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第5章
第176話 戴冠式に挑む前に
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結局俺は戴冠式の少し前まで行軍に同行していた。
ある程度進んた所で兵には休息させて、女性陣を伴い城にゲートで向かった。
予定を変えたのだ。
よくよく考えると、俺のゲートを使えば、戴冠式には皆で参加出来るのだと、今更ながら気が付いたのだ。
既に馬車の中で皆に鎧を着せて貰っており、今は城の待合室にて待機している。
転移してから約2ヶ月でこの展開に、やらかした感でおろおろしているのだが、格好付けの性格から皆に話す事が出来ていないが、クロエには不安である旨をボソリと呟いていたのを聞かれていた。
「いつも自信満々なランスの意外な面を見れて嬉しいわ。私には何でもぶつけて良いのよ。だから一人で抱え込まないでね」
クロエには敵わないな。なんでも見透かされているようです!なので甘えるっす!あ、赤ちゃんプ・・・・・い、今はやめよう。これから大事な式典だ。しかし…何をしたら良いか分からん!
「そう言えばこれからどんなふうにすれば良いんだ?」
「はあぁ!ってラ、ランスロット様、い、今なんて言ったの?まさか、昨日私が説明したのを聞いていないのですか!?」
「あれ?なんか聞いていたっけ?」
「ああ!なんで、なんで、こんな人を好きになったんだろう?あああああ!ください!時間をくださいいイイイイ!」
ロトナが少し壊れてきたけど、“いぢる“のはこの辺にしといてあげよう!狼狽える様も可愛かったしヨカヨカ。
「悪い悪い、冗談だよ冗談!ちゃんと分かっているよ!多分…昨日一生懸命ロトナが説明してくれたからね。ロトナでもちゃんとした話ができるんだなって驚いたけどな」
取り敢えずロトナに覚えた手順を話す。
「バカ!バカ!バカ!バカ!ランスロット様のあんぽんたん!むっつりスケベ!スケコマシ!折角の晴れ舞台だからロトナは頑張ったのに!ねぇ?酷いよー!私の事を何だと思っているのよ!?」
泣き出してしまった。
俺は慌ててロトナを抱きしめた。
「ご、ごめんな。俺が馬鹿だったよ。本番はちゃんとやるからさ、何でもするから許してね!俺も緊張していてさ、ついロトナを弄って困った顔を見て俺の緊張をほぐしたかったんだ。悪い事をしちゃったけど、ロトナの可愛い顔が見れて落ち着いたよ」
パッと明るくなったロトナが質問してくる。
「うん、よろしい!本当に何でもするのよね?」
俺は失言に気が付いたがもう後には引けない。
「お、おう!男に二言はない!けど、俺にも出来ない事もあるからな!可能な事ならな!流石にお月様に行きたいとかは無理だぞ!」
「じゃあ、今晩刻印を刻んで下さいまし。それであれば可能よね!?男に二言はないって言ったわよね!うふふ。アリアとはもうしたんだから、私としない理由はないわよね?」
してやられてしまった。ええやられましたとも。妹に先を越されて焦っているのかな?
「くうう。分かっているよ。俺も男だ!に、二言は無いよ」
ドアがノックされ、どうぞと言うと、兵が現れ戴冠式が始まる旨を言われ、俺以外は皆係の者に誘導されて出ていった。
「僕は後戻りの出来ない状態に追い込まれちゃっているよね?」
俺はかなり弱気だった。そんな呟きを、しかも僕と言っていたのだから。
俺の方にも騎士達が来て、こちらにと誘導されて行く。目的地に着くと、騎士からこの後の事について指示をされた。また、一人は別の所に向かい、俺が予定通りに到着した旨の伝令に行った。
「念の為お伝え致します。司会の者が御入来と告げますと謁見の間の扉が開きますので、開きましたら…」
そして司会の大きな声と共に、扉が開き始めるのだった。
「真の勇者たるランスロット様の御入来ぃーーー!」
俺は頬を二度叩いて気合を入れた。
「しゃあないな?行きますか!儘よ!」
俺は呟き、その広く長い謁見の間を突き進むのであった。顔は毅然とし、歩みも堂々として自信満々な感じに見えるようにしてはいるが、緊張で心臓は今にも破裂しそうだし、面倒臭いなと、馬車の中でアリア達といちゃついていたいのに!と心は沈んでいたのだけれども。
そうして後戻りの出来ない一歩を踏み出すのであった。
ある程度進んた所で兵には休息させて、女性陣を伴い城にゲートで向かった。
予定を変えたのだ。
よくよく考えると、俺のゲートを使えば、戴冠式には皆で参加出来るのだと、今更ながら気が付いたのだ。
既に馬車の中で皆に鎧を着せて貰っており、今は城の待合室にて待機している。
転移してから約2ヶ月でこの展開に、やらかした感でおろおろしているのだが、格好付けの性格から皆に話す事が出来ていないが、クロエには不安である旨をボソリと呟いていたのを聞かれていた。
「いつも自信満々なランスの意外な面を見れて嬉しいわ。私には何でもぶつけて良いのよ。だから一人で抱え込まないでね」
クロエには敵わないな。なんでも見透かされているようです!なので甘えるっす!あ、赤ちゃんプ・・・・・い、今はやめよう。これから大事な式典だ。しかし…何をしたら良いか分からん!
「そう言えばこれからどんなふうにすれば良いんだ?」
「はあぁ!ってラ、ランスロット様、い、今なんて言ったの?まさか、昨日私が説明したのを聞いていないのですか!?」
「あれ?なんか聞いていたっけ?」
「ああ!なんで、なんで、こんな人を好きになったんだろう?あああああ!ください!時間をくださいいイイイイ!」
ロトナが少し壊れてきたけど、“いぢる“のはこの辺にしといてあげよう!狼狽える様も可愛かったしヨカヨカ。
「悪い悪い、冗談だよ冗談!ちゃんと分かっているよ!多分…昨日一生懸命ロトナが説明してくれたからね。ロトナでもちゃんとした話ができるんだなって驚いたけどな」
取り敢えずロトナに覚えた手順を話す。
「バカ!バカ!バカ!バカ!ランスロット様のあんぽんたん!むっつりスケベ!スケコマシ!折角の晴れ舞台だからロトナは頑張ったのに!ねぇ?酷いよー!私の事を何だと思っているのよ!?」
泣き出してしまった。
俺は慌ててロトナを抱きしめた。
「ご、ごめんな。俺が馬鹿だったよ。本番はちゃんとやるからさ、何でもするから許してね!俺も緊張していてさ、ついロトナを弄って困った顔を見て俺の緊張をほぐしたかったんだ。悪い事をしちゃったけど、ロトナの可愛い顔が見れて落ち着いたよ」
パッと明るくなったロトナが質問してくる。
「うん、よろしい!本当に何でもするのよね?」
俺は失言に気が付いたがもう後には引けない。
「お、おう!男に二言はない!けど、俺にも出来ない事もあるからな!可能な事ならな!流石にお月様に行きたいとかは無理だぞ!」
「じゃあ、今晩刻印を刻んで下さいまし。それであれば可能よね!?男に二言はないって言ったわよね!うふふ。アリアとはもうしたんだから、私としない理由はないわよね?」
してやられてしまった。ええやられましたとも。妹に先を越されて焦っているのかな?
「くうう。分かっているよ。俺も男だ!に、二言は無いよ」
ドアがノックされ、どうぞと言うと、兵が現れ戴冠式が始まる旨を言われ、俺以外は皆係の者に誘導されて出ていった。
「僕は後戻りの出来ない状態に追い込まれちゃっているよね?」
俺はかなり弱気だった。そんな呟きを、しかも僕と言っていたのだから。
俺の方にも騎士達が来て、こちらにと誘導されて行く。目的地に着くと、騎士からこの後の事について指示をされた。また、一人は別の所に向かい、俺が予定通りに到着した旨の伝令に行った。
「念の為お伝え致します。司会の者が御入来と告げますと謁見の間の扉が開きますので、開きましたら…」
そして司会の大きな声と共に、扉が開き始めるのだった。
「真の勇者たるランスロット様の御入来ぃーーー!」
俺は頬を二度叩いて気合を入れた。
「しゃあないな?行きますか!儘よ!」
俺は呟き、その広く長い謁見の間を突き進むのであった。顔は毅然とし、歩みも堂々として自信満々な感じに見えるようにしてはいるが、緊張で心臓は今にも破裂しそうだし、面倒臭いなと、馬車の中でアリア達といちゃついていたいのに!と心は沈んでいたのだけれども。
そうして後戻りの出来ない一歩を踏み出すのであった。
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