上 下
120 / 566
第4章

第119話 アイテム強化その2

しおりを挟む
 次はエトワールだ。
 彼女には攻撃が当たると30%の確立で隷属化するというとんでもないのを渡した。

「我が主の分身、しかと頂きました。主の剣となり敵を討ち滅ぼしましょう」

 恭しく剣を捧げてくるので、受け取ってから頷いて返した。うっとりと喜んでいるので普段の態度とは違い驚いた。トリップするタイプには見えなかったからだ。

 ミザリィに渡したのは、剣の見える位置が剣の幅2つ分違うというけっこうエグい剣だ。受け流そうとすると、受け止めた筈なのにすり抜けてくる感じになる。なまじ見えている分、見えないより防ぎにくいのだ。

「あら素敵な剣ね。お姉さんにくれるんだ!うん、これは素敵な結婚の贈り物ね。首飾りも嬉しいけど、ランスが強化してくれたこっちの方が断然嬉しいの!私が出来る御礼は子供を産んであげる事位だけど、大事に使うね!ありがとう!愛しているわよ」

 ナンシーがするのと首を傾げる向きが逆な感じで腕を後ろに組んで、胸を強調するあのポーズを決めてきたので、心が見事に撃ち抜かれた。ナンシーと一緒にやったら気絶する自信がある。
 子供の頃からファンタジー物の小説を読み漁り、エルフに憧れている所謂エルフ萌を発症していて、既にミザリィに心を奪われていた。

 次に聖女の衣にハイオークの魔石を使うと+12となる。
 能力付加は元々アンデットが触れる事が出来ない内容で、触れると浄化するだ。魔石で害意ある魔法を術者に反射100%が付与できた。 
 あくまで害意ある魔法の反射なので、フレンドリーファイヤーは防ぐ事は出来ない。防御力が120%アップして、傷が付いても自動で修復される。

「うん、セレナに絶対似合うな!文字通りこれを着たら聖女だよな。渡したら喜ぶかな?」

 呟いたのだが、セレナが聞いていた。

「わあ素敵な衣装ですね!是非着たいです!」

 喜んでいるので、セレナに渡すとその場で着替えた。
 最近分かってきたのか、俺が冒険者として真面目にしている分にはエロい目線が無いので、裸になっても平気だ。
 恥ずかしがられると意識してしまって困るので助かる。だが、勿論筋肉の付き方を見る以外は目を逸しはする。

 白いローブで、青いステッチが上品に入っており、清楚な衣だ。胸元も模様で強調されており、胸が大きく見える。しかし、名前の通りセレナは聖女そのものだ。胸の大きさは制限がなさそうで、術者のサイズに合わせて服のサイズが自動調整された。なのでオーダー服の如くぴったりとなり、体のラインがはっきりと出る衣だが、普通のフルプレートメイルより防御力が高い。

「うん、うん、似合っている!似合っている!セレナが聖女に見える。やっぱりセレナは可愛いよね!」

 褒めるとくねくねしながら赤くなって照れているが、1回転して見せて、スカートもちょこんと持ち上げて貴族がするお辞儀を披露するサービスもしてくれた。不思議な子だが、トリップをしているから暫くは放置で良いだろう。

 次いでアダマンタイトメイルだ。
 不思議な金属で柔らかみがある。
 基本的に上下の鎧で、皮鎧をアダマンタイトにした感じだ。腕は露出しているが、手甲がセットされていて、動きやすい。
 防御力はミスリルのフルプレートメイルと良い勝負だが、動きやすさと軽さ、音がしない点が優れている。

「見た目はちょっとワイルドだよな」

「ランスロット様によく似合うと思いますよ!」

「そ、そ、そうかな?ワイルド過ぎやしないか?北斗〇拳に出てきそうな格好な気がするんだよな。まあ似合うって言ってくれるのだから良いか?」

 呟いてからオーガジェネラルの魔石を使った。
 +13 過去最高だ
 魔力変換ドレインが出た。
 攻撃魔法で攻撃された場合、その魔法を100%無効化する。更にその魔法を魔力に変換し、その魔力は魔石にチャージするか、装着者へ供給する。
 対攻撃魔法のみなので、他の魔法は関係ないのか。ふむふむ。

 俺がそうやっていると、メイドと料理人以外が執務室に入ってきていたのに今更気が付き、さっきからの強化の作業を見られていて恥ずかしかった。

 さっきからおかしいと思ったんだよな。いつの間にか20人位に見つめられていたが、1人しか居ない筈なのに会話をしている時点でおかしいと思わなかったのは、志朗の抜けている所であったりする。

 強化が終わると皆に拘束されて、アダマンタイトメイルを装着させられた。
 野蛮人にしか思えなかったが、伝説の勇者とやらも似たような格好だったと記録が有り、勇者の再来とちやほやされて俺も気分が良くなっていたが、信奉者の目がやばかったので、その目は見なかった事にしようと心に決めた。

 既に21時頃になっていたので、解散してその後1時間位シェリーとの勉強時間になった。今はセレナも一緒に行っている。
 先ずは自分の名前からスタートして、何とかひらがな相当は読める所まで来ていた。

 22時になり解散して休む事となった。

 今日の添い寝当番はアヤメとエトワールだった。
 エトワールには改めて先程の剣のお礼を言われた。

 武器は余るのだが、防具が中々ドロップしなくて、後方支援要員には市販品に強化をしたのしか渡せれてはいない。
 今日は皆にちやほやされており、機嫌良く2人とベッドを共にし、今日の寝つきは良かった。

day33

 朝起きるとまだ2人は寝ていたが、エトワールを起こしてアヤメを起こさないように着替えをする。

 そして裸になったエトワールに断りを入れ、真面目に体をぺたぺたと触り、今の状態を確認し部屋を出てから評価を告げた。

「大分体付きが本来の姿に戻ってきているようだね。でもまだまだだから、決して無理をしないで、今は体力を付けようね!」

 評価を告げたが、実際はまだ肋骨が浮いており、痩せ過ぎている。

 ランニングの時にやたらとこちらを見る奴にすれ違った。5時半頃にしては人が多かったなと思う。

 ランニングにはフレデリカ、セレナ、ナンシー、シェリー、レフトアイ、トリシア、クレア、ニーベルングが付いてきている。

 皆にはシャツの下にスポーツブラの様な下着を着けさせた。先日朝のトレーニングの時にフレデリカの乳首の突起がはっきりとシャツの上からでも見えていたので、俺以外の男に見せたくないからだ。

 屋敷に戻ってからは剣術などの訓練に勤しみ、ひと通り訓練が終わった後に皆で風呂に入り、朝食を済ませて出発になったが、ナンシーはギルドにいく。

 段々と国境が近くなってきており、今日の2つ目の町に着いた所で夕方を迎えたが、この先に国境があるという。
いよいよ国境を超える事になるのだ。

 何時もの如く脇道に入りゲートポイントとした所から屋敷に戻っていった。

 今日はゴブリンとかオーク以外は何も出てこなくて拍子抜けした楽な1日だった。

 明日は国境を越えるので、最小限の屋敷要員としてシータとエリシスを残し、男衆とその妻達を含め全員が馬車に乗り移動する事にした。

 幸い馬車は増えており、基本的に8人乗りの馬車が4台有る。
 ブラックオニキスを1号車、ブラックスワンと調理人、メイド要員を2号車、ムーンストーンが3号車、ムーンライトは分割して1号車と3号車、セバスチャン達4は号車に分乗する。

 帰宅すると夕食の用意を既にしてくれていたので、クリーンで体を綺麗にしてから早速食事を頂いた。
 俺のモットーで来客時以外はメイドも料理人も全て一緒のテーブルに座り食事をしたいのだが、中々定着が難しかった。

 食事を終えると来客が有った。

 普段は俺が最初に風呂を済ませるのだが、今日は来客の為に俺が最後だと伝えたのであった。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

処理中です...