる身代わりのネックレスを出して身に着けた。

 100階層に向かったが、俺はおかしいなと感じた。
 どのような魔物がどの位置に出現するのかが予測出来ていたのだ。と言うよりもデジャブなのだ。

 アリゾナに似たような感じの魔物の出没があったかと聞くも、今あるフロアと似たのはないという。
 気の所為だろうか?
  
 思う所はあったがさくさく進み、100階層に来た。
 嫌な予感しかしない。
 俺は皆をコーナーに下がらせ、クレアとアリゾナを前に立たせ、更にクレアにアンタレスを貸し出して皆を守らせる。
 あれは予知夢だったのだろうか?夢では皆が奴に首を切断された。ただ2人には次元刀が効かなかったから、あの通りなら効果がある筈だ。

 皆には試したい事があると説明し、コーナーに向かわせた。俺はアイスウォールを奴の胸の高さまで出して、中をファイヤーウォールだらけにした。そしてライトソードを出して頭の位置に出しておく。

 そうすると奴の顕現が完了したが、いつもの奴と違い顕現の後の暇がなく、即次元刀を出してきた。距離があっても届くらしく、アリゾナとクレアが辛うじて防いでくれたので皆が守られた。俺のライトソードは奴の脳天に刺さっているが死なない。そのまま俺は縦に切り裂き、夢中で細切れにしたが、やはり見覚えのある奴だった。

 ファイヤーウォールでかなり弱っており、それで倒す事が出来た。顕現と同時に次元刀を発動していた可能性がある。
 それ以外は即動かなかったので顕現時の暇で倒す事が出来たようだ。
 知っていればどうという事はなかったのだが、初見ではナンシー達を守れなかっただろう。

 ドロップは同じデザインの女性用の衣5着だ。このダンジョンのボスドロップは防具中心だ。
 ふと身代わりの石を見るとまたもや壊れていた。心当たりがなく、この先に不安を残した。先日のスタンピードの時に100個以上ゲットしているから今の所困る事はないが、俺は不安だった。あのボスはこの世界の奴じゃないよな?と。

 そうしていると扉の出現が今までとは違っており、コアのある部屋へと続く扉が出現するパターンだった。
 扉を開けるとやはりコアがあり、新たなドロップがないので皆に戦闘準備をさせ、俺を中心に円陣を組む形でコアを回収した。

 一瞬輝き、光が消えるとやはりそこはダンジョンの外だ。近くでドゴーンと大きな音がした。どうやら俺が入り口を塞ぐ為に出していたアースウォールが倒れた音だ。

ダンジョンがなくなったが、それまで入口に出したアースウォールをダンジョンの一部が支える形になっていたようで、支えを失くしたアースウォールが地面に倒れた音だった。

俺も一瞬びくんとなったが、周りを見ると早馬に跨った騎士が数名おり、確認すると入り口から魔物が出てきたら町に知らせに行く見張りだった。俺達がダンジョンに入ってからは新たに魔物は出てこなかったという。

 俺は緊張が解けたからか、ある衝動に駆られ、我慢できなくなってきた。時間停止の反動が今来たのだ。理性があるうちにボレロの城にゲートを出し、騎士共々帰投した。皆をカービングの屋敷に一旦送り、ドロシーとメイベルのみを連れてワーグナーの屋敷に向かった。クロエに念話をして至急寝室に来るよう伝えるのが精一杯だった。

 寝室に辿り着くと俺は安心したのか即時にブラックアウトした。

 後で聞いたのと、何となく覚えてはいるがクロエ達一部の知っているメンバー以外にはとてもではないが言えないような酷い状態だったという。

 バブー(^_^;)・・・・
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