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第3章

第76話 騎士団長チャカハーンとの出合い

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 騎士団の建物に着いたが、まだ少し早かったようだ。
 石作りの3階建ての立派な建物だ。コの字型に建っており、中央に練兵場が有る。
 厩舎が見えないので建物の裏手に有るのかな。

 騎士達が早朝訓練をしていた。
 俺達に気が付いたようで、副団長を名乗る男が挨拶をしにきた。
 40前半で中肉中背。筋肉質な如何にも軍曹みたいな感じだ。
 周りの騎士の視線が冷たい。
 何せ俺が美女7人を引き連れているからだろう。

「このヒモめ」

 野次が聴こえており、若い騎士がちょっかいを出してくる。

「おい兄ちゃん、朝からお盛んだな。昨日はどの娘をうっふんあっはんと言わせていたんだ?」

「だはははは」

 周りの若い騎士が笑っている。

「我が主への狼藉は許せません」

 止せば良いのに、それを見たフレデリカが突っかかり、腰の剣に手を伸ばす。
 俺は左手を挙げて制する。
 副団長が申し訳ないと謝罪するが、俺は若い騎士の挑発に乗ってしまった。

「おい坊や、ここは子供の遊び場じゃないんだ。帰ってママのおっぱいでも吸っていろ」

 在り来たりなせりふだが、挑発する。在り来たりなセリフほど陳腐だが、効果がある。

「てめえ!女の前だからって格好つけてんじゃねえぞ!」

 仮称騎士Aが殴り掛かってきた。
 俺は派手に一本背負いを決めて、周りをしーんとさせた。

 副団長が、あちゃーと言う感じで顔を手で押さえた後、俺にお願いをしてきた。

「良かったら少し打ち込みに付き合ってくれないか?」

 そう言うので頷き、訓練場に行ったが、何故かいつの間にやら先の騎士Aと向き合っていた。

「ほらよ」

 誰かが訓練用の木剣を投げてきた。

「ヴォオオ」

 俺が木剣を掴むと同時に雄叫びをあげながら突っ込んできましたよ!ヴォオオだって!ぷぷぷ

 はっきりいって遅いです!あくびが出そうです!こいつ見習いかな?
 その場を動かず左手で剣をちょいちょいと振る。
 体はナンシー達の方に向けて手を振り、にこやかにしている。横を向いて適当にあしらい、更にわざとらしく鼻をほじって欠伸をする。

 飽きてきたので騎士Aの足を払い、土の上に転がしてやり、おでこに先程ほじった鼻くそをねじ付けてやり、脳天にチョップをくれてやった。

「今のが戦場なら5回は死んでいるぞ。幼年学校から出直してこい!」

 言い放ってやった!決まったな!。俺ってちょっと格好良いかな!?とついつい思う。
 皆唖然としていた。そう、実は彼らの中でも実力が有る者だったのだ。そんな彼が完全に遊ばれていたからだ。

 副団長が手を叩いた。

「もう時間だ、さっさと片付けろ!」

 解散させた。

「彼奴には良い薬になったよ。悪かったな。お前さん俺よりも強いだろう?」

 どうやら己を弁えているようだ。

「さあてどうだろうね。まあこれでも伊達にA級冒険者をしていないつもりなんだよね」

「そうか。今団長を連れてくるからちょっと待っていてくれ。あいつには悪いが、あいつのお陰で恥をかかずに済んだよ」

 そう言って建物の中に入っていった。

 程なくしてから副団長が1人の女騎士を伴って戻ってきた。
 女騎士が俺に近付いて来たが、手を伸ばせば触れられる距離に来ると躊躇なくいきなり俺の股間目掛けて蹴りを放ってきた。殺気がなかったから不意を突かれた。両手をクロスさせてガードする。重い。このスマートな女の何処にこれ程の力があるのか?といった具合だ。少なくともシェリーよりも強い筈だ。

 間髪入れず木剣を振り、俺の首元を狙ってくる。
 20代中頃か、後半位だろうか。俺より10cm位低いが、この世界の女性としてはかなりの身長だ。
 顔はきりっとしていて、セミロングのブロンズ。中々の美人で大人の女性だ。鎧は着ておらず、動きやすい感じの騎士団の制服っぽい。
 スタイルはすらっとしているが、決して小さくない立派な物をお持ちだ。

 いきなり攻撃して来るなんてけしからん。お仕置きをしてやろう!そんなふうに思っている俺の顔は下品に歪んでいるのだろうな。
 30合程度付き合ってやり、そろそろ向こうの体面も保たれると思い、満を辞して遂にゲスモード発動だ!
 段々スピードを上げて、後ろに回りお尻を撫で、耳元にふうっと息をふきかける。

「ぐう」

 呻き声が聞こえるが、間髪入れずに後ろを見ずに後ろ蹴りを繰り出す。危ない危ない。中々やるが、俺の方が上だ。
 その隙に前に回り、しゃがんで下から胸を揉む。剣は口にくわえて持っている。
 攻撃を躱しつつ時折剣で胸をちょこんと突く。
 調子が出て来て剣を弾き飛ばすと後ろに回った。

「モミモミモミモミモミモミ」


 と言いながら後ろから胸を 揉んでやった。

「ああああ」

 意味不明な呻きを発する。怒りで震えているっぽい。
 そのまま後ろから股間に腕を差し入れ、股から腕が伸びてる感じにした。

「にょきっとな」

 そうして中指を立てた。爽快で有る。よく子供と遊んでいる時にやったが、大人には出来る筈もなかったが、やってやった。ぐはははは

 そしてしれっと文句を言った。

「一体何なんだよ!あんたは。いきなり蹴りを繰り出すって物騒じゃないか」

 そう言うとわなわなと震え、涙を浮かべながら毅然と返してきた。

「お前の実力を見ただけだ。今日の訓練に相応しいか否か、この獣が」

「そうか。で?あんた誰よ?」

「失礼した。私は第4騎士団団長のチャカハーンだ。今日は宜しく頼む」

 握手してくるので、わざと左手を添えてやった。ナンシーが顔を押さえて下を向いている。多分わなわなと震えているんだろうな。一瞬幻影が見えた。何故かこの城の前で再会の握手をしている。かなりやつれていて、側に俺に短剣をくれたトマスが立っている。知らない者達が俺の後ろにいる。訳が分からない。彼女は戸惑っているが、彼女も俺の妻の1人になる約束をしていて、俺の横で騎士達を指揮し、この国の城を奪取せんと正規兵を率いている。意味が分からん。

 それよりも握手の仕方に反応したようだ。

「き、貴様、私を愚弄するか」

 つい力が入ってしまい、意図せずに握り返してしまったようだ。

「ほう、握り返してきたか。なんだ?俺のハーレムに入りたいのか?ん?入れてやらんでもないぞ」

 ゲス一直線である。そう言うと首を振る。

「済まんな。既に心に決めた者がいる」

「そうか。まあ気にするな。いきなり襲ってきた分のお返しだ。冗談だよ。でも揉み応え有って良い胸だったぞ!」

 団長より俺の方が強いのだと皆が理解した。

 そうこうしていると時間になり、訓練対象が連れて来られたのであった。
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