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第6章

第209話 幼児退行

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 俺はぐわぁーと叫びながら意識を取り戻した。
 傍らにはナンシーとミザリイがいるが、痛くて話し掛ける所ではなかった。

 激痛により意識が朦朧としており、程なくして再び気絶した。

 再び目覚めるがやはり痛みで悶絶し、意識が朦朧としていた。

「母ちゃん痛いよ!痛いよ!痛いよ!ママ助けて!」

 そんなふうに叫んでいたと聞いた。皆とてもではないが俺の辛そうな姿を見ていられなかったと。また、意識が朦朧としている関係からか支離滅裂になっていたと後で聞かされた。


 ミザリィが胸を開けた。

「はい坊や、おっぱいでちゅよ」

 そう言うと俺の口に乳首を含ませる。

 俺は夢中で乳首を吸う。まるで赤ん坊の様に一心不乱に。ミザリィによると吸う力がかなり強く物凄く痛かったらしい。だが彼女が呻く事は一切なかったらしい。

 赤ちゃんプレイではなく、スキル使用の反動がこれだ。そう、完全な幼児退行だった。

 クロエやドロシーと赤ちゃんプレイをしていたのも、スキルの実験後の幼児退行での赤ちゃんプレイに成っていた。

 数日で元に戻るのだが、スキルを使う度に痛みも退行具合も酷くなっている気がする。

 我慢出来ず幼児退行に逃げてしまった。

 幼児退行をして、おっぱいをしゃぶって赤ちゃんの様にしていると、痛みが引くのだ。

 痛み具合だが、例えばナイフで刺され、更に傷口に塩を塗られてグリグリと複数箇所されている位辛い。

 それ程の痛みに際限なく襲われるのだ!逃げ道が有れば逃げるよね?

 ナンシーはミザリィと交代でそんな俺に付き合ってくれた。

 部屋には他の者を入れさせなかった。シェリーなんかはショックで死に兼ねないとして、今の段階ではナンシーが入室を禁じた。

 おまけに色々漏らしてしまっていた。

 2人とも泣いていたが、俺の相手をする時は笑顔を絶やさない。泣いていたのは俺が苦しんでいる事に対してだ。

 痛みと退行を何度も繰り返し、本格的な眠りに落ちていった。

 どれ位気絶していたか分からないがふと目が覚めた。そして何があったのか段々と思い出して行く。

 確か時間停止のスキルを使った筈だが、今は痛みがない。
 一緒に寝ているナンシーとミザリイの乳房が露になっていて、乳首の周りが明らかに腫れている。

 多分2人の乳首をずっと吸っていたのだろう。

 ヒールをそっと掛ける。
 またまたまたまた吸いたい衝動に駆られるも、何とか踏みとどまる。衝動に負けるとまた退行してしまうかもと怖かった。

 そして強烈に腹が減っているのと、下着が濡れている。
 自分にクリーンを掛けて綺麗にする。

 多分かなり酷い幼児退行をしていて、2人の乳首を吸い続けた筈だ。
 しかし、あまり覚えていない。いや、全くだ。

 このようになるので封印したのだ。
 物凄い反則技で、それこそ必殺技なのだが、反動が酷過ぎて使いたくなかった。気の所為か時間停止を使う度に反動が酷くなっているような気がしている。

 今は夜中だ。悪いとは思うがナンシーを抱き締めて起こした。

「すまなかった。あのスキルの反動は幼児退行で、記憶も無くなるから封印していたんだ。あれを使うと暫くの間俺は幼児退行すると思う。つまり赤ちゃんプレイを求めると思う。あくまでもスキルの反動だから。所でボスを倒した後の記憶がすっかり無いのだけれども、誰かを蘇生していたような気がするんだ。どうなった?」

「彼女の首が切断されたの。私は死にこそしなかったけれども、下半身を切断されたわ。恐ろしいのは、斬られた認識がなく、いきなり切断されていたの。ミザリイも気が付いたら頭が落下し、床を転げていたと言うのよ」   

 アリゾナと同じだ。
 死んだのはミザリイか。しかし蘇生が出来ていてほっとする。

「ちょっと何か食べてくるよ」

 ダイニングでテーブルに座り、適当に出した食べ物を食べているとミザリィが飲み物を入れてくれた。

「起こしちゃったか。悪いな」

「ありがとうね。私、死んだんだってね。ランスのお陰でまた救われちゃったね」

「お互い様だから気にしないで。俺の方こそ迷惑を掛けたね。痛かっただろう?」

「ふふふ。大きな赤ん坊ね」

「時々甘えさせてね。知っているのはナンシー、クロエ、ドロシー、メイベルだけだったんだ。だから他には言わないでね」

 ミザリィは頷きながら俺を見つめる。
 そして黙って俺が食べるのを待っている。

 明日からの事を考えると頭が痛い。万全を期す事を考えると、また時間停止を使わなくてはならないと考えていた。

 お茶を一緒に飲んで、それから2人でお風呂に入った。部屋に戻りナンシーとミザリィの2人と語り合い、色々な事をしたので程よく疲れ、それからは流石にもう一度眠りについたのだった。
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