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第3章

第56話 刻印の儀スタート

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 屋敷に着いたが、5人が小走りで先に玄関に入って行き、一旦ドアを閉める。そして少し間をおいて玄関ドアを開けると5人が俺を出迎えてくれた。

「お帰りなさいませご主人様」

 そうやって俺を出迎えた。少し小っ恥ずかしかった。

 屋敷に入るとシェリーは風呂の準備をしに行った。
 俺と4人を連れ買った服を各自の部屋へ置いていった。
 そしてリビングで4人に抱きしめられていた。前後左右に挟まれて身動きが出来ない。クレアが代表して話した。彼女達の中で序列が有るようだ。多分金額だろう。

「今日は有難うございました。まさかあのようなご馳走を食べる機会は最早訪れる事はないと思っておりました。大変美味しかったです。服もあり得ないですわ。普通は貫頭服で有り、下着など着る事は許されるものではありません。ランスロット様は類い希なる方です。私達はランスロット様と出会う為に奴隷に成ったんですね。ランスロット様、ああランスロット様。感謝します。このように優しくして頂けるなんて夢のようですわ。
 これは気の所為ではありません。お慕い申し上げます。子供を産めと言われれば産みます。いえ、どうか産ませてください!どうかお側にいさせて下さい。性奴隷でも何でも良いです!」

 3人も同じような事を言い、俺を神でも見るような目で見てくる。皆奇麗なので俺の心臓は破裂しそうだ。

 どうやら勇者が効いたのかどうかはわからないが、俺のスケコマシパワーが炸裂して、4人の心を頂いてしまったようだ。自分の子供と同じような年齢の娘に慕っている、抱いてくれと言われても倫理観がストップを掛けていた。娘?俺は18だぞ…

 俺は一番風呂に入るが、水着姿のシェリーが皆と同じ様にして欲しいと言ってきた。了解して背中を丁寧に洗ったが、何故か嬉しいと泣いていた。
 
 一緒に湯船に浸かり、2、3日中にデートしないか?と誘ったが、また泣いた。シェリーは泣き虫さんだ。
 そしてゆったりと湯船で過ごした。今日はすこぶる気分が良い。シェリーの事は信頼している為か、もの凄く安堵する。気持ちって大事だよね。 

 風呂を出るとシェリーは自室に行き、俺は寝室に行った。そして4人は俺を待っていた。
 シェリーに予めくじを作って貰っていたようで、4人との刻印の儀の順番を決める為だった。

 刻印の儀は異性の奴隷を購入した以上、主人の義務だとシェリーにもナンシーにも改めて言われている。
 4人は待ち遠しそうにしていた。
 色々なメリットが有るという。
 俺は観念した。そうそう、生活魔法で避妊が出来るそうだ。別名性活魔法。クリーンがキモだとか。

 そして勇者の刻印が別格らしい。既にシェリーに刻印の刻み方を聞いていた。メリットとデメリットを聞いているので4人の意思を尊重する事にした。何せ一度しか刻めないので慎重になる。

 勿論失敗は許されない。メリットの一つに刻印主、つまり俺の居場所が分かるようになるのだとか。隷属契約者もそうだが、刻印の有り無しで精度が全く違うのだそうだ。

 勇者による刻印の儀式は条件が厳しい。
 まず心身共に一つになる。一方的に欲望を満たしても駄目なのだ。
 お互いに心を込める必要が有る。まあこれはお互い話をして仲良くなるしか無い。

 次が厳しい。行為の時間を含め、4時間一緒に、それも体の一部を接触し続ける必要が有る。魔力を流す事で相手の体に勇者の魔力を馴染ませなければ刻印が生成されない。離れていられるのは累計1分のみ。
 只寝ているだけなら何ともない。俺は念の為に片手を手を握った状態で紐で結ぶ事にした。

 問題はトイレに行く時だ。一緒に入らなければならない。
 特に女性にとっては用を足す時の音は、例え女性であっても聞かれたくない。ましてや異性になんて論外だ。

 また、勇者による刻印のメリットは計り知れない大きな物だ。実は一般的に知られていて、志郎も知っていると皆思い込んでおり、誰も説明しなかった。その為志郎が皆が志郎との肉体関係を積極的に求める理由を知るのはかなり後の事だ。

 おかしいと思う必要が有ったのだ。いくら倫理観の違う世界とはいえ、あまりにもモテ過ぎている。この後もそうだ。
 
 確かに志郎の見た目の格好良さと性格も有るのだが、別の意味で見た目のメリットが多い。惚れたとは言え体の関係を急いだ理由だ。それとナンシーが志郎のハーレムを歓迎している理由もかなり後に知る事になる。

 早速くじを引いた。トップバッターはクレアだ。
 一旦部屋に戻って貰い、俺の準備が整ったら迎えに行くとした。一人当たり4時間の長丁場だ。

 先ずはクレアを迎えに行き、勇者による刻印の儀式をつつがなく行い、消耗しきった彼女を少し寝かせてから俺も仮眠を取る。4時間同じ部屋にいるという長丁場の儀式を終えてから部屋に戻す。

 2番手はシータだが、問題なく順調に進んだ。

 3番手はエリシスだ。
 エリシスの儀式が終わり、彼女を部屋に連れて行き、ベッドに寝かせた後、食堂に向かう。

 食堂にてシェリーと会うとおはようのキスをした。
 朝食を共に食べ、朝食をテーブルに出して、食堂に来た者に適時出してあげてとお願いをした。

彼女達は消耗が激しいからと、今日は彼女達を休ませるようにと言い、これから最後のフレデリカの番だと伝えた。

 そしてフレデリカを迎えに向かった。
 フレデリカにもつつがなく刻印の儀式を行い、昼過ぎに目を覚まし、無事に刻印の儀が完了している事を確認した。俺はまだ寝ているフレデリカをお姫様抱っこして彼女達の居室に連れていき、ベットに寝かせ、布団を掛けてそっと部屋を出た。

 昼食の時間だったので、食堂に行くとシェリーがいた。

「おはようございます。お務めお疲れ様でした。クレアが様子を伝えてくれましたが、その、彼女達が羨ましいです」

 買って置いた昼食を出して2人で食べた。4人が起きてきたら食べるようにとメモを置き、柔らかいパンとスープを置いていく。
 2人で食材を買いに市場に向かう。今まで宿暮らしだったが、これからは食事を作る必要が有る。

 取り敢えず3日分位の食材を買い込む事にした。

 雑貨屋で食器や生活用品を買い込んだり、皆におやつを買おうと俺が提案し、何種類かを買い込み、それから屋敷に戻ったのであった。
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