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第6章
第199話 刻印の成否
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俺は朝の微睡みの中目が覚めた。
朝日が心地よい。
傍らには愛する女性がいる事を魂が感じている。
そして頭を撫でられていた。
段々意識が覚醒してきた。
がばっと起きてメイベルを確認すると、キスをしてくる。
ステータスを視ようとすると話し掛けられたりして、中々視れない。ちょっと焦ってきた。
「おはようメイベル。刻印はどうなった?」
「えーっとね、あのね、その、ちゃんとランスロット様の物になりましたよ?」
微妙な言い回しだ。
夜中に目覚めた時は3時間しか経過していなかった為、まだ刻印が完成していなかったから気が気ではなかった。
しかしステータスを視るとちゃんと印表示があり、念話もできた。
おもわず抱きしめて泣いた。
「良かった。刻印が失敗した夢を見たんだ。絶望的だったんだ。君だけが老いて朽ちて行くのを見なければならない所だった。共に生きていこうな」
メイベルは俺の態度にかなり驚いており、きょとんとしていて可愛らしい。
そして俺は絶賛甘え中だ。
暫く戯れていると、メイドが朝食の準備が出来た旨をドア越しに伝えていった。
食堂にメイベルを伴って行くと、女性陣が拍手で迎えてくれた。
「メイベルおめでとう!」
メイベルは泣いていた。
俺も泣きたい。嵌められたからと。今回は肝を冷やしたのだ。入れ替わりに完全に気が付かなかった。生娘だから合体した時に気が付いたが、そうではなかったら気が付かなかっただろう。
彼女達は完全に見た目が一緒だ。アリアとロトナは胸の大きさが違うから分かり易い。しかし、ドロシーとメイベルは性格は違うのだが、演技がはいるとまるで分からなくなる。
この2人は幼少の頃から頻繁に入れ替わっており、年季が違う。
食事の後、2人を執務室に呼んでいた。
俺は2人を正座させた。
「分かっているのか?刻印の儀が失敗する所だったんだよ。悪戯では済まない所だったんだ。分かっているよね?」
2人はしょんぼりしている。余り責めても仕方がないので、程々にして開放する事にした。
「今後俺に対する入れ替わりは寝室以外ではダメです。いいね?」
「ごめんなさい。反省しています。今度お詫びをちゃんとします」
俺の左右に立ち、ステレオで喋るから、堪らない。
俺はキスをして許してあげた。因みにお詫びとは何だろう?ちょっと期待してしまう。
そして皆を執務室に呼んで今日の話をする。
クロエは留守番、他の者は皆カービングに行く。クロエには今晩留守番をお願いした事のお詫びをする。
そして王と面談だ。
ゲートを出して城に向かう。
メイベルを自分の部屋に連れて行き、ベットに寝かせた。今日は1日辛い筈なので、セチアを付き添わせた。
カービングの町は酷くやられていた。王都の人口は300万人位と言われている。いわれているというのはきちんとした統計がないからだ。100万かも分からない。きちんとした国籍の制度を作らないとなと思う。
ただ、今回の事で10万人以上が亡くなったらしい。
街の復旧と魔物の殲滅、死体の回収と結構忙しい。
カービングの兵は死体の処理、ワーグナーの兵で魔物の討伐だ。その為、昨夜返した兵とは別の兵をゲートで連れてきている。
今回の魔物の魔石の俺達の取り分は復興及び、亡くなった方の見舞金に充てて貰う。幸いギルドは無事だったから魔石を持ち込んだ。ダンジョン攻略分は追加の特別依頼となる。
多くの貴族もまた亡くなっていた。そんな中の貴族の一人で、スタンピードが始まった時、王からの招集令に背いて逃亡を図った者がいた。しかし、無理矢理外に出た途端に魔物の群れと対面したという。当主がそうやって死んだのもあり、既に取り潰しが決まっているのだ。その貴族の屋敷を取り敢えず俺の屋敷にどうぞと言う。メイドや執事はそのまま雇用すればよいかと思う。因みに国王の従兄弟だとか。
しかし大きな問題があるというのだ。
取り潰しの理由は、逃亡だけではなく、屋敷に行けば分かるという。だが、王はそれを聞いた俺の事を思うと怖くて言えないと言うのだ。それと出来れば急いで欲しいと言う。王も知らされたのはつい一時間前の事だという。
他に色々やらなければいけない事が多いが、まずはその屋敷に行く事とした。
それと王権譲渡の儀式は、1週間後を目処に執り行う事となった。復興の状況次第だが、明るい話題も必要なので敢えてすると言う。
ドロシー、アリア、ロトナ、オリヴィア、バトルシップ、ユリア、護衛としてラニーニャを連れて件の屋敷に赴く。
屋敷は立派な外観で、皇帝の住まいとしても問題ないと王が言っていただけの事はあり、白亜の宮殿風の屋敷だ。
3階建で紅の屋敷の倍位ありそうだ。因みにワーグナーの皇帝の居として建築中の屋敷は更に大きいという。設計にクロエが意見を出しているから、まあ間違いはないだろう。
まずは執務室と主の居室を見る。そして寝室だ。
特に問題はない。既に布団は入れ替えてあるという。
風呂や食堂等とても良かった。大きなホールもあり、舞踏会が開催できるというよりも、頻繁に開催していたという。
俺は首を傾げた。何が問題なのか?と。屋敷の殆どを見た筈だが分からなかった。
執事がおどおどしながら進言してきた。
「ご主人様、問題はこの地下室でございます。今回前の主が亡くなるまで私も入室を禁じられておりました。それだけを覚えて頂ければ幸いです。一緒に行くのは心が強い方でなければ無理でございます」
執事はロトナ、アリア、ユリアに目を向ける。俺は大体の予測を付けた。なのでいま指摘された3人には居室の確認をさせるようにした。
そして覚悟を決め、地下室に降りていくのであった。
朝日が心地よい。
傍らには愛する女性がいる事を魂が感じている。
そして頭を撫でられていた。
段々意識が覚醒してきた。
がばっと起きてメイベルを確認すると、キスをしてくる。
ステータスを視ようとすると話し掛けられたりして、中々視れない。ちょっと焦ってきた。
「おはようメイベル。刻印はどうなった?」
「えーっとね、あのね、その、ちゃんとランスロット様の物になりましたよ?」
微妙な言い回しだ。
夜中に目覚めた時は3時間しか経過していなかった為、まだ刻印が完成していなかったから気が気ではなかった。
しかしステータスを視るとちゃんと印表示があり、念話もできた。
おもわず抱きしめて泣いた。
「良かった。刻印が失敗した夢を見たんだ。絶望的だったんだ。君だけが老いて朽ちて行くのを見なければならない所だった。共に生きていこうな」
メイベルは俺の態度にかなり驚いており、きょとんとしていて可愛らしい。
そして俺は絶賛甘え中だ。
暫く戯れていると、メイドが朝食の準備が出来た旨をドア越しに伝えていった。
食堂にメイベルを伴って行くと、女性陣が拍手で迎えてくれた。
「メイベルおめでとう!」
メイベルは泣いていた。
俺も泣きたい。嵌められたからと。今回は肝を冷やしたのだ。入れ替わりに完全に気が付かなかった。生娘だから合体した時に気が付いたが、そうではなかったら気が付かなかっただろう。
彼女達は完全に見た目が一緒だ。アリアとロトナは胸の大きさが違うから分かり易い。しかし、ドロシーとメイベルは性格は違うのだが、演技がはいるとまるで分からなくなる。
この2人は幼少の頃から頻繁に入れ替わっており、年季が違う。
食事の後、2人を執務室に呼んでいた。
俺は2人を正座させた。
「分かっているのか?刻印の儀が失敗する所だったんだよ。悪戯では済まない所だったんだ。分かっているよね?」
2人はしょんぼりしている。余り責めても仕方がないので、程々にして開放する事にした。
「今後俺に対する入れ替わりは寝室以外ではダメです。いいね?」
「ごめんなさい。反省しています。今度お詫びをちゃんとします」
俺の左右に立ち、ステレオで喋るから、堪らない。
俺はキスをして許してあげた。因みにお詫びとは何だろう?ちょっと期待してしまう。
そして皆を執務室に呼んで今日の話をする。
クロエは留守番、他の者は皆カービングに行く。クロエには今晩留守番をお願いした事のお詫びをする。
そして王と面談だ。
ゲートを出して城に向かう。
メイベルを自分の部屋に連れて行き、ベットに寝かせた。今日は1日辛い筈なので、セチアを付き添わせた。
カービングの町は酷くやられていた。王都の人口は300万人位と言われている。いわれているというのはきちんとした統計がないからだ。100万かも分からない。きちんとした国籍の制度を作らないとなと思う。
ただ、今回の事で10万人以上が亡くなったらしい。
街の復旧と魔物の殲滅、死体の回収と結構忙しい。
カービングの兵は死体の処理、ワーグナーの兵で魔物の討伐だ。その為、昨夜返した兵とは別の兵をゲートで連れてきている。
今回の魔物の魔石の俺達の取り分は復興及び、亡くなった方の見舞金に充てて貰う。幸いギルドは無事だったから魔石を持ち込んだ。ダンジョン攻略分は追加の特別依頼となる。
多くの貴族もまた亡くなっていた。そんな中の貴族の一人で、スタンピードが始まった時、王からの招集令に背いて逃亡を図った者がいた。しかし、無理矢理外に出た途端に魔物の群れと対面したという。当主がそうやって死んだのもあり、既に取り潰しが決まっているのだ。その貴族の屋敷を取り敢えず俺の屋敷にどうぞと言う。メイドや執事はそのまま雇用すればよいかと思う。因みに国王の従兄弟だとか。
しかし大きな問題があるというのだ。
取り潰しの理由は、逃亡だけではなく、屋敷に行けば分かるという。だが、王はそれを聞いた俺の事を思うと怖くて言えないと言うのだ。それと出来れば急いで欲しいと言う。王も知らされたのはつい一時間前の事だという。
他に色々やらなければいけない事が多いが、まずはその屋敷に行く事とした。
それと王権譲渡の儀式は、1週間後を目処に執り行う事となった。復興の状況次第だが、明るい話題も必要なので敢えてすると言う。
ドロシー、アリア、ロトナ、オリヴィア、バトルシップ、ユリア、護衛としてラニーニャを連れて件の屋敷に赴く。
屋敷は立派な外観で、皇帝の住まいとしても問題ないと王が言っていただけの事はあり、白亜の宮殿風の屋敷だ。
3階建で紅の屋敷の倍位ありそうだ。因みにワーグナーの皇帝の居として建築中の屋敷は更に大きいという。設計にクロエが意見を出しているから、まあ間違いはないだろう。
まずは執務室と主の居室を見る。そして寝室だ。
特に問題はない。既に布団は入れ替えてあるという。
風呂や食堂等とても良かった。大きなホールもあり、舞踏会が開催できるというよりも、頻繁に開催していたという。
俺は首を傾げた。何が問題なのか?と。屋敷の殆どを見た筈だが分からなかった。
執事がおどおどしながら進言してきた。
「ご主人様、問題はこの地下室でございます。今回前の主が亡くなるまで私も入室を禁じられておりました。それだけを覚えて頂ければ幸いです。一緒に行くのは心が強い方でなければ無理でございます」
執事はロトナ、アリア、ユリアに目を向ける。俺は大体の予測を付けた。なのでいま指摘された3人には居室の確認をさせるようにした。
そして覚悟を決め、地下室に降りていくのであった。
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