異世界召喚された俺は余分な子でした

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第5章

第181話 ロトナ

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 ロトナを連れて早速買い食いをしに行った。多分今までに買い食いなんてした事がないのだろうなと思う。
 串焼きを買い、熱いから気をつけろよと言ってから渡すも戸惑っていたので、俺が先に食べ始めた。するとロトナは漸く串焼きを口に入れ、もぐもぐしながら熱いわね!と嬉しそうに唸っていた。

 頬にタレが付いていたので、指で拭ってから俺が舐めとると顔を真っ赤にしていた。

「屋台は初めてか?」

「うん。馬車から見掛けても許されなかったの。熱くて美味しいね」

 いつもは毒味の終わった冷めた食事しか食べさせて貰えなかったと言う。

 手を繋ぐと固まっていた。
 大丈夫かこの子?と言う位にうぶなのだ。こんなんで今夜大丈夫か?と真剣に心配を始めた。あまり時間がないので、今は見晴らしの良い高台に移動して黄昏ている。

 夕焼けに照らされた街並みにうっとりとしていて、キスをしているとやはり顔が赤い。

 ネックレスを取り出し、いつものプロポーズを改めてすると完全に固まったのでネックレスを着けてあげた。

 あううとか言っているので誘惑に負けて暫くモミモミしても反応がないので、最終手段に出た。

 脇腹をこちょこちょしてやったら、流石に戻ってきた。
 このネックレスは緑の宝石が上品で、装着者の清らかさが引き立つ感じのネックレスだ。いつの間にか着けられていたネックレスをうっとりと見つめていたので、似合っているよと褒めてあげた。ロトナは泣いて喜んだ。言えない。義母様が用意してくれただなんて…

 時間になったのでゲートで待ち合わせ場所付近に行き、シカゴ達と合流すると4人でレストランに繰り出した。

 フルコースだったが、流石にロトナは上品に食べるので見直したが、やはり志郎は駄目だった。ロトナに可哀想な子を見る目で見られたのは痛かった。

 そう言えばと名前を知らんなと思い、軽装になった女騎士に聞いた。

「そう言えば君の名前を知らないな」

「これは失礼しました。ラニーニャと申します」

 流石に閣下とか陛下とは言わないのには感心した。

「ロトナはラニーニャの事を見知っているんだっけ?」

「たまにアリアの稽古相手をしているから、見掛けるだけね。でも噂は聞くのよ。自分より弱い奴には靡かないと。ねえシカゴさんに負けて靡いちゃったの?ねえねえ?」

 うわー始まったよと思うも向こうは大人だった。

「ええ、先日の訓練の時にシカゴ様に模擬戦を申し込みましたが、歯が立たずあっという間に喉元に剣先を突きつけられましたわ。自らの傲りを痛感し、シカゴ殿の寡黙で男しい所に惚れたのです。シカゴ殿、私と結婚しては頂けまいか?」

 まさかのプロポーズにロトナは大袈裟におろおろして、キャーとか言って煽っている。勿論おろおろしている振りだ。シカゴが俺の顔を見るので頷くと、ただただラニーニャの手を握り頷いた。 

 ロトナはイヤーンとか、きゃーきゃー遂に姫騎士が落ちたとか言っていた。かなり有名人のようだ。

 2人だけの世界へ完全に逝ってしまっているので、この2人を残し、支払いをして、俺達は先に宿に引き上げた。

 部屋に戻りまずはオリンズの所に行くと、ドアが開いた。声を掛けて中に入ると侍女とオリンズがそこにいた。戦闘中だったが目が合った。だが俺は手を振りそっと部屋を出て行った。丁度シカゴ達が戻ってきたので、今日はラニーニャの部屋に鍵を閉めて過ごせと言い、耳元に部屋で見た光景を伝えると珍しく笑っていた。

 部屋に戻る途中でオリンズが慌てて出てきたのでシカゴの事を伝え、侍女との関係を聞くと、数日前に偶々暴漢に襲われている所を助け、その時の縁で身分を知らないで付き合っていると言う。いや、関係が進みすぎだろ!こんなもんなんかな?

「ちゃんと将来を考えてやれよ。奴隷だから結婚云々と言うなら解放するからな。頑張れよ」

 オリンズの肩を叩いてから部屋に押し戻し、部屋に戻った。ロトナにオリンズと侍女の事を伝えると、彼女は2人の関係を知っていた。

 そして刻印の儀が待っているのだが俺は延期も視野に入れていた。

「ロトナ、大丈夫か?君は余りにピュア過ぎるから心配なんだ、その、町中で手を握っただけでああだったから」

「うん、あ、あ、せにゅね、頑張るからおにぇがおいね!」

 かみかみだったが、まずは風呂を一緒に入り、念入りに洗って上げたです。終始真っ赤で可愛かったっす!

やはりアリアから刻印の儀をする前に体を清める、通称清めの儀があり、俺が洗ってくれる幸せな時間だと、それが一連の所作だと聞いていたようだ。アリアと比べてしまうが、胸の大きさ以外にもやはり別人なんだなと思えた。顔は区別が付かない。

 元々購入した奴隷に不具合がないのかを確認する事なのだが、日記にも有ったが、向こうでもそうなっている。

 いよいよ刻印の儀となり、改めて愛を囁くと頷いたので、優しく抱き締めてから愛していったのだった。
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