上 下
190 / 566
第5章

第189話 再開

しおりを挟む
 復活の翌日ではあったのだが、ワーグナーからカービングへの行軍を再開した。
 1週間ロスしてしまったのだ、流石に少し焦る。
 それはドロシーの妹の事だ。バルバロッサへの輿入れの為、ぼちぼち向かう頃だからだ。

 表向きは愛する妻の妹が人身御供で理不尽に凌辱されるのを阻止する!正義のヒーローだ。

 本音はドロシーと同じ顔の女を他の奴にやらせてたまるか!俺がやるんだ!である。ドロシーが犯かされたのと同一視になるからだ。

 ドロシーのまだ見ぬ妹を欲しいと本気で思う腐れ外道だ。ドロシーは、うん!素晴らしいから、妹もそうだろう!と。

 しかし、俺は抜かりない。
 生娘なら絶対に欲しい。握手すればなんとかなるのさ。
 と、にやけていると馬車の準備を待っているユリアに肘鉄をくらった。中々鋭い。

「あーまた、エッチな事を考えているでしょ!」

 そう、敢然に見透かされていた。

「うん、そうそう、ユリアとの夜伽が楽しみだなあって考えていたんだ。君が欲しいってね」

 真っ赤になりどこかに駆けていく。ユリアは分かりやすい。

 暫くすると馬車が来たので出発となる。俺はトイレに隠れていたユリアをさくっと見つけるとお姫様抱っこをして馬車に乗せた。今日の馬車当番はユリアだからだ。

「なんでこんな短時間で分かるのよー!プンプン」

 などと悔しがっているユリアのお尻をなでながら、窓から皆に手を振っている。
 今日は何故か城まで馬車で向かっていた。

 そしてユリアは真っ赤で恥ずかしがっていたが、城に着いたので俺は何事もなかったかのように馬車を降り、行軍を再開すべくゲートを展開していった。

 道中やはり俺は腐っていたが、ユリアも2人きりで嬉しそうにしている。時々俺の髪を梳くのだ。ユリアの髪もとても綺麗で、流石に清純派の本格的美少女を売りにしていただけの事はあり、ザッツ美少女だ。

 馬車の中でユリアに真面目に求められて、裸になったユリアの体を確認する事になった。痣や折檻を受けた時の傷等が無いかだ。治しきったと思っていると、何処とは言えないが、怒りを覚える箇所にまだ傷があり、欠損修復で治した。彼女はずっと気にしていたようだ。

 治療が終わると、俺は後ろを向いて服を着るのを待った。
 先程はユリアが受けた折檻に怒りを覚え、ユリアの裸体を堪能していなかった。

「あう!少女とはいえ、折角人気ナンバーワンアイドルの裸がそこにあったのに、俺は何をやっているんだ!怒りで覚えてないやん!」

 俺は泣いて心の中で叫んでいた。ユリアがどうしたのと聞いてきたが、つい本音がダダ漏れになってしまった。

「さっき、折角人気アイドルの裸が目の前にあったのに、真面目に診察と治療のみをしてしまい、裸体を堪能しなかったんだ。俺は何をやっているんだろう!と自分をせめたんだ。記憶に残っていないんだよ」

 呆れ顔のユリアが俺に答えた。

「ふふふ。普段下衆だのと言ったり、ハーレム王だのと言われてはいるけど、根は真面目な紳士なのよね。だから、す、好きになっちゃったのよ。そんなに見たいならどうぞ」

 何故か服を脱ぎ出したので慌てて止めた。

「無理しないで。背伸びをしているのは分かるんだから。この国ではともかく、日本じゃ君の歳の子とエッチをしたら文字通り犯罪者だよ。大人の体になるまで待とうね。俺の刻印が刻まれると年齢が固定されるから。ユリアは幻影で見た20歳になるまでお預けの筈だよ。俺の理性が持てばだけどね」

「ぐすん。やっぱり私の事を今は子供としか見ていないのね。だから私の裸を見ても理性的なんでしょ!」

「俺の娘がね、君とほぼ同じ歳なんだよ。15、16歳の子を抱くというのは、俺の娘を抱くようなもんなんだ。だからごめんね。君がちゃんと大人になるまでは君を女性として抱けないと思う。日本人だから娘と重なるんだ」

 俺はユリアに涙を拭かれていた。それと今間違った
認識をしていたのだが、その歳は長男の方だ。

「そっか今はまだ娘扱いだから、私を皆のように抱いてはくれないのね。ショッキングーだなあ。これでも超美少女とか、国民的アイドルとか、だ、抱きたい女のランクに上位で入ってたのに。でも必ず私の魅力でメロメロにしてあげるからね」

 俺はやはり今のユリアと致す事が出来ない。多分如月さんとも同じ理由で致していなかったのだろう

 そういう事もあったが、馬車の旅は順調に進んで行く。
 アリアが考えたローテーションで進んで行き、いよいよあと一日の所にまで来ていた。また、明日はアリアとドロシーが同行する事となっているのであった。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

処理中です...