異世界召喚された俺は余分な子でした

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第5章

第162話 挨拶と王権譲渡の打診

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 屋敷に着くとタオとアレイ殿が3人を出迎えてくれた。既にマクギー殿が来ていて、お姫様3人を紹介してから今日の訓練が始まった。

 俺の上達速度の異常さをお姫様衆が見て驚き、そしてうっとりとした目で見ていて、既に信奉者と言う感じだった。

 アレイ殿も言葉をなくしていたし、クロエも終盤に現われたが、やはり驚いており、信奉者となっていた。

 訓練ももう終わりとなった時に、ギルドから緊急の事案だとしてオリヴィアが駆け付けて話し始めた。

 ダンジョンに活性化が見られ、騎士団より出来たら3日以内に入って欲しいという要請がきた。時折魔物が出てくるが、A級までが時折出て来ていて、余り長くは抑えられないという。

 俺は急遽予定を変更し、明日初心者ダンジョンに潜り、その翌日からダンジョン攻略を開始するとした。

 午後からは装備を整え、アリア達への隷属契約は今晩のうちに行う。

 彼女達も戦いたいといい、冒険者として活動出来る服を買う事になった。防具は城に彼女達用に作られた実用的なのが有るから、それを装着する。他国が攻めてきて城が戦場になった場合を想定していて、王族は基本的に儀礼や式典用と実戦用的な2種類を作ってあるという。

 ダンジョンアタックメンバーは俺、セチア、オリヴィア、ユリア、奴隷4人と言うとアリアが猛烈に同行すると訴え始めた。

「私も連れていってください。多少は剣の訓練を受けております。今回のダンジョン騒ぎは国家の一大事で、父王がしきりに心配しております。王家からせめて誰か一人は同行しなければ、民がついてこなくなり、いずれ内乱を招いてしまいます。私がランスロット様をお慕いしており、片時も離れたくないという訳では有りません。多少の魔法なら使えますし、回復も出来ます。恐らくこれから国王から同様のお願いをされるかと思います」

 意外だった。おっとりとしていると思っていたが、芯のしっかりした女傑のようで、有無を言わせない彼女の話と、その熱い思いに圧倒された形で頷いてしまった。

 ロトナとドロシーは剣の訓練を受けていない為連れていかないとなり、俺がダンジョン攻略をしている間、屋敷を任せたいとお願いして、アリアの部屋の準備もお願いしていた。

 何人かお付きのメイドを連れてくると言うので、俺が雇い主となるそうだ。
 家具は持ち込むらしいので今あるのをメイドさん達に使わせようと考えたのだ。

 クロエは刻印者の関係で念話要員となる。ギルドの要職でダンジョンに長期で入れないので連絡役となった。

 城への食事は稽古後にそのままの格好で来るようにと言われているので、俺とアレイ殿、来られるようならばクロエ、オリヴィア、セチアまで招かれているので、クリーンだけ掛けてゲートを開き食堂へ向かった。

 食堂に行くと王様と王妃様がいたのだが、流石にアリア達の母親だけあって、歳不相応に綺麗な方だったが、挨拶をしようとしたら王妃様に先を越された。

「さあ息子よ席に着いて。まず食べ始めましょう。話は食べながらにしましょうね」

 まるで母親のように言われたので、親類のみの日常の食事扱いで食べながら話が始まった。3人の事を報告すると、やはり3人共に娶って欲しいと王妃と王に懇願さえされた。それとダンジョンの事はアリアの言う通りだとなった。 

 次にロトナとドロシーの時に見た幻影についての話しになったが、過去に誰一人として大陸統一を達成出来ていないと。ただ、少なくともバルバロッサを討ち滅ぼす為に、既にカービング帝国と協議していて、共同で討伐軍の派遣の計画が進んでいると言う。かなり他国と揉めているらしい。

 俺が2国を治めれば大陸一番の大国になるから、ボレロに行く間に近隣の国の統一を考えるように言われてしまい、既に王権を譲渡するつもりだとも言われてしまったのだ。

 ダンジョン攻略をしたら、まずはカービング帝国にドロシーを娶る事の挨拶に向かう。
 恐らく譲渡に応じるだろうと。2国の譲渡の書類と三姫を同行して、勇者の能力を見ればジャックナイフも傘下に入ると予測できるので、ジャックナイフに兵を終結させてボレロに圧力を加え、国王の命の保証や大公にして領主にする確約さえすれば無血占領出来るのではないかと言う。
 その後バルバロッサを包囲すればまず勝てるだろうと。

 話が飛躍しているが、俺としたら一度統一したらバルバロッサ以外は現在の国王を大公にし、領地は現行の領土を与えて自治を認め、街道を整備すれば経済的にも飛躍的に発展し、金回りも良くなる筈だと言う。

 戦争に備えていた軍備費を半減できるので、経済発展に資金を注ぎ込めるのが大きいと言う。税は軍備に回していた分を 集め、バルバロッサ王家を取り潰した分の資金でバルバロッサを直轄にすれば良いという。その為に三宝姫の力が発揮されるし、ボレロにいる妻達の中に元王妃がいるから領地経営は問題ないし、俺のスキルでいつでもゲートで来れるから相談も可能だと言い切る。
 直轄が嫌であれば、周辺国の王子を迎い入れたりし大公に任命して治めさせ、俺が初代皇帝に就任すれば良いという。

 俺自身話についていけてないので先ずは目先の驚異を排除する事に集中し、それらの事はその後、改めて考える事となった。と言えば聞こえが良いが、先送りにして逃げただけなのだ。

 食事を終えて皆で一旦屋敷に行き、部屋を決めてダンジョンに備える事としたのであった。
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