異世界召喚された俺は余分な子でした

第４章

第101話 神扱い

　俺は了解して食堂へ向かったが、手際よく準備がされており、皆既に椅子に座っていた。今回買っていた椅子で足りたようでほっとしたものだ。

　俺が主人なので皆が俺の言葉を待っている。ここは一丁格好良く決めますかと気合を入れて言う。

「改めて俺が皆の主人になったランスロットだ。明日から忙しくなるが、今日は食事の後はゆっくり休んで、体の調子などを整えて欲しい。今後の事だが、全員一度レベルリセットを行い、改めてレベル上げをする。わざわざそのような事をするのは俺の能力で経験値取得が５倍、成長補正も５倍とかなり強くなれるからだ。クリア済みの者は行けないが初心者ダンジョンに入ってレベルを上げて貰い、自身を守る自衛力を確保する。そうだな、ちんけな盗賊程度であれば軽くあしらえるだけの力は欲しいな。なので、メイド要員にも剣を渡す。悪いがアイギスもだ」

　一旦皆を見ると全員頷いたので続ける。

「この後奴隷契約をやり直し、邪魔な首輪を外す。クレア達を見てくれ。彼女達の首輪は俺が外したんだ。そうだ、俺には出来るんだ。まあ今日はこんな形の出会いだけれども、皆には俺と出会った事を感謝できる様に俺自身が頑張る。だからこの家では家族同然に過ごして欲しい。俺は基本的に皆を縛り付けるつもりは殆ど無い。恐らく普通の奴隷の主人とは違うのだろう。今日この出会いと新たな家族が出来た事に感謝をする。酒も出して置いたから飲める者は遠慮無く飲んでくれ。くれぐれも飲めない者に無理に飲ますなよ！それと命令はいやなんだが、今は命令する。今この場に出された食事を皆と一緒に食べる事。それでは頂きます」

　俺が一口食べると皆が食べ出した。俺は手早く食べて、ハンカチを手にし一人一人を回って声を掛け、涙を拭った。あっ男は話を聞くだけだからね！

　女性陣は間にフレデリカ達を入れて新たな奴隷達のみ固まらないようにしておいた。

　皆が話を弾ませてくれている。
　特にダルマにされていた面々は涙の量が多かった。俺が近づくと更に謝辞を言うので、食べ物を口に入れてあげて食べさせたりした。正に餌付けである。何処かで聞いたような気がする。人を従わせるには股間と胃袋を摑むのが一番だと。

　ミザリィの所に行くと逆に俺の口に食べ物を突っ込んできて、更にちょっと説教をされてしまったんですこれが

「これだけの力があるんだから、もっと自分を大きく見せておらおらで行っても良いと思うよ。ランスロット様は優し過ぎます。もっと手荒に扱った方が良いのですよ。あ、その、トップは私が行くので！」

　ちょっと優しすぎるからと怒られた。心当たりが有り過ぎて返す言葉が無かった。
　行くってなんだろう？

　俺も負けじと酒を飲ませてやったら中々行けたようで驚いた。
　食事を終えて一旦ごちそうさまをして、新入りをそのまま座らせた。ナンシーとシェリー、フレデリカを立会人に残して、片付をお願いした。

　そして一人一人に新たな奴隷紋もとい、隷属紋を刻む事により首輪を外して回った。
　男衆がいる前で女性達の服を捲ってしまうと、女性達の肌を晒す事になるが、独占欲の強い俺はそのような事をしたくはないので、服の下から手を突っ込んで胸元へ刻んでいく。

　皆が首を確認し、首輪が外れた事に感謝し、泣く者もいた。明日は全員ギルドにて冒険者登録をし、初心者講習の受講手続き、靴、防具、服の冒険者装備の買い出し及び普段着を始め、生活に必要な買い物をする日とした。 
　今の服はそのまま貰うようにとし、提供してくれた皆にも代わりの服を買う事にした。

　皆を部屋に戻し、ナンシーとシェリー、フレデリカ、リギアを執務室へ呼んでこれからの事を相談した。
　各自の刻印の儀式を終わらせるのが先で、初心者ダンジョンをニーベルングに率いらせて挑む。冒険者もいるし、ニーベルングはまだ初心者ダンジョンへ入っていなかったので丁度良い。幸いこの町にある初心者ダンジョンへは皆入った事が無かった。

　屋敷の運営はシータに責任者となって貰い、実運用はアイギスに任せる。セバスチャンにメイドを任せ、調理人のリムルに食事を一手に任せる。
　メイド長はメイド経験が長いレジアナだ。

　人を管理したり接客をする者としてエリシスを家に置く。
　つまり屋敷の日常の運用の事をシータ、人の配置や来客などの対応時はエリシスに、対ギルドはナンシーに任せようと思う。
　まあこの二人ならB級冒険者が束になっても負ける事は無いだろう。

　それとナンシーは俺の正妻として俺のアドバイザー、シェリーは常に行動を供にする副官での位置付けだ。フレデリカはムーンストーンのリーダーとして別働隊を任せるのだが、新たな奴隷の中からチームをもう一つ作る。その一方をクレアに任せる。これが俺の案だ。
　ブラックスワンはバランス的にも成り立ちからも特に弄らない。

　細かい所は色々有ったが、男衆は３人でパーティーを組ませる事で落ち着いた。
　一通り話が終わり、俺は風呂に入り寝室で休む事にしたのであった。


　寝室にて考えに浸っているとクレアが訪ねてきて、新入りの奴隷の部屋に至急来るように言われた。

　俺は何事かと寝巻きのまま焦って向かった。ベッドに皆が寝ていたが、ミザリィだけはベッドに座って深々とお辞儀をしてくるのであった。