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第6章

第192話 ダンジョンに

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 ダンジョンに着いてから兵を戻す為に一旦ゲートで城に向かう。

 国王が兵の指揮を執る事が可能な為、ワーグナーの兵と連携をして貰うのと、兵達の休む場所の確保をお願いした。混乱していたが体制を立て直し、指揮系統の混乱も収まった。

 その後ダンジョンに向かい直す。俺が戻ると即時にダンジョンに入ったが、ワーグナーで攻略したダンジョンとかなり似ていた。

 姉妹ダンジョンとしか思えなかった。地下へ向かっていく地下型ダンジョンで、恐らく30階層のダンジョンだろう。
 念の為入り口に強目のアースウォールを出し、魔物がダンジョンの外へ簡単には出られないように処置を行った。

1階は岩がゴツゴツした洞窟で、念の為俺とホーネットが先頭、殿にアリゾナだ。

 2階まで殆ど俺が戦う。メイベルのパワーレベリングの為で順調だ。
 オリヴィアにメイベルの護衛をして貰っている。
 メイベルは変わり種で、レイピアを使っている。どうやら突き特化のようだ。

 何事もなくワーグナーの時と同様に進んで行き、10階にさくっと来てしまう。
 オリヴィアにボス戦を任せるも、ボスもあっさり倒してしまう。手から出た光剣の一閃で首が飛んで終わってしまった。
 まるでレーザーブレードだ。俺はついつい宇宙xxギャバンのようだなと思ってしまう。流行ったよね?レーザーブレードって響き。人はそれをライトセイバーとも言うが、俺はレーザーブレード派だ。

 ボスはミノタウロスの亜種だった。ドロップはドラゴニックメイルとミスリルのレイピアだ。強化を施し、メイベルの装備にする。

 今回のダンジョンは最小限の時間で攻略するつもりだ。
 
 因みに食料は一ヶ月分以上が俺の無限収納に入っている。

 10階からは人工の壁と床にしか見えない構造だ。
 まるでウィザードリィのダンジョンのようだ。いや、ザ・ブラックオニキスか。ウツロの街が出て来て、冒険者とすれ違っても俺は何の疑問に思わないぞ!

 誰かネタに反応してくれないかな・・・・・・・・

 脱線したが、皆のレベルは多分カンストしているのだろうな。一部のメンバーを除き、既に2回のスタンピードを経験しているからだ。

 20階層までの間に時折メイベルにも戦わせている。戦闘経験を積む為と戦い方を見たかったからである。

 20階は俺がメインで戦う事とした。先日の事故で2度目の死から蘇った後の己の力を試す為だ。身長が伸びた以外に何かがある筈だからだ。それに、今の自分の実力を把握したかったのだ。

 オリヴィアを見ていいなあと思うと、俺の滾りを反映して出ました。にょきにょきと。大きいのが。肉棒じゃなく光の棒でもなく光剣が!

 ボス戦の最中だがはしゃいでしまった。

「ねえねえ見て見て!俺にも出たよ!かっこいいでしょー!レーザーブレード!うふふふふ!ヒャッホー」

 俺は大いにはしゃいだ。ボスはミノタウロスロードで初めて見る奴だ。本来SSなのだが俺の敵ではなかった。今の俺の戦闘力を確かめるのにレーザーブレード改めライトソードで斬り掛かる。
 魔力を光る剣に変えるのだ。まさに俺向きだ。ミノタウロスの剣をまるでバターを切るように切り裂いて、アッと言う間に腕を切り裂く。高温になっており切った所がそのまま焼けて止血されるので、あまり血が出ない。

 心臓を突き刺すも、ライトソードにて焼き切るので血が殆ど出ない。これはいい。今まで返り血で結構凄惨な光景を見てきているだけに有り難い。

 まだ動くので首を刎ねて決着した。

 魔力の消費量が洒落にならない。威力はかなり有り、試しにミスリルのロングソードを切ってみると、抵抗がなくまるでバナナを包丁で切っている位の切れ味だ。通常の武器ではまず防ぐ事が出来ない。

 常用はきついが、ここぞと言う時には十分使えるのだ。
 イメージをしっかり持って魔力を込めるとその形になる。俺の場合さっきの戦いは剣をイメージした筈だが、無意識だったのか日本刀、それも村正をイメージしていた。試しにあれを思い浮かべるとそういう形になった。女性陣は真っ赤である。

 アリゾナが呆れた声で諭してきた。

「我が主よ、その形は流石にまずいと思いますぞ」

 怒られてしまった。
 まあ俺も流石にまずいなとは思うので、ライトソードの顕現を終わらせた。
 ドロシーにこっそり言われて落ち込んだ。

「滾っておいでなのですね。あ、あのその、メイベルに本物で刻印をしてあげて下さいね。その後私達姉妹を・・・」

 最後の方は聞こえなかった。と言うより理性が保てなくなりそうなので耳を塞いだ。言われた通りで、戦闘後なので滾っているのだ。理性を取り戻すのにドロップを回収し、休憩をする準備を行っていく事とした。

 ドロップはエンジェルアーマー2着とペアのようだ。??性?もう一度見るとホーリーエンジェルアーマー。大きさから俺とオリヴィアが行けそうだ。

 上品な全身鎧で、上品というのは大分遠慮している。神々しいのだ。

 時間は夕方なので今日はここまでだ。
 テントを出して休憩の用意を行い、一度俺とオリヴィアがドロップの鎧を着てみる。鎧を着ようとするとユーザー認証の為に血液を必要とする旨アナウンスが出た。スキルの影響だろうか?血液を1滴垂らすとアナウンスが聞こえた。

「上級天使を認識出来ましたのでユーザー登録を実行しました。これよりハイエンジェル・ランスロットの所有物となりました」

「えっ!俺がハイエンジェルってどういう事だ!」

 オリヴィア呆れて言った。

「今更何を言ってるの?貴方のその体付きはどう見てもハイエンジェルの体よ。私もだけどね。髪といい、あなたが名付けたライトソードのスキルもハイエンジェル種特有の種族限定スキルよ」


「何故だ?俺がどうしてそうなる?」

「多分私達が禁忌を冒したからよ。復活した時に頭の中へ流れてこなかった?」

「何の事だ?」

「まずね、天使は人間との性行為を禁止するというの。私に刻印を行ったのが該当するようなの。一週間の死の試練が与えられ天使の方が、つまり私の方に試練が課せられるの。殆どクリアー出来ない内容なので、実際は処刑なのだけれども、ランスのお陰で私は試練に打ち勝ったの。貴方の刻印の、真の勇者の愛が私を強くしたの。精神攻撃から身を守ってくれたのよ。それがなければ2度と目覚めなかった筈なの。そして試練にクリアーするとハイエンジェルに肉体が生まれ変わるという物なの!封印されていた私の記憶が一部蘇ったわ」


 俺は話に着いて行けず、倒れかかるも誰かが支えてくれた。

「本来私のというか天使の方から送られる魔力を受け入れられる人間はいないの。天使と性行為をすると、天使から人間に大量の魔力が送られ、体が持たず死んでしまうの。だから禁止されていたの。でもね、転移しようとする時に言われたの。禁忌を冒して貴方に愛されて、試練に打ち勝たないと天界もこの世界もいずれ滅ぶと、私達が天使の肉体を得られるかどうかに掛かっていると。僅かな望みを託すとして、送り出した者は己の命を生贄として私を転移させたの。そうしないと転移できないの。元々天使が人間界に転移する術はあったの。だけどね、それには送り出す天使の命を転移装置がというより、転移するのに天使の命を消費しないと無理なの。だから今まで一度も実行されなかったのよ。それと禁止事項の事は封印されていたけれども、復活した時に全てを思い出したの」

 重い話だった。オリヴィアが転移するのに、自らの命をエネルギーとして捧げた者がいるというのだ。俺は涙を流して重圧に震えていた。

 今更だったが、俺はひょっとしてと思い、ステータスを見てみるとなんと見られてしまった。

 名前 ランスロット
 種族 ハイエンジェル(エンペラー)
 年齢 18(45)

 ギフト 
 愛の覇者
 隠蔽(神)
 スキルマスター 7
 ・・・・・・・・
 ここまでだった。これ以上は見るのが怖くて見られなかった。
 種族が変わっている…俺は動揺しまくっていた。
 皆に言われるがままに食事を出し、寝床に引っ張られていき、左右を誰かが添い寝しつつ俺は寝ていった。布団に入った事も、誰かが下着すら着替えさせてくれたのも覚えてはいなかった。勿論見張りの当番の事も何も指示をしていなかった。そして俺は深い深い眠りに落ちていった。
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